- 対象: 全社向け
- テーマ: ビジネススキル
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従業員のコミュニケーション能力を鍛える方法!基本から役職別のポイントまで解説

コミュニケーション能力は、ビジネスの成功を左右する重要なスキルです。しかし、「部下が指示を理解していない」「上司の意図が掴めない」など、組織内でのコミュニケーション不全が業務効率低下や人間関係の悪化を招いているケースも少なくありません。
今回は、ビジネスシーンで求められるコミュニケーション能力の鍛え方や、管理職と新人それぞれの立場に応じたポイントを詳しく解説します。
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ビジネスシーンで求められるコミュニケーション能力
優れたコミュニケーション能力を持つ人材は、アサーティブコミュニケーションとロジカルコミュニケーションという2つの重要なスキルを備えています。まずは、それぞれのスキルを詳しく解説します。
アサーティブコミュニケーション
アサーティブコミュニケーションとは、自分と相手の双方を尊重しながら意見を交わすコミュニケーション手法です。
「アサーティブ(assertive)」は「自己主張する」という意味を持ちますが、単に自分の意見を押し通すことではありません。相手の立場や意見を尊重しつつ、自分の意見や要望を適切に伝えるスキルを指します。
なお、「アサーション(assertion)」という用語が使われることもありますが、同じ意味を持ちます。
ロジカルコミュニケーション
ロジカルコミュニケーションとは、伝えたい内容を論理的に整理し、相手にわかりやすく伝える話し方のテクニックです。「ロジカル」は「論理的」を意味します。
関係者間の円滑なコミュニケーションは、ビジネスやプロジェクトの成功を大きく左右します。そのための重要なスキルともいえるでしょう。
なお、ロジカルコミュニケーションに必要なロジカルシンキングやその構成要素、役立つフレームワークなどは下記をご覧ください。
コミュニケーション能力を鍛える基本的な方法
アサーティブコミュニケーションやロジカルコミュニケーションを身につけるための、具体的なトレーニング方法を紹介します。
傾聴力を養う
相手の意図を正確に理解し、適切な応答ができるようになるには、傾聴力が重要です。表面的には表れない感情の理解に役立つため、本質的な課題の発見や解決策を見出すことにもつながります。
傾聴力を鍛えるには、下記のようなトレーニングの実践がおすすめです。
- 「相手7:自分3」の割合で会話する
- バックトラッキングを実践する
- ミラーリングを実践する
- ペーシングを実践する
- パラフレージングを実践する
詳しい実践方法はこちらの記事をご覧ください。
伝え方を磨く
相手に理解、納得してもらう伝え方を磨くことも重要です。
効果的な伝達のポイントは、専門用語を避け、相手の知識レベルに合わせて言葉を選ぶことです。
また、表情、姿勢、アイコンタクト、声のトーンなどの非言語要素も意識する必要があります。カリフォルニア大学の心理学名誉教授が提唱した「メラビアンの法則」では、人間のコミュニケーションの55%以上は非言語的要素が占めるとしています。
これらのポイントを身につけるためには、「PREP法(結論→理由→具体例→結論)」などの話法の習得や、ロールプレイング形式の研修への参加が有効です。
管理職の伝える力を磨くには、下記のような研修もご検討ください。
共感力を高める
相手の感情や立場を理解し、適切に反応する能力のことです。信頼関係の構築と円滑な意思疎通の基盤となります。
共感力を高めるには、日々の実践が重要です。周りの人の行動や仕草を観察する、相手の感情を想像しながら話す、多様な価値観を持つ人々と積極的に交流するなど、小さな行動を積み重ねましょう。
客観性を身につける
客観性を身に付けることで、自分では気づかない強みや改善点を認識でき、継続的に成長できるようになります。上司や同僚からのフィードバックを前向きに受け止める姿勢を養うことにもつながるスキルです。
実践方法としては、1on1やプロジェクト終了後などに、フィードバックを交換する習慣をつけると良いでしょう。他者にフィードバックを提供する際は、具体的な行動に基づいた建設的な内容を心がけることが重要です。
組織内にフィードバック文化を定着させることで、全体のコミュニケーション能力が向上します。
なお、社内のフィードバック文化の促進や1on1の質にお悩みの人事担当の方は、AI解析を通じた実践支援を提供する「KizunaNavi」がおすすめです。詳細は下記からご覧ください。
【管理職向け】部下とのコミュニケーション能力を鍛える方法
管理職の効果的なコミュニケーション能力は、チームのパフォーマンスと職場環境を大きく左右します。従業員の能力を最大限に引き出し、業務効率や組織連携を向上させるためには、部下との対話の質を高めることが不可欠です。
管理職の部下とのコミュニケーション力を鍛える方法について紹介しましょう。
目的を共有する力を磨く
「何をどうやるか(方法)」の指示だけでなく「なぜやるのか(目的)」を明確に伝えることで、部下のモチベーションと納得感が高まり、自律的な行動が促進されます。
管理職が上位方針(経営方針、戦略など)を社会的意義や部署の役割と結びつけて、自分の言葉で語れるようにすることが大切です。
進捗管理よりも「支援」にフォーカスする姿勢を持つ
単なる進捗確認ではなく、部下が目標達成に向けて進めるための「伴走者」としての関わり方が、現代の管理職には求められています。
日常業務の中で部下の状況を把握し、適切なタイミングでコーチングやメンタリングを行うスキルを強化することで、個々の成長を促進できます。管理職研修では、実践的なロールプレイを通じてこのスキルを鍛えると良いでしょう。
多様性を活かしたチームづくり
個々の強みや状況に合わせたコミュニケーションによって、チームの創造性と柔軟性が高まります。
そのためには、心理的安全性のあるチームをつくることが重要です。部下が失敗を恐れずにチャレンジし、率直に意見を述べられる雰囲気づくりが、イノベーションと問題解決の基盤となります。
フィードバックとリフレクション(内省)の習慣化
コミュニケーションは「伝える」だけでは完結しません。対話や内省によって経験が意味づけされることで、初めて成長につながります。
そのため、一方的な評価ではなく、部下の気づきを促すためのフィードバックを行うことが重要です。
建設的なフィードバックを提供する訓練を管理職研修に組み込むことで、組織全体のコミュニケーション文化が向上するでしょう。
【新人・若手向け】上司とのコミュニケーション能力を鍛える方法
新人・若手社員にとって、「型」(思考の枠組みやフレームワーク)を習得することが上司とのコミュニケーション能力向上への近道です。
「型」の具体例として、主に使われるものを3つ紹介します。
- PREP
コミュニケーションやプレゼンテーションにおいて情報を整理し、要点を相手に明確に伝えるための手法。Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論の再確認)という流れで話を構成するため、簡潔かつ説得力のある論理展開になる。 - ロジックツリー
情報や問題を階層的な構造で整理して、論理的な関係を視覚的に表現する手法。複雑な問題を「幹」と「枝」に分解し、思考の見落としを防ぐ。 - 6W2H
業務に取り組む際の必須観点を網羅するフレームワーク。Why、What、Who、When、Where、Whom、How、How muchの6つの観点から要素を整理するため、思考の抜け漏れを防げる。
これらのフレームワークは、研修で学ぶだけでなく、日常業務の中で意識的に活用することで定着します。
メールでの報告、会議での発言、上司との1on1など、あらゆる場面でこれらの「型」を実践する機会を設けることが、若手社員のコミュニケーション能力向上には不可欠です。
思考のフレームワークの習得には、下記のような研修もご検討ください。
まとめ
コミュニケーション能力は一人で完結するものではなく、常に相手が存在するため、双方向性に求められるスキルです。
特に会社組織のように多人数で構成される環境では、全員が共通の目的を達成するために、コミュニケーション能力を磨くことが求められます。
これは、生まれつき備わっているものではありません。傾聴力、伝達力、共感力、客観性を意識的に鍛えることで着実に向上します。加えて、「何のためにコミュニケーションを取るのか」「なぜその力を伸ばす必要があるのか」といった目的意識が欠かせません。目的が定まっていてこそ、コミュニケーションの質も向上していきます。
社内での日常的な実践を促し、組織全体の連携強化や顧客満足度向上を目指しましょう。
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