コラム
  • 対象: 全社向け
  • テーマ: 組織風土・文化
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風通しの良い職場をつくる有効な施策とポイント、注意点を解説

風通しの良い職場をつくる有効な施策とポイント、注意点を解説

「風通しの良い職場」とは、従業員が自由に意見を交換しやすく、社内のコミュニケーションが活発な職場環境を指します。このような心理的安全性の高い職場環境を構築することは、従業員の定着だけでなくイノベーションの創出にもつながります。

そこで今回は、風通しの良い職場を実現するために必要な要素やポイント、具体的な施策について解説します。

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風通しの良い職場に求められる要素

「風通しの良い職場」とは、具体的にどういった環境を指すのでしょうか。ここでは、風通しの良い職場にみられる4つの要素を解説していきます。

社内コミュニケーションが活発

風通しの良い職場は、社内コミュニケーションが活発で、課題や悩みを共有できる社風が形成されています。特に、インフォーマルコミュニケーションが多い職場は、従業員同士の親密な関係が築かれ、意見や情報を自由に交換できる雰囲気が醸成されやすいのが特徴です。

インフォーマルコミュニケーションとは、職場での公式な会議や業務上のやり取りとは異なり、休憩時間や廊下での雑談、ランチタイムなどで自然に行われる非公式なコミュニケーションを指します。このようなやり取りは、従業員のストレス軽減や信頼関係の構築につながり、職場全体の協力関係を強めるメリットがあります。

また、リラックスした会話の中から新しいアイデアや発見が生まれることも多く、組織のイノベーションを促進する力にもなるのです。

オープンなコミュニケーションができる

風通しの良い職場では、従業員が情報をオープンに発信し、意見を自由に交換できる環境が構築されています。例えば、部下が上司に対して仕事に関する意見や課題、アイデアを自由に話したり、新入社員に意見を求めたりする機会がある、などです。このようにオープンなコミュニケーションが活発な職場では、問題が発生した際にも速やかに情報が共有され、解決に向けた取り組みが迅速に進みます。

また、社内の「暗黙の了解」が発生しにくくなるため、コミュニケーションでの誤解や勘違いによるトラブルも防ぎやすくなります。

心理的安全性が高い

心理的安全性は、風通しの良い職場の基盤となる要素のひとつです。具体的には、従業員が意見やアイデアを表明する際に、批判や拒絶をおそれずに安心して発言できる状態のことを指します。

心理的安全性が高い職場では、従業員が年齢や役職に関係なく意見やアイデアを自由に出し合える環境が整っています。社内に多様な知識や価値観を取り入れられるため、新しいアイデアや提案が生まれやすいのも特徴です。

従業員が心理的に安全だと感じる職場では、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢が生まれ、組織全体の活性化につながるでしょう。また、従業員がもつ多様な視点を尊重し合うことで、チームワークが強化され、職場の雰囲気も明るくなります。

なお、心理的安全性については下記の記事でも解説しています。

従業員が自律的に行動できる

風通しの良い職場では、従業員が自分の業務に対して責任を持ち、目標に向かって主体的に働ける環境が整っています。

自律的に行動できる従業員は、自分の役割を理解し、何をすべきかを自ら判断して行動することが可能です。指示待ちの状態が少なく、各自が自分のペースで業務を進めるため、生産性が高まりやすいこともメリットです。

また、従業員一人ひとりが自身のスキルを向上させるために積極的に学習を進めるため、結果的に組織全体の成長にもつながります。

風通しの良い職場をめざす際のポイント・注意点

風通しの良い職場を目指す際、方法を誤るとデメリットが生じるため注意しましょう。ここでは、施策の導入にあたって大切なポイントや注意点を解説します。

オープンなコミュニケーションを無理に求めないようにする

オープンなコミュニケーションは、風通しの良い職場をつくる上で重要ですが、すべての従業員に強制すると逆効果になる可能性があります。特に、内向的な性格の人や自分のペースで仕事をしたい人にとって、オープンに語り合う場を設定されると、かえってプレッシャーやストレスになるでしょう。

オープンなコミュニケーションが起こる職場は、従業員が自然に対話できる環境であることが前提です。一人ひとりの個性や働き方を尊重しながら、無理のない範囲でコミュニケーションが促進されるよう工夫しましょう。

組織目標に対する意識を損なわないようにする

風通しの良さを求めるあまり、企業としての目標や方向性が曖昧になる場合があります。自由気ままに仕事ができる雰囲気を重視しすぎると緊張感が失われ、勤務態度が緩むなどだらけた印象になりかねません。

風通しの良い職場を目指す際には、従業員個人の自由な意見や行動を尊重しつつも、企業として明確な指針をもたせることが重要です。定期的なミーティングや報告会を通じて、チーム全体の目標と進捗状況を共有し、全員が同じ方向を向いていることを確認しましょう。

メリハリのあるコミュニケーションであることを意識させる

フラットなコミュニケーションを推奨するあまり、上下関係や役割分担が曖昧になると、職場のメリハリが失われ、生産性が低下する可能性があります。例えば、従業員間の責任の所在が不明確になり、結果的に業務の効率化が妨げられるなどのケースがあげられます。

風通しの良い職場であっても、業務においては適切な上下関係や役割分担が必要です。従業員がそれぞれの役割を理解し、業務を遂行するなかで必要なコミュニケーションを取ることで、効率的かつ生産的な環境を維持できます。

コミュニケーションスキルの習得も同時に行う

風通しの良い職場では、コミュニケーションが活発になる一方で、意見や価値観の違いが浮き彫りになることもあります。こうした場面でも従業員が適切に対応できるよう、相互理解を深めるためのコミュニケーションスキルを習得することが大切です。

実践的なトレーニングやワークショップを通じて、従業員がスムーズにコミュニケーションを図れるよう支援しましょう。

JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)では、対人関係における適応力を高めるためのコミュニケーション研修を提供しています。2日間のプログラムで、従業員の伝えるスキル(アサーション)・個の違いに適応するスキル(認知修正)・聞くスキル(傾聴)を鍛えます。ご興味のある人材育成担当の方は、下記から詳細をご覧ください。

風通しの良い職場にする有効なコミュニケーション施策

風通しの良い職場にするには、実際にどのような方法があるのでしょうか。下記で、具体的な施策を7つ紹介します。

オープンなコミュニケーションスペースを設ける

オープンなコミュニケーションスペースとは、従業員が自由に使える空間のことです。会議室や執務スペースなどとは別の場所に設けます。自由に集まり、意見を交わしたりリフレッシュしたりできるため、従業員同士の自然な交流を促進します。

また、非公式なコミュニケーションを促す場所を設置することも有効です。例えば、社内カフェやマグネットスペースなど、従業員が雑談できる場所を設けることで、インフォーマルコミュニケーションが活性化されます。

フラットな組織構造の推進

組織階層がシンプルなフラット組織(フラット型組織)にする方法も有効です。フラット組織とは、経営者が組織のトップであり、その下に従業員がおかれている組織構造を指します。階層が少なく、管理職がいない(少ない)ことが特徴です。

一般的な社長、部長、課長、係長といったピラミッド型の上下関係がある企業では、意思決定がトップダウンで行われたり、部下が意見を出す際に上司に遠慮したりする場面が多くなりがちです。

一方、フラット型組織はコミュニケーションが水平に広がりやすく、従業員がより主体的に動くことが可能です。効率的で柔軟な職場環境を構築できるため、特にスタートアップ企業やクリエイティブな業界、変化の早い業界に適しているといわれます。

1on1ミーティングの実施

1on1ミーティングは、上司と部下が1対1で話し合う場のことです。日常の業務では言いづらい課題や悩みを自由に話せる環境が整うため、従業員の声を拾い上げる機会が増え、風通しが良くなります。また、部下の悩みや課題を早期に発見することにもつながるため、個々に必要なサポートを早めに提供できます。

下記の資料では、効果的な1on1ミーティングを実施するためのコツをまとめています。風通しの良い職場を構築したいとお考えの人材育成担当の方は、ぜひご覧ください。

健全なワークライフバランスの推進

ワークライフバランスの推進によって、ストレスが軽減し、モチベーションも上がりやすくなります。そのためには、柔軟な働き方を実現するための制度を設けることが重要です。具体的には、テレワークやフレックスタイム制度、時差出勤制度などがあげられます。

また、制度のメリットを従業員へ周知したり、管理職が率先して制度を利用したりなど、従業員が気軽に利用するための取り組みを行うことも大切です。

B面開発を支援する

B面開発とは、従業員が本業以外に情熱をもっている分野をサポートする取り組みのことです。従業員が副業や趣味などを通して自己実現を追求する機会を持つことを、積極的に推奨しましょう。

また、副業や趣味を通じて得た知識やスキルは、本業にも新たな視点やアイデアをもたらすことがあります。企業が従業員のB面開発を支援することは、従業員のエンゲージメントを高めるだけでなく、イノベーションを創出する一助にもなるでしょう。

コミュニケーション研修を実施する

従業員が効果的なコミュニケーションを行えるようになるには、必要なスキルを体系的に学べる研修を実施することが重要です。コミュニケーション研修を通じて従業員のコミュニケーションスキルを高め、組織の成長を促しましょう。

JMAMでは対人関係の総合的なスキルを高めるコミュニケーション研修を実施しています。ご興味のある人材育成担当の方は、下記から詳細をご覧ください。

風通しの良い職場を浸透させ、継続するための取り組み

風通しの良い職場を構築するための施策は、実施するだけでなく、継続して社内に組織文化を定着させることが重要です。

そのため、施策の実行と同時に次のような取り組みも行いましょう。

  • 従業員アンケートなどを実施し、社内状況の定期的な評価とフィードバックを得る
  • 対話型マネジメントを推奨し、心理的安全性を確保する
  • 管理職が具体的な行動を通じて組織文化を体現する

人事担当者が定期的に社内状況を把握するほか、管理職からの具体的な働きかけによって組織文化を醸成しましょう。

なお、対話型マネジメントの具体的な手法については、こちらの記事でも紹介しています。

まとめ

風通しの良い職場を実現するためには、オープンなコミュニケーションスペースの設置や1on1ミーティングの導入、フラットな組織構造の推進などのコミュニケーション施策が有効です。これらの施策を通じて、従業員同士の信頼関係を強化し、職場全体の心理的安全性を向上させましょう。

JMAMでは、風通しの良い職場をつくるために必要なコミュニケーションスキルを育成するプログラムを提供しています。ぜひ一度お問い合わせください。

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