コラム
  • 対象: 新人/若手
  • テーマ: オンライン
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オンラインで新入社員にOJTを行うときの4つのポイント!注意点を押さえ教育効果を高めよう

オンラインで新入社員にOJTを行うときの4つのポイント!注意点を押さえ教育効果を高めよう

OJTは、新入社員や若手社員の育成において重要なプロセスです。テレワークが推進される昨今、どのように実施するべきか、頭を悩ませている担当者も多いのではないでしょうか。しかし、方法さえ工夫すれば、OJTはオンラインでも行えます。

この記事では、OJTの担当者に向けて、オンラインでOJTを行う際のポイントについて解説します。実施時の注意点を押さえて、オンラインでのOJTを効率よく進めましょう。

OJTとは

OJTとは「On the Job Training」の略で、主に新入社員を育成する手法の1つです。OJTでは、それぞれの職場における実務経験を通して、新入社員の教育を行います。職場の先輩や上司が指導役を担い、新入社員に必要な知識やスキルを、通常業務の中で習得させます。このOJTを、オンライン化する試みが「オンラインOJT」と呼ばれています。

OJTと比較されることが多い「OFF-JT」は、「OFF the Job Training」の略で、主に研修を意味します。基本的には人事部門の育成担当者や外部の講師が指導を行い、座学を中心にビジネスに必要な知識の習得を目指します。このOFF-JTをオンライン化したものが「オンライン研修」です。

OJTを実施するメリット

OJTを実施することで、企業はさまざまなメリットを得られます。ここからは、OJTを実施する3つのメリットについて解説します。

企業に必要な人材を育成できる

OJTには即戦力となる人材を育てられるという、大きなメリットがあります。OJTでは、実際の業務を通じて新入社員の教育を行います。必要な知識を座学で学ぶことも大切ですが、実際の仕事に活かすためには、それだけでは不十分です。業務で利用するツールを使いこなす能力や行動力などを育てるためには、実務を通して教育を行う必要があります。

OJT担当者のスキルも向上する

OJT担当者には、業務について新入社員にわかりやすく説明することが求められます。的確に説明するためには業務内容を深く理解する必要があり、それによって、OJT担当者の業務の理解度やスキル、指導力などが向上することもメリットの1つです。

人材育成コストを抑えられる

OJTは実務の中でトレーニングを行うため、教育の過程は、すべて社内で完結します。OFF-JTのように、研修を外注する必要がなく、人材育成にかかるコストを抑えられます。

オンラインのOJTが注目されている背景

新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、企業における働き方に大きな変化をもたらしています。2020年4月には、日本全国に緊急事態宣言が発令されたため、オフィスに出勤して業務を行うことが難しくなりました。それにともないテレワークが急速に広まり、多くの業務がオンラインで行われるようになりました。通常の業務だけでなく、人材育成の分野でもオンラインの活用が進められています。

オンラインのOJTに向いていること

オンラインのOJTでは、ZoomなどのWeb会議ツールの活用により、さまざまな指導が可能になります。画面共有機能を用いて指導ができるため、パソコンを使った事務作業のやり方や、業務用ツールの操作方法なども効率よく教育できます。また、顧客とのオンラインミーティングに新入社員を同席させて、取引の流れやノウハウを学ばせることも可能です。

オンラインのOJTに不向きなこと

通常のOJTでは問題なくできることも、オンラインでは難しい場合があります。ここでは、オンラインのOJTでは難しく、工夫が必要になることを3つ、解説します。

声かけ

オンラインの場合、対面しているときのような、気軽な声かけや雑談ができません。そのため、OJT担当者と新入社員の間で、コミュニケーションがとりにくいという問題があります。OJT担当者が声をかけて新入社員をサポートしたり、雑談で親交を深めたりするのが難しくなります。また、新入社員からOJT担当者に質問をする際の壁も高くなりがちです。

観察

オンラインOJTは画面越しであるため、お互いの様子を観察しにくくなります。OJT担当者が、顔色や表情から新入社員の体調などを判断するのも苦労するでしょう。また、新入社員が職場の雰囲気を把握したり、先輩や上司の働き方を観察したりすることも、容易ではありません。

実践を伴う学習

実践を伴うトレーニング方法であるOJTは、オンラインには不向きです。現場での業務を体験できず、業務に関する知識の付与が教育の中心となる傾向があります。

オンラインのOJTで起こりがちな問題

起こりそうな問題を事前に把握すると、オンラインOJTのトラブルは防ぎやすくなります。ここでは、オンラインOJTで起こりがちな、2つの問題について解説します。

準備が不十分

オンラインOJTを効率よく進めるには、指導の前に準備を整えておく必要があります。オンラインにおいては、接続トラブルが生じると教育が一切できなくなるため、OJT担当者も新入社員も、オンライン環境は万全にしておきましょう。

利用するツールの使い方も、適切な指導ができるように理解しなければなりません。予定どおりに進められるように、育成カリキュラムを把握したうえで、指導にあたることも重要です。

不安を感じやすい

新入社員は、職場での人間関係を構築できていない状態でオンラインOJTに臨みます。通常のOJT以上に、不安や孤独を感じやすくなっているため、フォロー体制を整えておきましょう。オンラインOJTの担当者は、常に新入社員の様子や精神状態に気を配ることが大切です。

オンラインでOJTを行うときの4つのポイント

オンラインOJTでは多くの問題に直面する可能性があります。そのため、円滑に進めるためには工夫が必要です。ここからは、オンラインOJTを行う際の4つのポイントについて解説します。

1.目標を細かく設定する

オンラインの場合、通常のOJTに比べて、新入社員の理解度や、教育の進捗状況を把握することが難しくなります。そのため目標を細かく設定し、新入社員が成長するペースを定期的に確認しましょう。小さな目標の達成を積み重ねることが、新入社員のモチベーション維持や向上にもつながります。

2.積極的にコミュニケーションをとる

先述のとおり、オンラインOJTには、コミュニケーション不足に陥るという問題点があります。そのため、定期的に対話の時間を設けたり、ビジネスチャットツール等を活用して、積極的なコミュニケーションを心がけましょう。新入社員に年齢が近い相談相手をセッティングしたり、メンター制度を取り入れるといった方法もあります。

部署全体で指導を行う体制を築く、他部門との交流機会を設けるといった取り組みも大切です。その他にも、新入社員が書く業務日誌を部署の全員が閲覧できるようにして、会話のきっかけを作るなどの施策も効果的です。

3.定期的に課題を与える

新入社員に課題を与え、進捗状況を定期的に確認することも重要です。順調に課題をこなせていない場合は、適切に対処する必要があります。進捗状況にムラがあるなら、自宅の環境や体調などに、何らかの問題が生じているのかもしれません。原因を把握したうえで、提出期日を設定し、遅れないように指導しましょう。

まったく課題をやらなくなったなど、大きな問題に発展した場合は、状況に応じて直接の対話や出社を促し、現状の確認や相談にのる必要があります。

4.録画機能を活用する

オンラインOJTには、トレーニングの様子を録画して、後から振り返りができるというメリットがあります。新入社員の復習に役立つのはもちろん、OJT担当者も自分の指導が適切であったかをチェックしたり、上司に指導内容を確認してもらうことができます。

OJTの途中で、初期のトレーニング動画を振り返ると、操作が速くなった、正確になったなどの成長がわかり、新入社員の自信につながります。教育の効率を高めるために、必要に応じて録画機能を活用しながら、オンラインOJTを進めましょう。

まとめ

オンラインで行うOJTは、コミュニケーションが不足しやすいため、スムーズに教育を進めるための準備も必要です。オンラインOJTを行う際のポイントを押さえ、効率よく教育を行うよう心がけましょう。

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