コラム
  • 対象: 人事・教育担当者
  • テーマ: 働き方
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現代の社員に必要なキャリアデザインとは。必要性や施策について解説

現代の社員に必要なキャリアデザインとは。必要性や施策について解説

社会情勢が目まぐるしく変わる昨今、将来を見据えた具体的なキャリアデザインを考える重要性が増しています。社員のキャリアデザインを考えることは、社員にとっても企業にとってもメリットがあることです。

昨今の人的資本経営時代には、企業は従来のような「組織内キャリア開発」を中心としたキャリア支援から個人主導の「自律的キャリア形成」支援への方向転換を求められています。

しかし、なぜキャリアデザインが必要なのか、どう支援すれば良いのか分からない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、現代の社員にキャリアデザインが必要な理由や支援する際のポイント、具体的な支援策などについて紹介します。

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現代の社員にキャリアデザインが必要な理由

キャリアデザインとは、個人が将来どのような仕事や働き方がしたいのか、ビジョンを明確にして行動に移すことです。

社内でのキャリアだけを指すのではなく、自身の人生における理想の仕事・働き方、それを実現するために必要なスキルや経験などを具体的に考えることを指します。

ここでは、なぜ現代の社員にキャリアデザインが必要なのか、その理由を解説します。

労働に対する価値観の多様化

現代の社員にキャリアデザインが必要な理由のひとつが、労働に対する価値観の多様化です。近年、DX化の推進やテレワークの普及、働き方改革の推進などにより、社会情勢が激しく変化しています。

それにともない、ライフワークバランスや場所に縛られない働き方など、個人の労働に対する価値観も大きく変化しました。

このような状況のなか、何となく働いているだけでは、自身の「ありたい姿」「充実した人生」を実現できません。そのため、社員が主体的にキャリアを設計し、行動する必要があります。

企業が求めるスキル・人材の変化

また、企業が求めるスキル・人材が変化していることも、現代の社員にキャリアデザインが必要な理由です。変化の激しい時代のなか、企業は成長し続け、生き残っていかなくてはなりません。

ただ受け身で働くだけの社員よりも、IT人材を中心に、より専門的なスキルをもつ人材や、主体性がある人材が求められるようになっています。

社員自らが必要なスキルや知識を明確化し、目標・目的を設定して動ける、企業にとって価値の高い人材となるよう働きかけていきましょう。

人材流動性の高まり

人材流動性が高まっていることも、現代の社員にキャリアデザインが必要な理由のひとつです。

近年では、日本でも成果主義の企業や、即戦力となれる中途採用を行う企業が増え、労働者側も自身のキャリアアップや給与アップを求めて転職する人が増えています。

しかし、転職先の環境が合わずに苦しい思いをする社員も少なくありません。

社員自身がキャリアビジョンを思い描き、働きやすい職場を見つけるためにも、企業がキャリアデザインを支援する必要があります。

キャリアデザイン支援のポイントは「個人主体」であること

社員一人ひとりの「ありたい姿」を考えるキャリアデザインを支援すると、社員が転職してしまうのではないかと思う人もいるでしょう。

しかし、社員のキャリアデザインを把握し、「この企業ならありたい姿を実現できる」と思ってもらえるように環境を整えれば、貴重な人材の流出防止に役立ちます。

社員のキャリアデザインを支援するときに重要なポイントが、「個人主体」であることです。これまでの日本企業では「配属はすべて会社が決める」「キャリアパスは会社次第」と考える文化がありました。

社員側にもそう考えている人が多くいましたが、キャリアを組織任せにすると、主体性のない人間になりがちです。主体性のある人材を育てるには、社員が労働者としてではなく、個人としてキャリアを考えられるようにする必要があります。

企業としてはリスクがあるものの、社員自身がキャリアを描く自由・権利があることを認識してもらうことが大切です。

年齢やライフイベントによってキャリアが異なるように、職業だけでなく、人生そのものをデザインすることがキャリアデザインの本質であることを伝えていきましょう。

キャリアデザイン支援の具体的な施策

キャリアデザインを支援し、社員の目標やありたい姿を把握することは、人材流出を防ぐ対策を練るのに役立ちます。

ここでは、キャリアデザイン支援の具体的な施策を4つご紹介します。

キャリアデザイン研修の実施

キャリアデザイン研修を実施し、キャリアデザインの必要性や設計方法などを学べる機会を設けましょう。

特に、社会人になってすぐの若手社員や管理職になったばかりの社員は、求められる役割や業務範囲が変わります。全社員一律の内容にするのではなく、若手社員、中堅社員、ベテラン社員など、世代別にカリキュラムを組むと良いでしょう。

また、キャリアデザイン研修は、定期的に開催するのがおすすめです。キャリアデザインはこの先の人生を見据えて設計するものではありますが、状況や立場が変われば「ありたい姿」が変わることもあります。

ライフイベントの影響で内容を変更する必要が出たり、当初の予定どおりに進まなくなったりすることもあるでしょう。

研修内容は定期的に見直して目標達成率を確認したり、状況に合わせて変更したりしながら、社員自身にもキャリアデザインの知識を身に付けてもらうことが重要です。

個別のキャリア面談の実施

多人数の社員に向けて実施するキャリアデザイン研修だけでは、社員一人ひとりの課題や悩みを把握しきれないことがあります。キャリア面談を実施して社員と個別に対話し、キャリアに対する課題や悩み解決のサポートを行いましょう。

社員の課題や悩みの詳細を把握することは、企業の目標と社員の希望をすり合わせるのにも役立ちます。

面談で何を話したら良いのかわからない場合は、キャリアデザインシートを用意するのがおすすめです。あらかじめ社員にキャリアデザインシートを作成してもらい、シートの情報をもとに面談を行えば、スムーズに話が進むでしょう。

目標管理制度の策定

目標管理制度の策定も、社員のキャリアデザイン支援に役立ちます。目標管理制度とは、社員自身でキャリアに関する目標を設定させ、進捗率・達成率を人事評価に反映する制度のことです。

目標の達成がきちんと評価に結びつけば、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上にもつながります。

ただし、社員に目標を設定させて結果を見るだけでは、目標がノルマになってしまうことに注意が必要です。定期的に社員にヒアリングを行って目標達成率をチェックしつつ、必要に応じてサポートを行いましょう。

目標管理の手順や注意点については、以下の記事でも解説しています。

外部の支援プログラムの導入

キャリアデザイン研修やキャリア面談は、社員のキャリアデザイン支援に役立つ施策です。しかし、これらの施策を実施するには、キャリア支援ができる人材を育てる必要があり、非常に手間と時間がかかります。

外部のキャリア支援プログラムを利用すれば、余計な手間と時間を削減しつつ、より専門的なキャリア支援が実施できるでしょう。

JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)では、企業の成長に不可欠な主体性のある社員育成のための、「キャリア自律支援プログラム」をご提供しています。

企業内教育の支援を30年以上行ってきたノウハウを生かした、4カ月間の特別なプログラムで、「自律的キャリア形成」をサポートできるのが特徴です。

企画・運用の手間を省いて社員のキャリアデザイン支援を行いたいなら、ぜひJMAMの「キャリア自律支援プログラム」をご活用ください。

まとめ

社員のキャリアデザイン支援は、社員の目的やありたい姿を把握し、離職防止対策を考える材料のひとつになります。

将来を見据えて自主的に動ける社員の育成にも役立つので、キャリアデザイン研修やキャリア面談などの施策の実施を検討してみましょう。

ただし、キャリアデザイン支援の施策を実施するには、キャリア支援のスキルをもつ人材を育てる必要があり、手間も時間もかかります。

できるだけ手間と時間を省いてキャリアデザイン支援を行いたいなら、外部の支援プログラムを導入するのがおすすめです。

JMAMが提供するキャリア自立支援プログラムの資料については、以下のリンクからダウンロードしてみてください。

無料お役立ち資料|人生100年時代のキャリアデザイン

キャリアの変貌と、必要となる施策をつかむ

昨今の「キャリア」の捉われ方の変貌と、自律的なキャリアデザインを支援するためのポイントをまとめました。

  • 「マルチステージ制」へと移行するキャリア
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    人生100年時代のキャリアデザイン

以下より無料でご覧いただけますので、ご活用ください。


人生100年時代のキャリアデザイン
JMAM HRM事業 編集部

文責:JMAM HRM事業 編集部
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