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中原淳教授のGood Teamのつくり方 |リモートチームから学ぶチームの本質【ダイジェスト】

中原淳教授のGood Teamのつくり方 |リモートチームから学ぶチームの本質【ダイジェスト】

人材開発専門誌『Learning Design』の人気連載「中原淳教授のGood Teamのつくり方」より、第13回「リモートチームから学ぶチームの本質」のダイジェスト版をお届けします。

多くの企業でリモートワークが広がるなか、チームワークの難しさが課題となっています。
『リモートチームでうまくいく』(日本実業出版社)の著書でもある倉貫義人さんにリモートワークでGood Team をつくる方法について聞きました。インタビュアーは、立教大学経営学部教授の中原淳氏です。

[取材・文]=井上 佐保子 [写真]=宇佐美 雅浩

ソニックガーデンが行うリモートチームの取り組みとは?

 ソフトウェア開発事業を手掛けるソニックガーデンでは、約5年前から「オフィスなし、全社員リモートワーク」を実践しています。
 リモートワークを導入したのは10年前。当初は一部のメンバー向けだったので、リモートワークをするメンバーと、オフィスにいるメンバーとのチームワークが課題でした。ビデオ会議システムやチャットなど様々なコミュニケーション方法を試しながら試行錯誤を重ね、2016年から「オフィスなし、全社員リモートワーク」を実践しています。現在は社員の約半数が地方在住者ですが、自社開発したバーチャルオフィスシステムを使い、全員がオフィスで働いているのと変わらないチームワークを実現しています。
 リモートチームで成果を上げていくためには何が必要なのでしょうか。代表取締役社長の倉貫義人さんにお話を伺いました。

プロフィール

●倉貫 義人(くらぬき よしひと)氏

大手SIerにて経験を積んだのち、社内ベンチャーを立ち上げる。2011年にMBOを行い、ソニックガーデンを設立。
月額定額&成果契約で顧問サービスを提供する「納品のない受託開発」を展開。
全社員リモートワーク、オフィスの撤廃、管理のない会社経営などの取り組みも行っている。
著書に『リモートチームでうまくいく』(日本実業出版社)ほか。

●中原 淳(なかはら じゅん)氏

立教大学経営学部教授。立教大学経営学部ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所副所長などを兼任。
東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科、メディア教育開発センター、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学講師・准教授などを経て、2018年より現職。
著書に『職場学習論』、『経営学習論』(共に東京大学出版会)、『研修開発入門』(ダイヤモンド社)、『駆け出しマネジャーの成長論』(中央公論新社)など多数。
研究の詳細は、Blog:NAKAHARA-LAB.NET(http://www.nakahara-lab.net/)
Twitter ID : @nakaharajun

ネットワーク型組織によるセルフマネジメント

中原:それぞれの部署に管理職はいるのですか?

倉貫:部長も課長もいません。階層のない、ネットワーク型の組織です。上司の管理・指示命令で仕事を進めるのではなく、各自がセルフマネジメントするやり方をとっています。

中原:各自が自立したスペシャリストだということですよね。

倉貫:ただ、いわゆる個人事業主の集団ではありません。会社に依存したいとか、守られたいというのではなく、各自の強み、個性を生かしたい、という思いで集まっています。

会議と作業の間にあるもの

中原:普通の職場に比べて、リモートの職場はどこが違いますか?

倉貫:目的とアジェンダの決まった会議はテレビ会議の方が向いていると感じましたし、作業も在宅で大丈夫。ただ、会議や作業の合間の雑談や相談など、ちょっとしたコミュニケーションをする場所がなくなったのが困りました。
 オフィスというのは、“会議未満・個人作業以上”のコミュニケーションツールだったんだ、という発見がありました。

中原:確かにオンラインだけだと、目的のあるコミュニケーションばかりになってしまうと感じていました。

倉貫:チャットを導入すれば、多少コミュニケーションはとれますが、人がいる感じはありません。

中原:そこで、ちょっとしたコミュニケーションや気配のなさを解消するバーチャルオフィスツールを自社開発されたのですね。

倉貫:はい。他人の雑談がうるさくない程度に聞こえてくるような、朝、“出社”して「いい天気だな」などと独り言が言えるような環境を再現できたら、と考えました。

「管理」すると「監視」になってしまう

中原:バーチャルオフィスにおいては、全社員の膨大なチャットをすべてリアルタイムで「見える化」していますが、狙いはありますか?

倉貫:コミュニケーションは「質」も大事ですが、「量」の方が圧倒的に大切なのではないかと感じています。相手について情報量が多ければ多いほど不安が減り、雑談も相談もしやすくなります。ですので、話題を選ばず、チャット内容を全部オープンにして流しています。

中原:常に全員のチャットが流れ、顔が映し出されることで、オフィスのように人の気配が感じられますね。しかし、顔がずっと映し出されているというのは、監視されている感覚にはなりませんか?


倉貫氏が答えた、監視にならない組織のあり方とは? 詳細は完全版でご確認ください。

すり合わせに手間をかける

中原:リモートで仕事をしていると、伝わりにくいものもあるのではないでしょうか。たとえば「想い」や「パッション」といった感情にかかわるものはどうやって共有していますか?

倉貫:感情を伝え合うしくみは大きく2つあります。1つは社員同士で回すしくみ。「日記」というツールに考えていることや感想など雑多なことを書いてもらい、みんなで共有しています。
 もう1つは経営陣が考えていることを伝えるしくみです。毎週、私がMC(司会進行役)となり、社員をゲストに呼ぶ「社長Youtube」やブログなど、社員を拘束しない方法で自分の想いを伝えるようにしています。

中原:「社長Youtube」のようなしくみがなかったら、会社はどうなると思いますか?

倉貫:想像するだけで怖いですね。一定期間はなんとかなりそうですが、会社としてのカルチャーや指針が、めちゃくちゃになるかも。

中原:組織としての軸が失われないよう、倉貫さんの働きかけが求心力になっているのですね。
 ところで作業を進めていくうちに、気づいたら皆のゴールが互いにズレていた、ということはないのですか?

倉貫:当社では、あらゆる仕事を細かい作業(タスク)に分解しているので、ゴールは遠くてもせいぜい1週間先です。それでも、ズレが生じる場合もありますので、毎日チームや自分のタスクの状況を報告し合って、すり合わせをします。それだけに情報共有やコミュニケーションの機会、量はあえて増やすようにしています。

中原:よくよく考えると、求心力を上げる工夫はリモートワークだけでなく、オフィスワークにも必要なものかもしれません。

倉貫:そう思います。リモートだからチームが機能しないのではなく、チームとしてやるべきことをやっていないから、生産性が上がらないのでしょう。

中原: 倉貫さんから一言、リモートワーク初心者の我々にアドバイスをいただけますか?

倉貫:フルリモート化など、勤務形態上の変化は表面的なものでしかありません。強いチームさえしっかりつくれていれば、どのような変化であれ、乗り越えることができるはずです。そのためにも、コミュニケーションや人間関係を見直すことが近道ではないかと思います。

まとめ

 本記事の完全版では、「リモートチームにおける採用・育成の取り組み」「中原淳教授によるまとめ」など、2500字以上の内容が掲載されています。
 無料会員登録で、本記事完全版のほか、過去10年以上のアーカイブがお読みいただけます。ぜひこの機会にご一読ください。

JMAM HRM事業 編集部

文責:JMAM HRM事業 編集部
人事・人材教育に関する情報はもちろん、すべてのビジネスパーソンに向けたお役立ちコラムを発信しています。

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