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人事評価システムは導入すべき?人事評価システムのメリットや導入方法を解説

人事評価システムは導入すべき?人事評価システムのメリットや導入方法を解説

人事評価システムとは、人事評価に関する分析などを自動化できるシステムです。手間や時間のかかる人事評価の負担を軽減するために、導入している企業も少なくありません。この記事では、人事評価システムについて詳しく解説します。人事評価システムのメリット・デメリット、選び方や導入方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

人事評価システムとは

人事評価システムとは、従来は担当者が行っていた人事評価に付随する業務を自動化できるシステムです。システムによって機能は様々ですが、評価表の作成などを自動化できるだけでなく、客観的なデータ分析による人事評価、目標設定やスキル管理、人事評価に関するデータの一元管理なども行えます。

人事評価システムを導入するメリット

人事評価システムを導入するメリットは、大きく分けて5つです。

人事評価の手間や時間を短縮

人事評価システムの導入によって、今まで手作業で行っていた評価項目の設定やデータ分析などを自動化できます。手間のかかる業務が自動化できるため、担当者にかかる負担や時間を削減できます。

評価が公正なものになる

人間が評価する場合、どうしても担当者の主観が入ってしまいます。しかし、人事評価システムでは、社員ごとの達成度や客観的な数値から評価が可能です。そのため、能力や成果などに応じた公正な評価を行ううえで大きく役立ちます。

社員のモチベーションアップにつながる

透明性が高く公平感のある評価基準で評価できるため、不公平な評価を防げます。社員は正しく評価されていると感じられるため、モチベーションが向上し、結果として企業全体の活性化の一助になるでしょう。

人材配置の最適化

人事評価システムでは、社員それぞれの能力や経験、スキルなどを一元管理できます。そのため、人材のスキルなどをもとにした最適な人材配置が可能です。人事評価システムでは、主観や先入観を持たないため、人材配置をより最適化しやすくなります。

上司がマネジメントしやすくなる

人事評価は、評価する側にとって悩ましく、時間や手間がかかる業務です。人事評価システムはさまざまなデータを一元管理が可能で、客観的な評価の助けになります。また、社員一人ひとりの特性を掴みやすく適切な人材配置などが行えるため、上司が部下をマネジメントしやすくなります。

人事評価システム導入の際の注意点

人事評価システムは、導入前~導入後も綿密な設計や計画が必要です。ただ導入しただけでは、うまく活用ができないままになってしまいます。以下の点に注意しましょう。

適切な運用までに時間がかかる

人事評価システムは、一部のみで運用するのか、どの工程をシステム化するのか、自社にあうシステムの選定など、完全導入までに決定しなければならない項目が多くあります。そのため、スムーズな運用までに、多くの時間や手間がかかるかもしれません。

コストがかかる

人事評価システムの導入や運用にはコストがかかります。機能や導入するタイプによっても変わりますが、コストとメリットが見合わない可能性もあります。導入することにより何を成し遂げたいか、どんなメリットがあるのか、事前の計画が重要です。

社員に納得してもらうための説明が必要

従来の評価方法からの変化に、不安を感じる社員もいます。社員が納得や安心できるように、システムや評価基準の周知徹底が必要です。

人事評価システムの主な機能

人事評価システムに搭載されている、主な機能について解説します。

社員情報管理

社員の取得している資格や能力、経験などの、社員個人のスキルに関する情報を登録し、管理します。

目標設定・進捗管理

目標を設定し、進捗状況をリアルタイム管理できる機能です。リアルタイムな結果の共有は、目標達成の可能性を向上させます。また、フィードバックの共有やデータの管理・分析も可能なため、評価がしやすく、データを次の目標設定にも活かせます。

評価基準の明確化

どのような基準で社員を評価しているのかを、保存し共有できます。人事評価の担当者が変更される場合でも、システムによる客観的な評価での引き継ぎが可能です。

評価機能

360度評価やコンピテンシー評価などの評価機能があり、自社の評価手段にあわせた評価が可能です。効率的な評価や、評価結果の集約により、評価者や人事担当者の負担が軽減されます。

人事管理機能

社員の住所や社会保険などの一元管理が可能です。それぞれの支社や支店、部署など各所に散らばっている情報を集められるため、管理しやすくなります。

他システムとの連携

従来はExcelで管理していたデータも移行でき、人事評価システム上で一元管理できます。また、労務管理システムなどの他システムと連携も可能なものもあります。

人事評価システムの選び方

人事評価システムを選ぶ際には、7つのポイントを意識しましょう。

クラウド型・オンプレミス型・パッケージ型

人事評価システムには、「クラウド型」「オンプレミス型」「パッケージ型」の3タイプがあります。

人事評価システム3タイプ

目的にあった機能が備わっている

人事評価システムにはさまざまな機能が搭載されています。どのような目的で人事評価システムを導入するのかを明確にして、自社の課題解決に役立つものを選びましょう。

※多機能であればよいわけではない
多機能なシステムはその分コストが高くなります。また、必要ない機能が多ければ操作性を損なうため、機能の多さだけで選ぶのは避けましょう。

自社の評価制度にあっている

評価制度は企業によって異なります。そのため、自社の評価制度を再現できる柔軟性の高いシステムを選びましょう。また、MBOやOKR、360度評価など、評価方法や目標設定方法を採用している場合は、それらに対応しているシステムを選ぶ必要があります。

セキュリティ性が高い

人事評価システムでは、社員の住所や氏名だけではなく、個々人のスキルや経験、能力などの機密情報を管理します。情報が漏洩するとトラブルになるため、セキュリティ性の高いシステムを選びましょう。とくに、クラウド型の場合にはセキュリティはベンダー側に一任されています。どのようにデータを保管するのか、セキュリティレベルなどをしっかり確認しましょう。

自社の規模にあっている

自社の規模にあったシステム選びも重要です。クラウド型の場合、人数によって料金形態が変わるため、あらかじめ確認しておきましょう。登録する社員数にあっているか、企業規模にあったシステムかどうかなどもチェックしましょう。

カスタマイズ性

独自の人事評価を行っている場合、評価方法や評価項目などを自由にカスタマイズできるとよいでしょう。カスタマイズ性が高いと自社の評価方法を再現しやすくなります。ただし、カスタマイズ性の高いものは、運用が難しいという側面もあります。

わかりやすい分析結果が出せる

分析結果を見える化できるかどうかもポイントです。たとえば、グラフや図表などを作成して出力できる機能があるかどうかなどを確認しましょう。

人事評価システムの導入方法

ここでは、人事評価システムを導入する方法について詳しく解説します。

目的や課題の洗い出し

自社の人事評価が抱えている課題、人事評価で何を目指したいのかなどを洗い出します。課題や目標を洗い出した上で、人事評価システムで何を解決したいのかを明確にしましょう。

自社の評価制度を見直す

人事評価システム導入前に、自社の評価制度を見直しましょう。人事評価システムは、選ぶシステムによって評価方式が異なります。システム導入後に評価制度などの変更があると、導入したシステムの活用に支障が出る場合があります。

必要な機能を割り出す

自社にとってどのような機能が必要かを検討します。必要な機能だけでなく、自社にとって必要のない機能も明確にしておくとよいでしょう。

人事評価システムの選定

必要な機能が把握できたら、その機能が搭載されているシステムを選定します。このとき、コストについても考慮します。

社員への周知

人事評価システムの導入や評価基準などについて、社員への周知徹底を行いましょう。新しい人事評価に対して不安に感じる社員もいるため、丁寧な説明が必要です。社員説明会などを設けて、社員が納得して受け入れられるようにしましょう。

運用ルールの策定

人事評価システムの運用ルールを策定します。役職別にアクセス権を付与する、導入・運用の際に必要なルールを決めるなどして、運用しやすい環境を作ります。

人事評価システムの導入

システムの導入方法に応じて、実際に人事評価システムを導入します。導入から浸透するまでは、ある程度時間を要すると想定しておきましょう。

人事評価システムにおける注意点

人事評価システムを導入する際には、注意したいポイントがあります。

人事評価シートを刷新する必要があるかもしれない

システム導入以前に使用していた人事評価シートを、そのまま使用できないケースもあります。その場合は、システムにあわせて作り直す必要があります。

人事評価のスキルは引き続き必要

自動化できるからといって、人事評価のスキルが必要なくなるわけではありません。評価結果のチェックや制度の見直し、人材配置が適切かどうかなどを判断するスキルは必要です。

社員の不満に対応する

システムの評価に、一部の社員が不満を持つ可能性もあります。社員の納得感を得るためには、なぜそのような評価になったのか、丁寧な説明が必要です。また、社員の不満が適切な場合は、人事評価システムや活用方法を見直す必要も出てきます。

面談やミーティングは行う

人事評価システムがあるからといって、面談やミーティングが必要ないわけではありません。面談などを定期的に行い、今後の行動や目標の設定などに活かしましょう。

主な人事評価システム

ここでは、主な人事評価システムを7つ紹介します。

カオナビ

顔写真が並ぶシンプルな画面と組織図が特徴で、企業の可視化と人材情報を一元管理できるシステムです。

MBO Cloud

社員の目標管理と人事考課に特化しているシステムで、目標設定から進捗状況などを継続的に管理できます。

あしたのクラウド

目標設定から人事評価、給与確定まで一元管理できるシステムで、細かなカスタマイズができるためさまざまな評価方式に対応できます。

ゼッタイ!評価

自社の課題に応じたプランを選べるシステムで、評価制度をゼロから導入する際のサポートも行えます。

モチベーションクラウド

独自の組織状態診断を行って、問題の洗い出しや改善策の検討、実行までをフルサポートするサービスです。

HRMOS評価

人事評価に特化したシステムで、MBOやOKR、360度評価、コンピテンシー評価などさまざまな評価制度に対応しています。

ヒョーカクラウド

紙ベースやExcelなどで管理していた人事評価を、そのままクラウド化できる人事評価システムです。

まとめ

人事評価システムは、手間や時間がかかりがちな人事評価を自動化できるシステムです。主観に頼らずに、客観的かつ効率的な人事評価が可能で、人事担当者の負担軽減にも役立ちます。

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文責:JMAM HRM事業 編集部
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