コラム
  • 対象: 新人/若手
  • テーマ: マネジメント
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新入社員に必要なメンタルヘルス対策とは?不調の判断基準や活用例・実施ポイントを解説

新入社員に必要なメンタルヘルス対策とは?不調の判断基準や活用例・実施ポイントを解説

新型コロナウイルスの流行によりリモートワークや在宅勤務を導入する企業が増え、孤立によるメンタルヘルス不調を防止するために、新入社員へのメンタルヘルス対策が重要視されています。この記事では、新入社員向けのメンタルヘルス対策で企業が検討すべきことや具体例、実施の際のポイントを解説します。

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新入社員がメンタルヘルスの不調を訴える背景

新入社員がメンタルヘルスの不調を訴える背景として、新しい職場・人間関係・業務内容などによる環境の変化が挙げられます。また、入社前の仕事へのイメージと、入社後に直面する現実とのギャップがストレスを生んでいます。

さらに、近年は感染症対策により、リモートワークや在宅勤務が導入されたことで、従来とは異なる環境下で仕事をしなければならず、先の見えない不安を抱える新入社員も少なくありません。これらの背景を理解したうえで、新入社員のメンタルヘルス対策を行いましょう。

入社後の新入社員が抱える不安やリスクとは?

新入社員は、入社後にどのような不安やリスクを抱えているのでしょうか。

新入社員が抱えている不安

社会人となれば、どれほど優秀な成績をおさめた学生であっても、ゼロからのスタートになります。業務をこなすためのスキルや実力がなく、これまでの実績やスキルを活かせないことに不安を抱える新入社員も多いです。

また、社会人としてのビジネスマナーがわからないことから、職場での人間関係でうまく立ち回れるのか不安を強く感じる新入社員も少なくありません。

入社後からリモートワーク・在宅勤務が続くリスク

社会人としての生活に慣れる前からリモートワークや在宅勤務が続けば、生活習慣が乱れ、仕事とプライベートのオン・オフの切り替えがうまくできなくなります。

コミュニケーション不足は、疑問があっても気軽に聞けない状況をつくり出し、心の不調を引き起こす可能性を高めます。また、長期で出社させないことには、組織への帰属意識を薄めるリスクもあります。

新入社員のメンタルヘルス不調の予防に必要なこと

新入社員のメンタルヘルス不調の予防に必要なのは、新入社員が不安に感じている現状を把握したうえで、不安を払拭するための対策を検討することです。

たとえば、メンタルヘルス研修を実施したり、上司や先輩社員が積極的に声かけをしたりなど、相談やサポートをしやすい環境や仕組みを整備するなどの対策例が挙げられます。

新入社員のメンタルヘルスの不調にいち早く気づくためには?

新入社員のメンタルヘルスの不調にいち早く気づくためには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。

メンタルヘルス不調の目安となる判断基準を参考にする

●仕事に支障が出ている

業務に支障が出ている場合、メンタルヘルス不調が原因の可能性があります。たとえば、遅刻・早退・欠勤の頻度が増えている、身だしなみが乱れている、協調性に欠ける行動が増えているなどが挙げられます。

一般的に、メンタル不全になると、ケアレスミスが増えるといわれています。新入社員の場合、業務に不慣れな理由によるミスだと勘違いされることも多く、周囲からメンタルヘルス不調が原因とは気づかれないケースも少なくありません。

●ストレスチェックで「高ストレス者」の判定が出ている

ストレスチェックで「高ストレス者」の判定が出た場合、ストレスによる心身への負担からメンタルヘルスに不調をきたしている可能性があります。ストレスチェックは、50人以上の労働者がいる企業で実施が義務づけられています。(50人未満は努力義務)

高ストレス状態を放置すれば、うつ病などの精神疾患のリスクが高まるため、その後の対応が重要です。

上司は新入社員のパフォーマンスの低下に注視する

新入社員のメンタルヘルス不調を見極めるためにも、上司側でも注意すべきことがあります。普段と比べて、パフォーマンスが急激に低下していないか、外見や感情面の変化などにも注目し、観察しましょう。また、上司から新入社員に対し、積極的に声かけをすることも大切です。

新入社員のためのメンタルヘルス対策の具体例

新入社員のメンタルヘルス対策のための具体例を紹介します。

「心の健康づくり計画」を策定する

「心の健康づくり計画」の策定は、労働安全衛生法によって義務づけられており、メンタルヘルス対策を行ううえで最初のステップです。「心の健康づくり計画」とは、企業が労働者に対し、メンタルヘルス予防や関連情報の提供、相談・職場復帰のサポートを行うために定めた計画を指します。安全衛生委員会を社内に設置し、策定する内容を吟味します。

メンタルヘルス対策を計画的に継続して行うためには、中長期的なプランを立てることが大切です。

メンタルヘルスに関する情報の提供や教育を行う

新入社員に対し、ストレスマネジメントやセルフケアなどの方法や知識を付与します。すぐに実践できるセルフケアとして、毎日同じ時間に起床して最低でも5~6時間の睡眠を維持する、1日3食しっかり食べる、1日30分・週に2~3回の頻度で軽い運動を行うなどが挙げられます。

研修などを通し、セルフケアによるメンタルヘルス対策が可能になれば、ストレス耐性の強い人材を育成することができ、組織全体の強化につながります。

ストレスチェックの実施と評価をセットで行う

ストレスチェックを実施している場合でも、結果が具体的な行動に反映されていないケースも少なくありません。ストレスチェックの実施と評価をセットで行うことをルール化する必要があります。

ストレスチェックのアプローチ方法は、個人と集団の2種類です。個人へのアプローチ方法として、社員がストレスチェックを受け、自身のストレス度を知ることで、ストレスマネジメントを促します。 集団へのアプローチ方法は、ストレスチェック後の回答結果を集計・分析し、職場内の状況把握や集団分析結果を管理職に共有したり、具体的な改善方法を職場とともに検討したりするなどして活かします。

新入社員が上司や先輩社員に相談しやすい職場環境を整備する

新入社員が相談しやすい環境を整備することで、慣れない業務や人間関係などに関する不安やストレスの軽減を目指せます。具体的には、メンター制度やブラザー・シスター制度、ななめ面談(直属のラインではなく、ななめの関係性の先輩との面談)などの導入が効果的です。

また、全社員が参加するイベントやオンライン懇親会を実施する、他部署の社員同士が交流できるカフェスペースを設けるなど、社員同士の交流の場を設ける取り組みも有効です。

マネジャー層のコミュニケーション能力を底上げする

上司の受け答えや関わり方によって、新入社員のメンタルヘルス不調が引き起こされる場合があります。とくに、新入社員がミスをした時の振り返りや受け答えが重要です。伝え方次第で、プレッシャーを感じさせずに、期待に変えることができます。

傾聴によって、軽度の不調を解決できるケースも多いため、マネジャー層のコミュニケーション能力を底上げすることが大切です。その手段として、コミュニケーション研修を行うことも一つの方法です。

新入社員をメンタル不調に陥らせないために企業ができること

新入社員をメンタル不調に陥らせないために、企業ができることを解説します。

職場でのコミュニケーションスキルを向上させる

職場の人間関係が、ストレスの原因になることが多いものです。新入社員自身のコミュニケーションスキルやアサーションスキル(適切に自己主張するスキル)を向上させることができれば、上司や先輩社員に悩みを打ち明けたり、スムーズな受け答えや立ち回りができ、良好な人間関係を築けるようになっていきます。

また、職場全員のコミュニケーションスキルを向上させることは、ひいては仲間意識やチームワークの向上にもつながります。

セルフマネジメントスキルを養わせる

複数の人が同じ体験をしても、人それぞれ受け取り方が違うため、ストレスの度合いも異なります。ストレスでメンタルヘルスが不調になるのを防ぐためにも、自身の物事のとらえ方のしくみやパターンを知ることが大切です。それができれば、ストレスをコントロールしやすくなります。

ストレスチェックの実施は、自身のストレス状態を把握できる有効な手段であることを、社員に理解させることも重要です。

研修で学んだことを実践できる環境を整備する

研修を実施しても、インプットをさせるだけではメンタルヘルス対策にはなりません。研修で学んだことを実践できる環境を整えてこそ、研修の意義が見いだされます。また、新入社員が研修内容を業務に活かせているかをチェックするしくみも不可欠です。

メンタルヘルス研修の重要性や具体的な内容を新人の周囲の社員や上司に周知し、理解や納得を得たうえでフォローの協力を仰ぎましょう。

新入社員とコミュニケーションを取る際の注意点

1on1ミーティングなど、新入社員とコミュニケーションを取る際は、心理的安全性を確保した上で実施する必要があります。心理的安全性とは、どんな言動をとっても他人から中傷されたり、羞恥心を感じたりすることがなく、自然体の自分でいられる安心感のことです。

上司や先輩社員は、新入社員がミスをしても一方的に叱責せず、前向きになれる受け答えを心がけることが大切です。

まとめ

新入社員のメンタルヘルス対策には、社内のコミュニケーション能力の底上げや気軽に相談できる風通しの良い職場環境の整備が必要です。それには新入社員だけでなく、管理職を対象にした研修の実施も有効です。

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