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  • 対象: 管理職
  • テーマ: リーダーシップ
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チームビルディングとは|タックマンモデルの意味やメリット、トレーニング方法注意点を紹介

チームビルディングとは|タックマンモデルの意味やメリット、トレーニング方法注意点を紹介

チームビルディングとは、チームを効果的に運営していくために、個人とチームの能力やスキルを把握し、チームづくりを行う方法です。チームビルディングに取り組めば、さまざまなメリットを得られます。

この記事では、チームビルディングの意味や方法を知りたいと考えている人に向けて、チームビルディングの概要や具体的な方法について解説します。チームで目標を達成するために、ぜひ役立ててください。

チームビルディングとは

チームビルディングとは、個人とチームの能力やスキルを最大限発揮することに重点を置き、チーム作りを行う方法です。
チームの目標を効果的・効率的に達成していくためにも、適切なチームビルディングが行われる必要があります。

そもそもチームとは

チームとは、目標を共有し、相互に作用しながら物事を達成する集団のことです。メンバーは、それぞれ多様な能力やスキルをもっています。

チームワークとの違いは?

チームワークは、チームの営み自体を意味します。同じ目標を達成するための、協力や協業、行動や意識などです。チームビルディングと同様、チームワークの最大の目的はチームの目標達成です。メンバーは、目標達成に向けてチームのメンバーと協力しながら積極的に行動を起こす必要があります。

それに対し、チームビルディングはより大きな変革を目指しており、それぞれのメンバーの能力やスキルを最大限発揮することに重点が置かれています。
能力が発揮できるチームづくりをチームビルディングとした場合、チームワークはチームビルディングにおいて必要な一要素といえるかもしれません。

【番外編】チームワーキング(Team+Working)

近年、チームワーキングという言葉も生まれてきました。
チームワーキングとは「チーム(Team)」に「ワーキング(Working:常に動いている状態)」を指す言葉です。チームを「動き続けるもの、変わり続けるもの」として捉え、チームを前に進め、成果を創出するためにチームのメンバー全員がもつべき視点と行動原理を説いたものです。
中原 淳氏 (立教大学 経営学部 教授)と田中 聡氏 (立教大学 経営学部 助教)による著書『チームワーキング ケースとデータで学ぶ「最強チームのつくり方」』で提唱されています。

著書の中で、成果の出るチームの特長と状態について以下があげられています。
1.チームメンバー全員参加で、
2.チーム全体の動きを俯瞰的に見つめ、
3.相互の行動に配慮し合いながら、目標に向けてダイナミックに変化し続けながら、成果創出をめざすチームの状態

日本能率協会マネジメントセンターでは「チームワーキング研修」を提供しています。立教大学 中原 淳教授と田中 聡助教とJMAMの共同開発です。
チームで結果を出すために必要な3つの視点と3つの行動原理を学び、「チームを効果的に動かすスキル」を習得するコースです。

詳細は、以下よりご確認いただけます。

チームビルディングを実施する主な目的を解説

チームビルディングは、何のために行われるのでしょうか。ここでは、具体的な目的について解説します。

パフォーマンスを向上させるため

チームビルディングに取り組めば、業務のプロセスやメンバー同士の役割も明確になります。結果、メンバー同士の連携が可能になり、チームとしてのパフォーマンスも向上しやすくなります。チームビルディングは、チームとして成果を出すために効果的です。

メンバーに主体性を身に付けてもらうため

チームビルディングにより、業務を進めるための情報共有が促進されれば、メンバーは主体的に動きやすくなります。課題や自分自身の役割を把握できるからです。コミュニケーションも促進され、自ら他のメンバーに働きかけやすくなります。

リーダーシップ醸成のため

リーダーには、組織・チームを形成していくことが求められます。リーダーとしてチームビルディングに取り組み、その過程でチームについて学ぶことで、組織・チームを方向づけるビジョン形成と共有の方法や、メンバーを自律的・協力的に行動させるための働きかけといったリーダーシップが身につきます。

組織の一体感を醸成するため

チームビルディングを導入すると、組織内のさまざまなメンバーの意識をそろえられます。組織には多様な人材がおり、考え方もさまざまです。チームビルディングを経て目標達成に向けた取り組みを共に進めれば、組織全体の一体感を高められるでしょう。

メンバー間の良好な関係を築くため

チームビルディングによってコミュニケーションが促進されれば、メンバー同士の関係も良好になります。メンバー同士が信頼しあえると、目標達成に向けた取り組みもスムーズに進めやすくなるでしょう。

適材適所を見極めるため

チームビルディングは個々のスキルが効果的に発揮され、相互作用を起こすことを目的としています。そのため、適材適所の実現はチームビルディングの要点であり、チームビルディングに取り組むことで、個々の特性を理解するための能動的な働きかけにつながります。

マインドセットを形成するため

マインドセットとは、経験や教育などによって身につく思考パターンです。チームで目標を達成するためには、チームビルディングによりメンバーの認識をそろえ、同じマインドセットを形成できるようにする必要があります。

経営層のビジョンを社員に浸透させるため

企業全体の成長を目指すには、経営層のビジョンを社員に浸透させなければいけません。同じ目標を目指すチームとしてチームビルディングを行うことは、ビジョンの共有につながり、メンバーはビジョンを意識して業務に取り組めるようになるでしょう。

チームビルディングの「5段階プロセス」タックマンモデルを確認

チームビルディングには、チームの状態を5段階にわけたタックマンモデルがあります。ここでは、それぞれの段階について解説します。

心理学者タックマンが唱えた組織進化モデル

※図の4段階に加え、チームの活動を終える「散開期」を含めた5段階があります。以下で解説します。

1.形成期

形成期は、新しいチームができたばかりの段階です。メンバーはまだお互いのことをよくわかっておらず、チームとして目指すべき目標も明らかになっていません。探りあいながら相互理解を進めていきます。

2.混乱期

混乱期は、メンバーがお互いについて知り、異なる意見がぶつかりあっている段階です。自分と真逆の意見をもつメンバーと衝突する場合もあります。議論を重ねながら、相互理解をさらに深めていく時期です。

3.統一期(規範づくり)

統一期は、メンバー同士がそれぞれの個性を認めあい、チームとして協力できるようになる段階です。混乱期で衝突した相手がいても、この段階になれば異なる価値観や意見を受け入れられるようになっています。

4.機能期(機能開始)

機能期は、チームの各メンバーが能動的に行動を起こせる段階です。リーダーが指示を出さなくても、メンバーは自分の役割を果たすために行動できます。チームのメンバーと協力しながら、着実に成果を生み出せます。

5.散会期

散会期は、チームの目標を達成し、チームとしての活動を終える段階です。プロジェクトの終了やメンバーの異動がきっかけになる場合もあります。メンバーがチームの解散を残念に思っている場合、チームビルディングは成功したと判断できます。

チームビルディングを実施するメリットとは

チームビルディングを実施すると、さまざまなメリットを得られます。具体的なメリットについて解説します。

モチベーションが上がる

チームビルディングを行えばメンバーの相互理解が深まり、チームの士気も高まります。チームで業務を進めることに対するモチベーションがアップし、大きな成果につながりやすくなります。生産性の向上にもつながるでしょう。

コミュニケーションが増える

チームのメンバー同士が共通認識をもてるようになり、コミュニケーションが促進されます。事務的な連絡だけでなく、ノウハウやナレッジの共有も盛んになるでしょう。その結果、さまざまな課題をスムーズに解決できるようになります。

アイデアが生まれやすくなる

チームビルディングでは、異なる価値観をもつメンバー同士の意見を効果的に集められます。さまざまなアイデアが生まれやすいため、チーム内にとどまらず全社的なイノベーションにつなげられる可能性もあります。

チームビルディング実施時の注意点とは

チームビルディングを実施する際は注意点もあります。ここでは、注意点について詳しく解説します。

適切な目標を設定する

チームの目標は、適切な内容になるように意識しましょう。チームにとって無理のある目標を設定すると、メンバーのパフォーマンスが低下する原因になります。各メンバーがどのようなことに取り組みたいと考えているか確認したうえで、適切な目標を定めましょう。

メンバー任せはNG

メンバーに裁量を与えることも必要ですが、丸投げにならないようにリーダーは注意してください。任せる範囲が広すぎると、メンバーのやる気を喪失させる恐れがあります。また、適宜フィードバックを行うことで目標と行動にずれがないかを修正することも重要です。目標や業務内容について丁寧に説明し、そのうえでメンバーに任せる範囲を決めましょう。

チームの編成を工夫する

多様な意見を交わすことは重要であるものの、対立が発生するとチーム全体のパフォーマンスが低下するリスクがあります。場合によっては、メンバーの相性も考慮したうえでチーム編成や業務範囲を変更するのもひとつの方法です。

効果的にチームビルディングを行うためのポイント

チームビルディングの効果を高めるためには、どうすればいいのでしょうか。具体的なポイントを解説します。

個人・チームの目標を決める

チームビルディングにおいては、個人とチーム全体の目標を決めましょう。目標を達成するための方法や、目標を達成したかどうか判断する基準についても、チーム内で話しあいながら決めるのがおすすめです。

メンバー 一人ひとりの役割を決定する

チームで協力して業務を進めるためには、それぞれのメンバーの役割を明確化する必要があります。具体的にどのようなことを行うか決め、誰が何を担当するのかメンバー同士で共有しておきましょう。

メンバー同士で協力しあって問題を解決する

問題が発生したときは、チームで協力して解決を目指しましょう。まずは問題の原因を特定し、どのような解決策を講じるべきか話しあいます。メンバー同士で協力すると、個別に対処する場合よりも効果的なアイデアが生まれやすくなります。

価値観を認めあう

チームで一丸となって目標を達成するためには、メンバー同士がお互いの価値観を認めあう必要があります。お互いを認められないと、団結しにくくなるため注意が必要です。リーダーが中心となり、メンバー同士が相互理解を深められるように働きかけましょう。

【具体例】チームビルディングに効果的なトレーニング方法を紹介

チームビルディングのトレーニング方法はさまざまあります。ここでは、具体的な方法を紹介します。

チームビルディングのトレーニング1:NASA

宇宙飛行士として不時着した場面を想定し、手元にあるアイテムに優先順位をつけるゲームです。チームのメンバー同士で意見を出しあいながら、アイテムを並べていきます。ゲームを通して意見を交わすと、お互いの価値観を理解しやすくなります。

チームビルディングのトレーニング2:ヘリウムリング

チームのメンバー同士でフラフープを囲み、指でフラフープを支えてバランスを保ったまま床へ近づけていくゲームです。制限時間が設けられており、時間内に床にフラフープをつけられれば成功です。楽しみながら、メンバー同士で協力する体験ができます。

チームビルディングのトレーニング3:マシュマロチャレンジ

マシュマロ、パスタ、テープ、ひもを用意し、自立するタワーを作るゲームです。最も高さのあるタワーを作ったチームが勝ちとなります。共通の目標を達成するために、コミュニケーションをとりながら作業を進める方法を学べます。

チームビルディングのトレーニング4:スカベンジャーハント

指定された被写体を撮影するゲームです。制限時間が設けられているため、効率的に被写体を探すためにはチームで話しあって戦略を練る必要があります。ゲームを終えた後は、よかった点と改善すべき点をメンバー同士で話しあいます。

チームビルディングのトレーニング5:WIND & ANCHOR

自分が前向きな気分になれる状況とネガティブになってしまう状況について、チームのほかのメンバーに共有するワークショップです。内容をポストイットに書き出して発表します。ほかのメンバーの価値観を把握できるため、お互いに配慮しながら業務を進められるようになります。

チームビルディングのトレーニング6:マインフィールド

2人1組になり、障害物のある道を通り抜けるゲームです。1人は目隠しをするため、もう1人が指示を出しながら道を進む必要があります。お互いの協力が必要不可欠であり、コミュニケーションの活性化に役立ちます。

チームビルディングのトレーニング7:ペーパータワー

30枚のA4用紙を使用し、タワーを作るゲームです。マシュマロタワーと同様、最も高いタワーを作ったチームが勝利します。用意するものが少ないため、気軽に取り組めます。

チームビルディングのトレーニング8:Where I'm from ポエム

「私は〇〇から来ました」という文章に言葉を当てはめ、自分について発表するゲームです。自分について振り返りながら文章を作るため、通常の自己紹介よりも深い表現ができます。メンバー同士の相互理解を深めるために効果的です。

まとめ

チームビルディングを実施すれば、さまざまなメリットを得られます。各プロセスの特徴や注意点にも配慮しながら、着実に成果を出すためのチームビルディングを実施しましょう。

株式会社日本能率協会マネジメントセンターでは、さまざまな立場や役割に応じた多様な教育プログラムを展開しています。働き方改革、女性活躍、シニア活躍など幅広いテーマに即した教育も可能です。自社の人材育成を強化するために、ぜひ活用してください。

JMAM HRM事業 編集部

文責:JMAM HRM事業 編集部
人事・人材教育に関する情報はもちろん、すべてのビジネスパーソンに向けたお役立ちコラムを発信しています。

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