- 対象: 管理職
- テーマ: マネジメント
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マネジメント業務の具体的な内容とスキル、育成方法を解説

マネジメント業務とは、単なる管理業務だけではありません。今回は、マネジメントの具体的な業務内容や必要なスキル、人材育成の方法について解説します。
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マネジメントとは?
マネジメントとは一般的に、組織の目的や目標を達成するために、組織内の経営資源である「ヒト・モノ・カネ・時間・情報」を効率的かつ効果的に活用することを指します。計画の立案、実行、進捗の確認、改善といったサイクルを回しながら、組織全体のパフォーマンスを高めていきます。
マネジメントの起点
マネジメントの最初のステップは、企業理念や経営戦略を深く理解することです。組織全体のビジョンや長期的な目標に基づいて、各チームや個人の役割を明確にし、達成すべき目標を設定することが、適切なマネジメントの土台となります。
マネジメントに必要な要素
効果的なマネジメントを遂行するためには、下記の要素が求められます。
PDCA
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4段階で進行する業務改善のフレームワークのことです。
Plan(計画)を立案し、実行後に進捗や成果を評価(Check)した後、その結果に基づいて次の改善策を実行(Action)することで、継続的に成果を向上させます。優れたマネジャーはPDCAを徹底し、組織全体が効果的に動くように導きます。
報告・連絡・相談
「報連相(ホウレンソウ)」は、メンバー間で円滑なコミュニケーションを維持するための手段です。
特に上司は、部下からの報告・連絡を適切に受けると同時に、部下が報連相を正しく行い、情報共有を習慣化できるよう意識させることが大切です。
マネジメント業務とは?
マネジメント業務は、組織目標を完遂するために必要なさまざまな業務を指します。以下で、具体的な業務内容を説明します。
目標設定・計画策定
目標設定と計画策定は、マネジメント業務のなかでも重要な業務です。
経営戦略に基づいて、チームや個人の目標を明確にし、それに応じた具体的な行動計画を立てます。その上で、開発スケジュールやマーケティング戦略、リソースの割り当てを含めた具体的な計画を策定します。
目標を設定する際には、SMARTの法則(Specific:具体的、Measurable:測定可能、Achievable:達成可能、Relevant:関連性がある、Time-bound:期限付き)を用いることが一般的です。
進捗管理
目標設定後に重要なのが進捗管理です。進捗管理とは、業務が計画通りに進んでいるかを確認し、必要に応じて調整を行うことです。
各メンバーの業務内容やスケジュールを把握し、適切に業務が割り当てられているか、人員が効率的に配置されているかをチェックします。
問題解決・リスク管理
問題解決とリスク管理も、マネジメント業務にあたります。業務の進行中にトラブルが発生した場合は、迅速に対応し、再発防止策を講じることが求められます。また、将来的に発生しうるリスクを予測し、予防策を講じることも重要です。
メンバーのモチベーション管理
メンバーのモチベーションを維持・向上させることも重要な業務です。業務に対する意義や目標達成後のメリットを明確に示し、メンバーが自発的に働く環境を作ることが、組織全体のパフォーマンスを向上させます。
また、上司が定期的にコミュニケーションの機会を設け、部下の困りごとや不安を確認し、適切なサポートをすることも大切です。部下が組織や業務に対して前向きに考えられるようになり、主体的に行動することを促すことができます。その結果、業務効率も改善されるでしょう。
メンバーの育成(施策の実行・評価・フィードバック)
メンバーの育成もマネジメント業務のひとつです。メンバーの強みや弱みを理解し、それに応じたコミュニケーションを取ります。
また、メンバーの成長を促進するためには、定期的なフィードバックが欠かせません。具体的な改善点や成果を伝えることで、やりがいや成長を実感し、さらに高い目標に向けて努力する動機が生まれます。
研修や勉強会を通じて新しいスキルを習得させるだけでなく、日常業務の中で適切なフィードバックを行うことが、持続的なパフォーマンス向上につながります。
マネジメント業務の遂行に必要なスキル
マネジメント業務の遂行に必要なスキルは、組織内での役割や階層によって異なります。トップマネジメント、ミドルマネジメント、ローアーマネジメントそれぞれに特有のスキルが必要です。ここでは、それぞれの階層に求められるスキルについて解説します。
トップマネジメントに必要なスキル
トップマネジメントは、企業の最上層に位置し、組織の経営を統括する役割を担います。経営計画や事業戦略を定め、組織全体に対して方向性を示します。主な役職は、会長、社長、取締役、専務などです。
トップマネジメントには、戦略的思考力や意思決定力、リーダーシップ力が求められます。
ミドルマネジメントに必要なスキル
ミドルマネジメントは、部長や課長、工場長、支店長などの中間管理職のことです。トップからの指示を現場で実行することに加え、現場の声をトップに伝える橋渡しの役割を担います。
現場とトップの板挟みになることが多く、両者のバランスを保ちながら業務を遂行する能力が求められます。
求められるスキルはコミュニケーション能力や業務推進能力、論理的思考能力などです。
ローアーマネジメントに必要なスキル
ローアーマネジメントは、現場の主任、リーダー、チーフなど、現場で実際に業務を遂行しながらチームを指導する立場を指します。ミドルマネジメントの指示に基づいて現場の業務を効率的に遂行するために調整を行い、チームの進捗状況を管理します。
また、メンバーのモチベーション管理や業務量のバランスを取ることも、重要な役割のひとつです。
求められるスキルは、オペレーション管理能力や進捗管理能力、チーム運営力などです。
質の高いマネジメント業務ができる人材を育てるには?
マネジメント業務を担う人材には、現場の指導や進捗管理だけでなく、組織全体の方向性を正しく理解しリーダーシップを発揮して、業務を遂行する力が求められます。優秀なマネジメント人材を育成するには、このようなスキルを育てることが大切です。
最後に、質の高いマネジメント業務ができる人材を育成する具体的な方法を紹介します。
管理職に必要なスキルと育成のポイントについては、下記のコラム記事をご覧ください。
マネジメント研修
マネジャーに必要な知識とスキルを体系的に学べる研修を実施しましょう。論理的思考力やリーダーシップ、チーム運営に必要なコミュニケーション能力など、マネジメントに必要なスキルを学びます。
また、マネジャー同士が悩みや課題を共有し合う時間を設けることも有効です。部署を越えたつながりが生まれ、実務に直結した解決策を見つけやすくなります。
社内にマネジャー育成のノウハウが不足している場合は、外部の専門機関に研修を依頼することも検討しましょう。例えばJMAM(日本能率協会マネジメントセンター)が提供している「マネジメント・ビュッフェ」は、40年以上の管理職育成ノウハウを凝縮した管理職の学びに特化したeラーニングです。管理職に必要とされるマネジメントスキルを体系的に習得できます。
実践を通しての継続的学習
座学でインプットをするだけでなく、アウトプット(実践)を通じた学びも大切です。理論を学んだ後、それを現場で実際に適用することで、経験に基づいたスキルが身につきます。
また、マネジメント人材として成長するには、1つの部署に留まらず、他の部署や異なる環境での実践経験を積むことも有効です。コミュニケーション能力やリーダーシップ力が向上するほか、より幅広い視点を持ってマネジメント業務を遂行できるようになります。
越境学習
越境学習とは、現職場以外の環境で学び、異なる価値観や知識に触れることで、新たな視点を得る学習方法です。
社内で培ってきた考え方や視点を広げることができ、新しいアイデアやリーダーシップの手法を取り入れるきっかけとなります。
まとめ
マネジメント業務では、計画の策定から進捗管理、問題解決、メンバーのモチベーション管理や育成まで、多岐にわたる業務を遂行し、組織全体がスムーズに機能するよう図ります。
質の高いマネジメント業務ができる人材を育てるためには、理論と実践をバランス良く組み合わせた教育を提供することが重要です。マネジメント研修での基本的なスキル習得だけでなく、実務経験を通じて知識を実践に落とし込み、さらには越境学習によって新しい視点を得ることが成長の鍵となります。
マネジャーに着任する前から、できれば1年以上、研修や通信教育などを介して学ぶ機会をつくり、現場で実践することを繰り返して成長を促しましょう。
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JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)では、管理職の学びに特化したeラーニングをご提供しています。業績直結型の管理者になるためのマインド醸成から、DXなどの最新のテーマまで175の学習テーマを扱っており、管理者とは何か、何をなすべきか、というもっとも本質的な課題について考えることを促します。質の高いマネジメント業務を遂行するためのマネジメントスキルを体系的に学ぶことが可能です。
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