- 対象: 全社向け
- テーマ: マネジメント
- 更新日:
1on1で話すこと5選|部下の本音を引き出す方法も解説

「管理職になって部下と1on1を実施するよう求められているが、自分自身が1on1を受けた経験がなく、何を話せばいいのか分からない……」
こんな悩みを抱える方は少なくありません。近年、従業員の成長やエンゲージメント向上を目的に1on1ミーティングを導入する企業が増えていますが、効果的な対話の方法を知らないまま実施している管理職が多いのが現状です。
今回は、部下との1on1で話すべき5つのテーマや、相手の本音を引き出す話し方のテクニックについて、特に40〜50代の管理職の方に向けて具体的に解説します。
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【管理職向け質問例】1on1で話すこと5選
まずは、部下との1on1で話すべき内容と具体的な質問例を5つのカテゴリーに分けて紹介します。
相互理解を深める質問例
▼質問例
- 最近、何か新しいことに挑戦しましたか?
- 休日はどのように過ごしていますか?
- 仕事以外でやりがいを感じていることは何ですか?
- 最近見た映画やテレビで面白かったものはありますか?
- 今一番興味を持っていることは何ですか?
部下との信頼関係を構築するには、プライベートに関する会話が効果的です。
場の雰囲気を和らげ、リラックスした状態を作り出すため、1on1の冒頭に取り入れると良いでしょう。
ただし、家族のことなど踏み込みすぎる質問は逆効果になる場合があります。信頼関係は時間をかけて構築していくものです。また、踏み込んだ質問をする前には、まず自分自身の情報を開示することが大切です。
心身の健康を確認する質問例
▼質問例
- 最近の体調はいかがですか?
- 仕事の量は適切だと感じていますか?
- 残業が続いたり、疲れが溜まっていたりしませんか?
- 今の職場環境で困っていることはありますか?
- チーム内でのコミュニケーションに問題はありませんか?
部下の心身の健康状態や業務量、業務時間の確認は非常に重要です。定期的な健康チェックは離職を未然に防ぐ効果があります。
部下の不調に早めに気づくためにも、毎回の1on1の最初に確認するようにしましょう。
業務に関する質問例
▼質問例
- 現在担当している業務で難しいと感じている点はありますか?
- 今の仕事で最も達成感を感じるのはどんなときですか?
- 業務の進捗状況はいかがですか?サポートが必要なことはありますか?
- 仕事をする上で、もっと知りたいことや学びたいことはありますか?
- チームとの協力体制で改善できる点はありますか?
- 今の業務でより効率化できそうな部分はありますか?
部下の悩みの多くは普段の業務に関係するものです。1on1では業務上の不安や課題を取り除き、次のステップに進めるよう促すことが大切です。
特に話すべき業務の話題は「緊急度は低いが、重要度が高い」案件に焦点を当てましょう。
目標や評価に関する質問例
▼質問例
- 設定した目標に対して、今どの程度進んでいますか?
- 目標達成のために、あと何が必要だと思いますか?
- 目標達成に向けて困っていることや問題はありますか?
- 前回の評価から改善できた点、まだ課題と感じている点は何ですか?
- キャリアの中で達成したい次の目標は何ですか?
部下がどのような目標を持っているかを知ることで、具体的なサポートができます。
また、目標達成に向けたステップを一緒に考えられるため、部下の進むべき方向性を明確にでき、成長を促すことにつながります。
特に期初などの目標設定時には、部下の個人目標が全体目標とどのようにつながっているかを伝えることも重要です。部下がつまずいている点が分かり、適切なフィードバックやサポートのきっかけとなります。
モチベーションやキャリアに関する質問例
▼質問例
- 今の仕事でやりがいを感じるのはどんな場面ですか?
- 将来どのようなキャリアを描いていますか?
- 今後習得したいスキルや経験はありますか?
- 会社でのキャリアパスについてどう考えていますか?
- 仕事へのモチベーションを下げている要因はありますか?
- あなたの強みをもっと活かせる業務や役割はあると思いますか?
モチベーションやキャリアに関する質問をすることは、部下の価値観や将来のビジョンを理解し、仕事に対する意欲を引き出すために効果的です。
質問への回答を通じて、部下は自身の強みや課題、今後のキャリアについて考える機会を得られるため、自己認識を高めることにもつながります。
1on1で避けるべきテーマ
政治や宗教などのセンシティブな話題は避けるべきです。
個人の価値観や信条に深く関わるため、意見の相違から不必要な対立を生んだり、組織の人間関係に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。1on1の本来の目的である部下の成長支援や課題解決から焦点がずれてしまうリスクもあります。
また、信頼関係がまだ浅い段階では、部下のプライベートに深く踏み込む質問も避けた方が無難です。家族構成や恋愛事情など、プライバシーに関わる内容は、お互いの信頼関係が構築された後に徐々に話題にするようにしましょう。
そのほか、スポーツに関する話題も注意が必要です。アイスブレイクとして気軽に話せる場合もありますが、応援しているチームなどお互いの価値観が異なる場合があります。部下のスポーツへの関心度や応援チームを事前に把握しておくと良いかもしれません。
代わりに、業務の進捗や課題、キャリア目標、スキルアップの方向性など、仕事に関連するテーマや部下の成長に直結する話題に焦点を当てることで、生産的な1on1が実現します。
このように、1on1で話すべきテーマに迷ったときは、そもそもの目的に立ち返って考えることが重要です。
部下の本音を引き出す1on1での話し方
傾聴力の重要性は理解していても、実践することに苦手意識を持っている方は多くいるでしょう。部下の本音を引き出すには具体的なテクニックが必要です。
そこで、40〜50代の管理職の方向けに、部下との1on1で本音を引き出す効果的な話し方を紹介します。
なお、JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)では新任管理者から既任管理者までを対象とした1on1ミーティングの基本研修も実施しており、実践的なトレーニングが可能です。詳細は下記からご覧ください。
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雑談や世間話から始める
部下は上司と2人きりで話す状況に緊張しがちです。このような張り詰めた空気のまま本題に入ると、部下は本音を話しづらくなります。
まずは休日の過ごし方や好きな映画、最近あった些細な出来事など、軽い雑談や世間話から始めましょう。部下の緊張がほぐれ、心を開きやすくなります。
「先週末はどうでしたか?」「最近見た映画はありますか?」といった質問から入ることで、自然な流れで本題に移行できます。リラックスした雰囲気づくりが本音を引き出す第一歩です。
具体的なエピソードを聞く
部下の本音に触れるには、感情を強く動かした具体的なエピソードを聞くことが効果的です。特に重要なのは、そのエピソードで登場人物が具体的に「どんな言葉を口にしたか」を明確にすることです。
人間は他者の「セリフ」「言葉」によって感情が大きく動くからです。
例えば、「先日のミーティングはどうでしたか?」と抽象的に聞くのではなく、「先日のミーティングで○○さんが『この企画は時間がかかりすぎる』と言っていましたが、あなたはどう思いましたか?」と具体的に聞くことで、より本音が引き出せます。
この具体的な質問によって、事実確認もできます。「彼は本当にそう言ったのですか?それとも『もう少し検討が必要』と言ったのですか?」というように、セリフを確認することで認識の違いも明らかになります。
管理職である自身も本音で話していることを示す
良好な人間関係を築くために「建前」を使うことがありますが、これが本音を引き出す障壁になります。
「仕事に不満があるように見えますが、どうですか?」と聞くと、部下は遠慮や見栄から「大丈夫です」と返してしまいがちです。
相手の本音を引き出すには、まず管理職自身が本音で話していることを示す必要があります。本音で話す相手には本音で返したいという心理(自己開示の返報性)が働くからです。
具体的には「正直どうですか?」という言葉を会話に取り入れると効果的です。「正直どうですか?」と問われると、建前を続けることが「言動の不一致」となります。認知的不協和から、自然と本音で話してもらいやすくなります。
部下との関係性によっては「実際のところ」や「ぶっちゃけ」といった表現に変えても構いません。重要なのは、あなた自身が本音で対話していることを示すことです。
このような対話スキルを身につけることで、部下との1on1がより効果的になります。
まとめ
1on1での管理職の対応は第三者からのフィードバックを得る機会が少なく、特に50代周辺の管理職の多くは手探りで進めることも多いでしょう。
効果的な1on1を実現するには、何より「相手にどれだけ興味を持てるか」が重要です。
加えて、適切な質問と本音を引き出す話し方を身に付けるだけでなく、内容を記録して振り返ることも大切です。1on1の内容が世間話で終わったり、日々の業務連絡の延長になったりしている場合には注意しましょう。これは、「1on1をなぜやるか」の目的が明確でないために起こり得ます。
JMAMでは、このような1on1の質向上の取り組みをサポートするために、1on1支援ツール「KizunaNavi」をご提供しております。KizunaNaviを利用することで、部下が話したいテーマを事前に把握でき、AIによる対話内容の自動記録・解析から有益なフィードバックを得られます。
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