調査レポート
  • 対象: 管理職
  • テーマ: マネジメント
  • 更新日:

【管理職の実態に関するアンケート調査】ポジティブな管理職を育てる鍵とは

【管理職の実態に関するアンケート調査】ポジティブな管理職を育てる鍵とは

「管理職になりたくない」という潮流が若手社員のなかで高まっているといいますが、果たして本当なのでしょうか。そこで、日本能率協会マネジメントセンターは、2023年4月インターネットによるアンケート調査を実施しました。「管理職」という仕事への認識や実態、管理職になって感じたこと、そして、ポジティブな管理職を育てるために必要な支援について、調査結果を一部抜粋しお届けします。

■調査概要
管理職の実態に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査対象:企業規模300名以上の管理職(課長・部長・本部長層)/一般社員
有効回答:管理職1,072名/一般社員1,116名
調査時期:2023年4月

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現役管理職と部下層約2,000人への意識調査から考察をまとめました。

5割以上の管理職が、「今の仕事が面白く、管理職を続けたい」と感じている

 「今の仕事が面白い/面白くない」「管理職を続けたい/続けたくない」という設問の回答に応じ、回答者を四象限に分類した結果、管理職全体の56.4%は、「今の仕事が面白い」「管理職を続けたい」と感じている“ポジティブ管理職”であることがわかりました。

【ポジティブ管理職・ネガティブ管理職の割合】

ポジティブ管理職・ネガティブ管理職の割合

9割以上のポジティブ管理職が、「相手を尊重し誠実に行動」「変革や革新を実行」することを意識

「意識しているマネジメント行動」を聞いたところ、ポジティブ管理職の最多回答は「顧客・メンバー・関係部門・協力者などから信頼を得られるように、相手を尊重し誠実に行動している」で、ネガティブ管理職の最多回答も共通していました。一方でギャップが大きかった項目は「抵抗や障害を乗り越えて、機会を逸することなく、変革や革新を実行している」(ポジティブ管理職87.9%、ネガティブ管理職46.0% 差:41.9%)、「日頃から上位者に進んで協力し、必要な時に味方になってくれる関係性を築いている」(ポジティブ管理職91.4%、ネガティブ管理職51.5% 差:39.9%)。

【意識しているマネジメント行動】

意識しているマネジメント行動

また、「コロナ禍で変えたマネジメント行動」について聞いたところ、ポジティブ管理職がもっとも重視した点として挙げた「問題意識を持って、情報収集を行い、変化の兆しや組織の進むべき方向を的確に捉えている」は、ネガティブ管理職とのギャップがもっとも大きい項目でした。このことから、ポジティブ管理職は「人の信頼を獲得し、協力してもらえる関係づくり」「組織の進むべき方向を捉え、そのための革新を考える」ことを意識していることが推測されます。

【コロナ禍で変えたマネジメント行動】

コロナ禍で変えたマネジメント行動

部下(一般社員)の7割以上が「管理職になりたくない」

部下(一般社員)に対して、「今の仕事が面白い/面白くない」「管理職になりたい/なりたくない」を軸に四象限に分類したところ、約77.3%の部下が「管理職になりたくない」と回答。2018年にJMAMが行った調査「JMAM管理職実態調査2018」(n=566)で同様の分類を行ったところ、「管理職になりたくない」と回答した部下は72.8%だったことから、近年取り沙汰されている通り、多くの一般社員に「管理職になりたくない」という傾向があることが予想されます。

【ポジティブ部下・ネガティブ部下の割合】

ポジティブ部下・ネガティブ部下の割合

管理職になりたい理由1位は「報酬アップ」、なりたくない理由1位は「自分は向いていないから」

「管理職を続けたい/続けたくない」「管理職になりたかった/なりたくなかった」で分類したところ、もともと管理職になりたくないと感じていたネガティブな状態から、管理職を続けたいと感じているポジティブな状態に変化した管理職が16.7%いることがわかりました。このことから、ネガティブな状態だとしてもその後、ポジティブ管理職に変わる余地があることがわかりました。

【管理職になる前となった後の意識の変化】

管理職になる前となった後の意識の変化

また、管理職になりたかった理由について、もっとも回答が多かったのは「報酬アップのため」。ポジティブ管理職がネガティブ管理職と比較して大きく上回っていたのは「自分の能力アップや成長のため」、ネガティブ管理職が上回っていたのは「会社や周囲から評価されたと思えるから」でした。この結果から、ポジティブ管理職は能動的なモチベーションで管理職になることを志向していたのに対して、ネガティブ管理職は周囲からの見え方などを考えており、モチベーションの感じ方に違いがあることが推測されます。

【管理職になりたいと思っていた理由】

管理職になりたいと思っていた理由

さらに、管理職になりたくなかった理由で、全体でもっとも多い項目は「自分は管理職に向いていないから」(全体46.6%)で、ネガティブ管理職の41.0%、ポジティブ管理職の25.6%が回答。また、同様の質問を部下(一般社員)にも「管理職になりたくない理由」として聞いたところ、ネガティブ部下の53.0%が回答していました。このことから、管理職という仕事に前向きに取り組んでもらうためには、プレ管理職への動機づけや、自信を与える支援を行うことが必要であるといえるでしょう。

【管理職になりたくなかった理由】

管理職になりたくなかった理由

管理職の役割について、ポジティブ管理職は「成長につながる」、ネガティブ管理職は「調整が多くて面倒」

実際に管理職になってみて、「管理職」という仕事にどのような印象を抱いたかを聞いたところ、ポジティブ管理職は「自分の成長につながった」(95.4%)が最多の回答、ネガティブ管理職は「調整が多くて面倒」(71.3%)が最多となりました。ポジティブ管理職とネガティブ管理職の回答差がもっとも大きい項目は「チームマネジメントが面白い」(ポジティブ管理職86.8%、ネガティブ管理職20.8% 差:66.0%)。一方、回答率において両者の差が少なかったのは「プレーヤーとしての仕事の方が面白い」「調整が多くて面倒」「負荷に対し報酬が釣り合っていない」でした。
このことから、管理職になって感じるネガティブな側面は両者に共通しており、それでも管理職になったことで気づけた新たな魅力の方が上回ればポジティブな姿勢になり、負担の大きさにとらわれるとネガティブな姿勢になっていくと考えられます。

【管理職になってみたことで感じた「管理職」という仕事への印象】

管理職になってみたことで感じた「管理職」という仕事への印象

昇進前のマネジメント経験により、「管理職」の役割を疑似的に体験させることが重要

定性コメントで「管理職になる前に自分を一番成長させた経験」と「管理職に受けたかった支援や教育の内容」について聞いたところ、成長経験としてもっとも多く挙げられていた回答は「プロジェクトへの参画」であり、特に、新規事業や、部署外・社外との連携が必要とされるプロジェクトのリーダーとなって成功した経験が成長につながったと感じているコメントが多く見られました。 また、管理職になる前に受けたかった支援や教育の内容について、全体でもっとも多い回答は「マネジメント」であり、具体的にはチームやプロジェクトの運営、部下育成、タイムマネジメントといったものが挙げられました。  このことから、部下層に、管理職になってからもポジティブに働いてもらうための支援として、プロジェクトリーダーとして管理職に近い立場を任せることにより、権限を持って仕事を進めることや、人を巻き込むこと、巻き込んだ人をどう動機づけるか等の疑似的な管理職経験を積んでもらうことが有効だと考えられます。

【管理職になる前の経験や支援】

管理職になる前の経験や支援

「管理職の実態に関するアンケート調査」について

以上の他にも、ポジティブ管理職・ネガティブ管理職が置かれている職場の環境や、調査の詳細を掲載した調書資料「管理職の実態に関するアンケート調査」はこちらよりダウンロードいただけます。

関連資料

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JMAM HRM事業 編集部

文責:JMAM HRM事業 編集部
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