コラム
  • 対象: 人事・教育担当者
  • テーマ: 働き方
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社員の離職を防止するには?原因や取り組むべき対策を徹底解説

社員の離職を防止するには?原因や取り組むべき対策を徹底解説

社員の離職防止への取り組みは、企業にとって重要です。しかし、社員が離職を選ぶ理由は様々で、扱いが難しいケースも少なくありません。どのような対策が効果的なのかと悩んでいる担当者もいるでしょう。

この記事では、社員が離職する原因や取り組むべき離職防止対策を解説します。離職率を下げたい経営者や人事担当者は、ぜひ参考にしてください。

離職防止とは

離職防止とは、社員の離職を防ぐための施策です。リテンションやリテンションマネジメントとも呼ばれています。

具体例は以下のようなものが挙げられます。

・働きやすい環境を作る
・社員面談を定期的に実施する
・コミュニケーションを活性化する

離職は通常、複数の要因が重なって起こるため、離職防止にも多角的な取り組みが求められます。

企業での離職防止対策が重要視されている理由

離職防止対策が重要視されている主な理由は、以下の3つです。

・日本の労働人口が減少し、人材確保が難しくなった
・転職のハードルが下がったことに伴い、人材の流出も増えた
・新規採用者の離職率が高い

厚生労働省によると、2017年新規大卒就職者の3年以内離職率は、32.8%でした。1990年後半以降、大卒者の約3割が3年以内に離職する状況が続いています。

人的リソースの不足が深刻化すれば、事業活動の継続は困難です。企業を存続させるためには、離職防止対策が不可欠です。

社員の離職を防止しないと発生するリスク

社員の離職を防止しない場合に発生するリスクを解説します。

優秀な人材が流出する

優秀な人材が流出すると、事業活動の停滞や企業成長の鈍化を招くおそれがあります。ノウハウや経験を身に付けたキーパーソンの離職は、企業競争力の低下にもつながりかねません。

人材採用や人材育成にかけたコストが無駄になり、人材補填に新たなコストが発生する点も大きな痛手です。

既存社員の負担が増す

離職者が担当していた業務を既存社員がカバーしなければならない場合、既存社員の負担が増します。生産性やサービスの質が低下する可能性があり、しわ寄せに不満を感じた既存社員が離職を選ぶおそれも出てきます。

連鎖的に離職者が出ると残された社員のモチベーションが大きく低下する可能性があるため、早めの対処が必要です。

企業イメージが低下する

離職率の高さは、企業イメージに直結します。企業の離職率や評判がインターネットで簡単に検索できるようになったためです。

人が定着しない企業のイメージは低下しやすく、業績や採用活動にも影響を及ぼします。多くの求職者が企業にマイナスの印象をもつと、優秀な人材を確保できない事態にもなりかねません。

社員が離職してしまう3つの原因とは

社員が離職する原因のうち、よく挙げられる3つを解説します。

1.労働条件が良くない

労働条件に不満を感じているケースです。具体例は以下のとおりです。

・長時間労働やサービス残業がある
・有給休暇が取りにくい
・給与やボーナスが少ない
・フレックスタイム制やテレワークを利用できない

働き方改革が進み、ワークライフバランスを重視する人が増えています。他企業に比べて労働環境が劣っていれば、求心力が低下するおそれがあります。

2.人間関係でストレスを感じている

職場の上司や同僚、顧客との人間関係にストレスを感じているケースです。人間関係が原因の離職は、配置転換などの対策で回避できる可能性があります。

一方、ハラスメントが離職の原因になるケースも少なくありません。職場のハラスメント防止は事業者の義務です。対策を講じていない企業は、早急に取り掛かりましょう。

3.会社の将来に対する不安がある

会社や自分自身の将来に不安を感じているケースです。会社の業績が不安定で事業拡大や年収アップが望めない状況では、社員の不安が増大します。

一方、やりがいを感じられない、スキルアップが見込めない、などの理由で離職を選ぶ人もいます。業務内容と人材のミスマッチによっても離職が起こるため、人材配置や採用活動の見直しも必要です。

離職する可能性が高い社員の特徴

離職する可能性が高い社員の行動には、共通の特徴が現れる場合があります。

業務へのモチベーションが下がる

モチベーションが下がって、業務への関心や注意力が低下するケースです。具体的には、下記のような特徴がみられます。

・ミスが増える、ミスを反省しない
・仕事を他人に押し付ける
・仕事の効率が下がる

離職を決める前に悩む人も多いため、早めにサインに気付いて適切に対応できれば離職回避も可能です。

社内でのコミュニケーションが希薄になる

職場への関心が薄れ、コミュニケーションが希薄になるケースです。具体的には、下記のような特徴がみられます。

・あいさつをしない
・会議やミーティングでの発言が減る
・雑談が減る

明らかに元気がない、笑顔が減ったという場合は、心身の健康を損なっている可能性もあるため、慎重なフォローが必要です。

仕事を早く切り上げるようになる

転職活動を開始した人の行動にも特徴的なサインがみられます。具体例は以下のとおりです。

・退社時間が早くなる
・身だしなみに気を使うようになる
・単独行動が増える
・新しいプロジェクトへの参加を避ける

転職によるキャリアアップを目指す人の離職は、企業に問題がない場合でも起こりえます。

社員の離職を防止するための対策

ここからは、社員の離職を防止するための具体的な対策を解説します。

退職する理由をヒアリングする

適切な離職防止対策を講じるためには、退職を希望する社員へのヒアリングが欠かせません。自社が抱える問題点を明らかにする必要があるためです。

ヒアリングは、退職手続きの完了後に実施しましょう。退職後であれば、本音に近い意見を聞き出せる可能性もあります。慰留目的の面談だと思われると態度が硬化しかねないため、注意しましょう。

コミュニケーションを活性化させる

職場のコミュニケーション活性化は、離職防止対策の基本です。社員の相互理解と良好な人間関係の構築に役立つ施策を導入しましょう。

具体例は以下のとおりです。

・社内イベント、交流会の実施
・社内ブログ、社内SNS、社内表彰制度の導入

施策と社員のニーズがマッチしないと効果が上がらないため、ニーズを把握するための取り組みも必要です。

長時間労働を削減する

長時間労働が常態化している職場では、早急な是正が必要です。2020年4月以降は、中小企業にも時間外労働の上限規制が適用されます。

時間外労働の上限は、原則的に月45時間、年360時間です。特別な事情がない限り、上限を超えた時間外労働はできません。労働時間を管理できていない企業は、勤怠管理システムの導入も検討しましょう。
また、システム導入や呼びかけとあわせ、業務の棚卸しや効率化のための見直しを行い、長時間労働削減への取り組みを形骸化させないことも重要です。

適切な評価制度を確立する

客観的で透明性の高い評価制度の確立は、離職防止に有効です。成果を正当に評価されると、社員のモチベーションや企業への愛着心・貢献意欲(エンゲージメント)が向上するためです。

上司の感情や好き嫌いが評価に影響すると不公平感や不満が生じます。社員の能力や成果、評価の根拠を可視化できる人事評価システムや、給与に評価を反映させる仕組みを導入しましょう。

柔軟な働き方ができる環境を構築する

柔軟で多様な働き方を自分で選べる労働環境の構築は、働き方改革の根幹です。育児や介護による離職を検討している人でも、テレワークや時短勤務などの制度があれば離職せずに済みます。

育児・介護休業法への対応も重要です。希望した人が適切に制度を利用できる環境を整えるとともに、ハラスメント防止対策を徹底しましょう。

福利厚生を充実させる

福利厚生とは、企業が給与や賞与にプラスする形で社員に提供する報酬です。企業によって福利厚生の内容は大きく異なります。具体例は以下のとおりです。

・食費補助、住宅補助
・資格取得の支援、セミナー参加補助
・レジャー施設・宿泊施設の利用補助

社員のニーズにあった福利厚生は、エンゲージメント向上に役立ちます。

上司のマネジメントスキルを向上させる

離職防止で盲点になりやすいポイントが、上司のマネジメントスキル不足です。上司の部下に対する不適切な言動が離職を招くケースは多いものの、本人に指摘しにくいと感じている担当者は珍しくありません。

無自覚なハラスメントを防いで社内のコミュニケーションを活性化させるためにも、管理職に対して定期的にマネジメント研修を実施しましょう。

研修制度を整える

スキルアップへの不満を生まないためには、研修やワークショップといった学びの機会を積極的に作る必要があります。各社員が自分にあった研修を受けることで全社的なスキルアップやリーダー育成が可能になり、人材定着にもつながります。
研修以外では、部門横断のプロジェクトなど、新たな挑戦の機会を与えることも有効です。

研修の効率化を図りたい場合は、外部サービスの利用も検討しましょう。

面談を定期的に行う

社員のキャリアプランや不満を把握するためには、定期的な面談が不可欠です。1on1ミーティングやメンター制度など、自社にあった面談・相談のしくみを取り入れましょう。社員の意向を人材配置に反映できれば、モチベーション向上が見込めます。

自社のキャリアパスを公開する取り組みも有効です。社員が目標や課題を把握しやすくなるため、将来への不安を軽減できます。

離職防止ツールを活用する

離職防止ツールとは、下記のような機能を持つツールです。

・社員のモチベーションやエンゲージメントの可視化
・社員満足度チェック、ストレスチェック
・コミュニケーション活性化

ツールによって機能やコストが異なるため、自社に適した使いやすいツールを選びましょう。
現場の意見を聞く、研修を実施するなど、浸透を図るための取り組みも必要です。

採用活動や入社後の育成施策の見直しを行う

早期離職を防ぐためには、採用活動や人材育成施策の見直しが必要です。施策例は以下のとおりです。

・インターンシップ制度を導入する
・求職者に必要な情報をもれなく与え、ミスマッチを防ぐ
・入社後のフォロー面談をこまめに行う
・OJTやOff-JTに力を入れる

新型コロナ感染症拡大により、採用活動のフローに変化が生じている点にも注意しましょう。次項では、適性検査の活用など、Afterコロナの採用活動で押さえておきたいポイントを詳しく解説します。

Afterコロナにおける採用活動で意識すべきポイントは?

Afterコロナの採用活動で意識すべきポイントを解説します。

ハイブリッド採用で進行する

コロナの影響でオンラインによる採用活動を実施する企業が増えました。オンライン採用には、言語的手がかりを処理しやすい、接触を防げる、場所や時間に拘束されない、などのメリットがあります。

一方、しぐさや表情、視線などの非言語的手がかりを得にくい点はデメリットです。Afterコロナの採用活動では、オンラインとリアルの強みを取り入れたハイブリッド採用を進める必要があります。

適性検査を活用する

適性検査とは、求職者の適性を見極めるための検査です。大きく性格検査と能力検査の2つに大別できます。

適性検査を活用すれば、自社に適した人材か、早期離職しやすい人材か、といった判断がしやすくなります。Afterコロナの採用活動に不安を感じている企業は、積極的に適性検査を活用してオンライン採用の弱点をカバーしましょう。

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まとめ

離職防止は、あらゆる企業に共通する課題です。まずは自社が抱える問題点を明確にし、課題解決が見込める適切な対策を講じましょう。対策の結果を評価して、改善につなげる努力も必要です。

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