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  • 対象: 新人/若手
  • テーマ: 採用
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内定者フォローの重要性とは|内定者辞退を防ぐための方法や注意点を解説

内定者フォローの重要性とは|内定者辞退を防ぐための方法や注意点を解説

内定者の不安を払拭し、内定の辞退を防ぐためには、内定者フォローに力を入れる必要があります。特に新卒採用における内定者フォローは、具体的にどのように行えばいいのでしょうか。

この記事では、内定者フォローの方法を検討している担当者に向けて、内定者フォローの具体的な方法や注意点を解説します。適切に内定者フォローを行うために、ぜひ役立ててください。

そもそも内定者フォローとは

内定者フォローとは、内定を出した学生をサポートするための施策です。内定者フォローは、内定者のモチベーションを高めつつ、内定辞退を防止する目的で実施されます。内定から入社までのプロセスをスムーズに進めるために役立ちます。

内定者フォローが重要視される理由とは

内定者フォローはなぜ重視されているのでしょうか。ここでは、その具体的な理由について解説します。

理由1:現代は売り手市場傾向

現在の採用市場は、超売り手市場だといわれています。求職者数よりも企業が採用したい求人数の方が多く、企業の希望通りに人材を採用するのは簡単ではない状況です。自社が求めるレベル以上の優秀な人材を確保するには、求職者から選ばれるための工夫が必要不可欠となります。

ただし、新型コロナウイルスが流行してからは、一概に売り手市場だとは言い切れない状況になっているのも事実です。業界や企業によっては新型コロナウイルス感染拡大の影響により求人数を減らしており、求職者数のほうが多くなっているケースもあります。

もちろん、業界や企業によっては、いまだに売り手市場が続いているところもあります。

理由2:入社の主導権は求職者がもつ

内定を出したからといって、求職者は必ず入社するとは限りません。入社するかどうかの最終的な判断は求職者である学生自身が行います。入社の意思を固めてもらうためには、企業が積極的に内定者フォローを行う必要があります。

内定者フォローの目的を解説

内定者フォローの目的は、社会人生活や仕事に対して学生が抱く不安を払拭し、企業に対する期待感を高めることです。入社にあたり、学生時代とは異なる環境に適応できるか心配している学生や、仕事をこなせるか悩んでいる学生は少なくありません。また、職場の先輩や上司との人間関係をうまく構築できるか不安を感じている学生もいるでしょう。

こうした不安を取り除くために、内定者フォローが実施されます。

内定者フォロー施策を行う時のポイント

内定者の自社に対する志望度が低い場合、内定辞退につながる可能性も高いです。そのような内定者に入社してもらうためには、内定者フォローにおいて自社の魅力や入社するメリットを伝える必要があります。
そのために内定者フォローでは、何をポイントにすればいいのでしょうか。

連絡を定期的に行う

内定者と定期的に連絡をとると、入社まで内定者とのつながりを維持できます。
たとえば、課題を出し、提出された成果物にコメントを記載してフィードバックするのもひとつの方法です。細かい部分までアドバイスすると、内定者は企業に対して信頼感をもちやすくなります。

社員とコミュニケーションをとってもらう

内定者フォローでは、内定者が自社の社員とコミュニケーションをとる機会を設けるのもおすすめです。
若手社員やエース社員などに話を聞ければ、内定者が入社に際して感じている不安を解消しやすくなります。社員とのコミュニケーションにより、内定者が「この会社で働きたい」「この会社ならやっていけそうだ」という期待をもてるようにしましょう。

内定者フォローの事例|辞退を防ぐためのコツを解説

内定者フォローは、企業によってさまざまな方法で行われています。ここでは、内定者フォローの具体的な事例について解説します。

内定式を工夫する

内々定を出している学生に対して、内定を通知することを目的とした会を「内定式」といいます。この内定式の方法を工夫し、インパクトのある内定通知を出すことも1つの方法です。たとえば、採用担当者ではなく社長から内定通知を渡す、役員との対談機会があるといった方法を取ると、自社の誠意が伝わりやすくなるでしょう。
「内定した」という実感を、学生に持たせられるかどうかがポイントです。

最近では、新型コロナウイルスの影響で、内定式を行わない・オンライン開催にするといった企業も増えています。あらためて、何のために内定式を開催するのか目的に立ち返り、内定者フォローに役立つ企画を立てましょう。

内定者懇談会

内定者懇談会は、内定者を集めてコミュニケーションをとるために設けます。同期と良好な関係を築けるか不安を感じている学生も多いですが、内定者懇談会を実施することで解消できる可能性があります。食事会を兼ねて実施する場合や、研修所で宿泊をともなう場合もあります。最近では、オンラインで内定者懇談会を実施するケースもあります。

内定者懇談会では内定者同士がコミュニケーションをとる機会を作るだけでなく、事業内容や職場の雰囲気も伝えられるようにしましょう。

座談会

座談会は、内定者と社員が交流する機会を設ける方法です。たとえば、若手社員から話を聞くと、内定者は自分が働いている姿をイメージしやすくなります。ベテラン社員や管理職と話せる機会も設ければ、職場の雰囲気を伝えやすくなります。

座談会で触れあう社員の印象は、内定者が入社するかどうか決めるための重要な判断材料です。社員の態度や愛想が悪い場合、内定者が入社を躊躇する恐れもあります。参加社員の選定は慎重に行い、参加する社員にも目的をよく理解してもらうことで、適切に対応できるように準備しましょう。

学生との面談

大人数でやり取りする内定者懇談会や座談会とは異なり、面談は個人または少人数で実施します。優秀でも大人数でのやり取りが苦手な学生はいますが、面談による内定者フォローも取り入れると密なコミュニケーションをとりやすくなります。

学生との距離を縮めるためには、継続的に何度も面談を実施すると効果的です。時期によっても内定者が求める情報は変化するため、その点を考慮して面談の開催頻度を調整しましょう。

社内イベント

社内イベントを開催すると、内定者に社内の雰囲気を感じてもらいやすくなります。開放的な雰囲気のなかで社員とコミュニケーションをとれるため、内定者の入社に対するモチベーションもアップします。
新型コロナウイルスの感染対策に配慮するなら、オンラインで社内イベントを実施するのも1つの方法です。
参加を強制するのではなく、あくまでも自主的に参加できるようにすると安心感を与えられます。

社内報の送付

内定者フォローの一環として、社内報を内定者へ送付している企業もあります。内定者が社内報を手に取れば、企業に対する理解を深めやすくなります。社内報だけでなく、社史やPR誌などを送付するのもひとつの方法です。

ただし、単に資料を送るだけでは内定者フォローとして役立つとは限りません。内定者が自社に対する理解を深められる資料を厳選したうえで、送付する必要があります。

通信教育・eラーニング

通信教育やeラーニングを提供し、内定者が入社のための準備をスムーズに進められるようにする方法もあります。

eラーニングとはオンラインで学習を進める方法です。通信教育やeラーニングではビジネスマナーやパソコンの基本的な操作を学習でき、それぞれの内定者が自分のペースで取り組めます。目的や課題にあわせた様々な通信教育やeラーニングがあるため、最適なものを選びましょう。

内定者研修

内定者研修は、社会人として必要な心構えやビジネスマナーなどを内定者に学んでもらうための機会です。内定者を集めて行うため、同期との一体感やチームワークも生まれやすくなります。

ただし、内定者研修でいきなり難しいテーマを扱うと、内定者のモチベーションが下がる恐れがあります。楽しみながら働くための準備ができるよう、簡単なテーマから始めるのがおすすめです。

合宿研修

合宿研修は、数日かけて研修を実施する方法です。社員や同期となる内定者と一緒に長い時間を過ごすため、仲間意識を強化できます。まとまった時間を確保でき、企業に対する理解度を向上させるための研修や、ビジネスマナーの習得など様々な内容を盛り込めます。

合宿研修にはまとまったコストや人手が必要となるため、費用対効果を検討したうえで実施しましょう。また、内定者にとって負担がかかりすぎないかについても配慮すべきです。

【参考】内定者研修は給与を出すべき?

内定者研修に給与が発生するかどうかは、内定者研修が労働に該当するかどうかによって決まります。基本的に、研修への参加を強制する場合は給与を支払わなければいけません。

ただし、研修の内容や状況によっても判断は異なるため、迷う場合は専門家に相談すると確実です。トラブルを防ぐためにも、事前によく確認しておきましょう。

内定者フォローを行う場合におすすめのサービスとは

内定者フォローに役立つサービスも存在します。ここでは、おすすめのサービスについて解説します。

内定者同士のコミュニティーをつくる

入社前にほかの内定者や社員と交流するためのSNSを導入している企業もあります。昼食会、夕食会、社内イベントなどを実施し、コミュニケーションをとる機会を設けている企業も増えています。

内定者フォローにおいては、ほかの内定者や社員と気軽に触れあえる環境を作っておくことが重要なポイントです。

まとめ

内定者の内定辞退を防いでスムーズに入社へつなげるためには、内定者フォローが重要な役割を果たします。内定者フォローにはさまざまな方法があるため、自社の目的や状況にあわせて実施しましょう。

株式会社日本能率協会マネジメントセンターでは、75年以上の歴史をもつ日本能率協会グループの一員として、5000社を超える企業や公共機関に研修・通信教育等を提供してまいりました。新入社員から経営幹部まで、立場や役割に応じた教育プログラムを展開しています。内定者フォローにも対応しているため、ぜひ活用してください。

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