コラム
  • 対象: 新人/若手
  • テーマ: オンライン
  • 更新日:

テレワークにおける新入社員教育・フォローのポイントは?教育効果を高める方法を解説!

テレワークにおける新入社員教育・フォローのポイントは?教育効果を高める方法を解説!

コロナ禍や働き方改革によって、新入社員教育やフォローをテレワーク下で行う必要性が高まっています。急ピッチで対応を進めている経営者、マネジメント層、人事部担当者の方も多いのではないでしょうか。

この記事は、テレワーク時代の新入社員教育とフォローの変化、テレワークによる新入社員とフォローのポイント、注意点を解説しています。

テレワーク普及で新入社員教育・フォローは何が変わるのか?

テレワーク普及によって新人研修をオンラインに置き換えるなど、企業の教育体制は大きく変化しています。それとともに、教育のバラツキが出るなどの問題も発生しています。

テレワークでの新人研修がニューノーマルへ

コロナ禍によってテレワークが急速に普及しました。もともと国は働き方改革などによってテレワークを推奨しており、2020年までに2012年度比で3倍という目標を立てていたことも、導入を後押ししています。今後もテレワークによる新人研修を取り入れる動きは広がっていくと推測されています。

教育体制改革が急ピッチで進む

テレワークによるオンボーディングも進んでいます。オンボーディングとは、新たに入社した社員を戦力化する育成施策全般のことで、入社直後だけでなく継続的な人材育成であることが特徴です。テレワークによるオンボーディングが急ピッチで進む背景には、感染症対策を推進しつつ、人材育成も充実させたい企業側の意向があります。

新入社員の成長のバラツキ問題が鮮明に

テレワーク(在宅勤務)での新入社員教育には、成長にバラツキが出やすい傾向があります。パソコンやスマホなどのデバイスを使いこなす能力、習熟度、教育を受けるための環境に差があることが多くの原因です。また、フォローが受けにくい環境であることから、自己管理能力やモチベーションの度合いに個人差が出やすいことも挙げられます。

テレワークで新入社員教育・フォローを実施する環境整備のポイント

ここでは、人材育成に関わる経営者、担当者の視点で、テレワーク下での新入社員教育・フォローを実施する環境整備のポイントを5つ解説します。

対面研修や集合研修のオンライン移行

対面研修や集合研修の一部、またはすべてのオンライン移行が必要になります。現在はICT環境の進歩から、環境や道具を必要とする実技などを除いた、大部分がオンラインで可能です。

ただし、人材育成の担当者は、オンライン移行によるデメリットや従来の研修との違いについて把握しておかなければなりません。短期間でのオンライン化が必要な場合、ノウハウをもつ外部研修機関を活用することも効果的です。

テレワーク環境で教育できる業務の選別

テレワークで行うOJTには、向く業務と向かない業務があります。現場配属後もオンラインでの指導が続く場合、OJT担当者やその上司は、それらを選別し指導方法を確立させることが重要です。経営者や人事部が業務選別を取りまとめる場合は、現場の意見を汲み取り、十分な教育効果が期待できるか、OJT担当者の負担が増大しないかなども検討する必要があります。

新入社員のテレワーク環境の整備

新入社員に対するテレワーク環境構築へのフォローも大切です。オンボーディングやOJTを行うためのパソコン貸与、通信費の負担に関するルールづくりや説明、静かで集中できる環境の提供などが必要になります。ICT環境整備とあわせてフォローのための窓口、担当者なども決めておきましょう。

自社業務に適したツールの導入

テレワーク下で効果的な教育を実施し、社員間のコミュニケーションや交流を促進するには、自社に適したツールの導入が欠かせません。たとえば集団での教育をオンラインで行う場合には、複数同時会話が可能なWeb会議システムやビジネス向けチャットツールを導入しておく必要があります。

目標の明確化

テレワーク環境では、新入社員のモチベーションが低下しやすいため、目標を明確に提示しましょう。OJTにおいても成果物の提出や細やかな進捗管理とフォローによって、具体的な目標をもちやすくします。

大企業ではテレワーク時代への対応として、職務を限定して定量的な成果で評価するジョブ型雇用に移行する動きもみられます。しかし、日本の人事制度にそぐわないという面もあるため、導入は慎重に検討するべきです。

テレワークでの新入社員教育・フォローの進め方

テレワークでの新入社員教育を準備して実施し、フィードバックやフォローを行う方法について、手順に沿って解説します。

1.明確なルール・手続きの作成と周知徹底

最初のステップはテレワークのルールや手続き方法を教えることです。IT関連の知識が乏しく操作に不慣れな人もいるので、丁寧なフォローが大切です。勤務開始・終了の報告やファイルを私物のパソコンにコピーしないなど、基本的な業務ルールの周知徹底も行います。

2.ツールのレクチャー

テレワークに必要なパソコンやWi-Fiルーターを貸与し、業務に必要な使い方を説明します。Web会議システムやチャットツールなどの具体的な操作も教えておきましょう。テレワークにおいては通信不具合や機器の故障などの事態も想定されるため、トラブル時の連絡方法も事前に知らせておきます。

3.経営理念や事業内容を伝える

テレワーク下では集団研修が減り、会社の経営理念や事業内容、業務の役割・位置づけなどを伝える機会が不足しがちです。はじめにこれらの重要事項を伝えることで、組織に加わった自覚や、学生から社会人への意識転換、そして研修や仕事へのやる気を醸成しましょう。

4.目標の設定

新入社員といえども会社に貢献する従業員の一人です。売上や業績に直結しやすい目標や成果物提出の課題を与えたほうが、自分の役割を認識しやすくなります。テレワークでは周囲の反応や評価がわかりにくくなる面があるため、達成感を得やすい目標を設定して教育を行うことが望ましいでしょう。

5.新入社員教育の実施・フォロー

新入社員教育を実施する際は、直属の上司や先輩、人事担当者がミーティングや面談を設けるなど継続したフォローが重要です。ただし、テレワークでは指導側の負担が増大するケースが多いため、一般的なビジネスマナーや基礎的なITリテラシー習得などは外部機関を利用する企業も多くいます。

eラーニングのように時間や場所にとらわれず、自主的に継続的な学びをしてもらう方法を導入することも有効です。

6.フィードバック・ミーティング

教育開始後は1週間、1カ月、3カ月など定期的にフィードバックを行います。テレワークによる新入社員教育は一方的になりやすいため、このタイミングでのフォローも充実させましょう。Web会議システムの録画機能を使ったフィードバックなど、テレワークならではの方法もあります。

テレワーク中の新入社員教育やフォローにおける課題

ここでは、テレワーク特有の新入社員教育やフォローにおける課題を3つ解説します。

テレワークでの新入社員教育・フォローの課題1|観察できない

テレワークでは、教育期間中や業務中に態度や表情をみて体調や心理状態などを観察しにくい面があります。また、協調性や積極性などの新入社員の個性、教育内容の理解度などもわかりにくいことが課題です。従来は自然にできていたことが、テレワークでは面談やアンケートを実施するなどの工夫をしないと十分に把握できません。

テレワークでの新入社員教育・フォローの課題2|一体感が出ない

在宅勤務では入社したという実感が薄れてしまう人も少なくありません。同期や先輩、上司とのコミュニケーションも従来より少なく一体感が生まれにくいこともテレワークのデメリットです。孤独感から早期離職してしまうリスクも高まります。

テレワークでの新入社員教育・フォローの課題3|双方向性がない

新人教育期間中は失敗も多いものですが、その分、先輩や上司から教えを受けられる機会も増えます。しかし、テレワークは双方向性に乏しく自発的に発言、行動がしにくいため、こうしたチャンスも少なくなりがちです。

高機能なWeb会議システムなどがあれば、ディスカッションやロールプレイングなどの教育も可能です。しかし、指導役にテレワークでの教育スキルが求められることから、指導にばらつきが出る可能性が高まります。

テレワーク時代の新入社員教育・フォローの対策

テレワークによる新入社員教育・フォローのコツとして「定期的な声がけ」「雑談」「1on1ミーティング」の3つを解説します。

テレワークでの新入社員教育・フォローのポイント1|定期的な声かけ

テレワークを前提とする新入社員教育では、従来以上に定期的な声かけが重要になります。おとなしい社員やモチベーションが低下した社員などが放置されやすいため、毎週曜日を決めて対話するなどルールが必要です。質問や相談をできる場と時間を知らせておくことは、新入社員のストレスを軽減する効果もあります。

テレワークでの新入社員教育・フォローのポイント2|雑談

テレワークにおいて意識的に雑談の機会を増やすように努力する企業が増えています。一見無駄に思える雑談には、一体感を出す、孤独感を減らす、新入社員の個性がわかるなどのメリットがあるからです。

ただし、実際の職場と違いルーティン化してしまいやすく、お互いに苦痛を感じてしまうケースもあるので、雑談についてはあまり取り決めを作らず、カジュアルなコミュニケーションをとる時間を設けるとよいでしょう。たとえば定例会議後5分間は雑談時間に充てたり、出入り自由のオンラインランチ会の開催や、雑談専用のチャットルームを作るなど、先輩社員や上司から積極的に雑談の場を設ける工夫をすることが大切です。

テレワークでの新入社員教育・フォローのポイント3|メンター制・1on1ミーティング

メンター制を導入する企業が増えています。メンター制とは年齢の近い先輩が相談役になる制度で、もともと早期離職を防ぐために有効な手段として活用されていました。テレワークにおいては丁寧なフォローを心がけていてもムラが出やすく、新入社員が孤独感を感じてしまいやすいものです。メンター制による1on1ミーティングの導入も検討してはいかがでしょうか。

外部機関におけるオンライン研修の必要性

外部機関によるオンライン研修を活用するケースが増えてきている背景と、外部研修機関を選ぶポイントについて解説します。

なぜ外部オンライン研修が重視されているのか?

コロナ禍によって新入社員全員で行う集合研修が難しくなりました。ビジネスマナー取得、基礎知識取得などは、教育スキルの高い外部機関によるオンライン研修に置き換えるケースが増えています。

外部機関では客観的な評価基準も整っており、人材配置に役立つことがメリットです。また、テレワークが急速に進んだことによる指導側の負担を、アウトソーシングによって軽減したい企業も増えています。

外部研修機関を選ぶポイント

オンライン研修を実施する外部研修機関は増えていますが、通常の研修内容を単にオンライン配信しているところもあります。複数同時会話可能な集合研修形式や、定額制で何度も学びなおせるコストパフォーマンスに優れた個別学習などを提供している研修機関を選びましょう。

人材は大切にしたいけれど集合研修は行いにくいと悩む企業にとっては積極的に活用する価値があります。株式会社日本能率協会マネジメントセンターでは、「アナログとデジタル」、「個人学習と集合学習」を効果的に融合した新たな学びのカタチとして「JMAMハイブリッド・ラーニング」を提案しています。

まとめ

テレワークでの新入社員教育において教育効果を高めるためには、オフライン以上の丁寧なフォローが必要です。指導側のスキルも大きく関係するため、ノウハウがない場合にはオンライン研修を提供している外部機関を活用することも必要です。

株式会社日本能率協会マネジメントセンターは、1979年より新入社員から経営幹部まで、立場や役割に応じた教育プログラムを展開しています。また、働き方改革、テレワーク対応、女性・シニア活躍など経営課題ごとのテーマ別研修も提供しています。新人社員教育においては、令和時代の新人・若手社員の思考や特徴に寄り添った成長支援の仕組みづくりの支援をおこなっています。

参加者の学習意欲を引き出すオンライン研修のつくり方

オンライン研修の効果を高めたい講師、教育、人材開発担当者必見!

「参加者主体」の効果的なオンライン研修のあり方と、オンライン研修講師に必要なスキルについてまとめました。

  • オンライン研修に関する「誤解」とは?
  • オンライン研修講師に求められる3つのスキル
  • 参加者主体のオンライン研修の基本原則

この機会に下記より資料をご請求ください。

参加者の学習意欲を引き出すオンライン研修のつくり方
JMAM HRM事業 編集部

文責:JMAM HRM事業 編集部
人事・人材教育に関する情報はもちろん、すべてのビジネスパーソンに向けたお役立ちコラムを発信しています。

関連商品・サービス

あわせて読みたい

J.H.倶楽部・会員限定コンテンツ

人事のプロになりたい方必見「J.H.倶楽部」

多様化・複雑化の一途をたどる人材育成や組織開発領域。
情報・交流・相談の「場」を通じて、未来の在り方をともに考え、課題を解決していきたいとの思いから2018年に発足しました。
専門誌『Learning Design』や、会員限定セミナーなど実践に役立つ各種サービスをご提供しています。

  • 人材開発専門誌『Learning Design』の最新号からバックナンバーまで読み放題!
  • 会員限定セミナー&会員交流会を開催!
  • 調査報告書のダウンロード
  • 記事会員制度開始!登録3分ですぐに記事が閲覧できます