コラム
  • 対象: 新人/若手
  • テーマ: 研修/教育
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効果的な新入社員の教育方法は?自社に貢献できる人材を育てるために必要な考え方を解説

効果的な新入社員の教育方法は?自社に貢献できる人材を育てるために必要な考え方を解説

新入社員に対する教育は、自社の戦力を育てるために重要なものです。しかし、新入社員をどのように教育したらいいか悩んでいる企業は少なくありません。この記事では、新入社員の教育方法について解説します。教育のタイミングや目的に加え、取り組む際に意識すべきことにも触れるので、ぜひ参考にしてください。

新入社員の教育に適したタイミングと期間

新入社員に対する教育として入社時に集合研修を実施する場合、1週間から2~3カ月程度の期間を設定する企業が多いです。それに加え、業務を通して教育するOJTを実施する場合であれば、入社してから6カ月間や1年間といった期間を設けます。

また、新入社員が壁にぶつかったりモチベーションが落ちたりしやすい時期にフォローアップ研修を取り入れることもおすすめです。具体的な時期は、配属されてから2~3カ月後や、1年目の後半が一般的です。

新入社員に対する教育の目的

新入社員に対する教育には、どのような目的があるのでしょうか。

基本的なスキルを学ばせる

教育において特に重要なことは、社会人としての基本的なスキルを学ばせることです。新入社員に対する教育の主な目的として、社会人としての基礎を構築したり、仕事に慣れてスムーズに業務を進められるようにしたりすることがあげられます。基本を身につけさせることで、今後の成長につなげられます。

方向性を確認する

新入社員を採用する理由は、自社の未来の活動に貢献してもらうためです。よって、新入社員研修においては、自社の方向性や理念を正しく共有して理解させることも重要な目的の一つとなります。そのうえで、新入社員にどのような人材に成長してほしいか示しましょう。同時に、新入社員の自己実現に向けて、将来的に取り組みたいことを本人たちに考えさせることも重要です。

良好な人間関係を構築する

自社で長期的に働き続けてもらうには、職場内でスムーズにコミュニケーションが取れるようにする必要があります。そのためには、教育を通して社内で円滑なコミュニケーションを取る方法を教えると効果的です。知識として理解させるだけでなく、実践できるように訓練することも大切です。テレワークが普及した昨今、オンライン上でのコミュニケーションについてもポイントも伝える必要があるでしょう。

新入社員の教育に取り入れたいテーマ

新入社員の教育に、特に取り入れたいテーマについて解説します。

社会人としての基礎知識

社会人として必要な基礎知識を学ばせ、スムーズに仕事に取り組めるようにします。たとえば、ビジネス文書の書き方はもちろん、報連相のそれぞれのステップやコンプライアンスについても取り上げる必要があります。

ビジネスマナー

ビジネスマナーとして、名刺交換の方法や電話応対の流れなどを教えましょう。また、社外の人や顧客に対する態度だけでなく、先輩社員や上司との接し方もビジネスマナーに含めて教育することが大切です。

経営理念・事業内容

新入社員はこれから自社の一員として働くため、自社の経営理念や事業内容も理解していなければなりません。新入社員の教育テーマとしても取り入れ、しっかり定着させる必要があります。

配属後の業務内容

実際に働くには、社会人としての基礎知識やビジネスマナーに加えて、配属後の業務内容に対する理解も必要です。実際に担当する業務に必要な内容も教育のテーマとして取り入れ、スムーズに業務に取り組めるようにしましょう。

押さえておきたい新入社員の傾向は?

効果的に新入社員を教育するには、新入社員の傾向をつかんでおくことも大切です。最近の新入社員には、以下のような傾向があることがわかっています。

・試行錯誤しながら経験を重ねて学びたいとは思うが、失敗は避けたい
・心地よい環境で働きたい
・プライベートを大切にし、無理のない範囲で仕事に取り組みたい
・自分らしさを保ちつつ、チームワークや対面でのやり取りを大切にしたい
・デジタルとアナログを使い分けて働きたい
・いい部分はきちんと褒められたい
・指導者には論理的に指導してほしい
・自分に自信があるわけではないが、人生は充実していると感じている

新入社員の教育において意識したいこと

新入社員の教育において、受け入れる側の社員が意識しておきたいことについて解説します。

採用担当者と教育担当者が連携する

新入社員はスキルアップやキャリアアップに対する関心が強いです。そのため、採用担当者と教育担当者が連携しながら情報共有を行い、新入社員のキャリアアップとそのための教育を設計することが大切です。新入社員に与える仕事がスキルアップやキャリアアップに役立つことを明確に示せるようにしましょう。

職場全体で取り組む

新入社員の教育は教育担当者が主導するケースが多いですが、新入社員のサポートは職場全体で行うことが大切です。新入社員の教育を司るリーダーを決めつつ、職場全体でどのようにサポートするか決めておく必要があります。取り組み方を具体的に考えておくことで、新入社員をしっかりフォローできるようになります。

新入社員向けの教育カリキュラムを作る流れ

新入社員向けの教育カリキュラムは、どのように作ればいいのでしょうか。ここでは、その流れを解説します。

目標を明らかにする

企業が新入社員に対して何を期待しているのか明確にしましょう。目標を明らかにすれば、教育の効果をより高めやすくなります。企業が求める社員像に新入社員がスムーズに向かえるようになることを意識し、教育内容を設計しましょう。数年後までを見据えてカリキュラムを組むことも大切です。

内容とタイミングを決める

具体的にどのような内容を教育カリキュラムとして組み込むか考えましょう。取り入れるべき内容の候補は多くありますが、企業側と新入社員側の両方にとって必要な内容から盛り込むようにしましょう。すでに解説した一般的な教育のタイミングも考慮しながら、適切な時期に実施できるように順序を考えながら設定してください。

具体的な指導方法を考える

新入社員の教育を実施する場合、選べる指導方法もさまざまです。習得させたいスキルの特徴を考慮し、それに適した指導方法を選びましょう。たとえば、プレゼンテーションのスキルを身につけさせたいのであれば、研修を実施してプレゼンの機会を多く設けることもひとつの方法です。

新入社員教育の代表的な方法3点

新入社員を教育する場合、さまざまな教育方法があります。ここでは、代表的な教育手法を3点紹介します。

①OJT

OJTとは、実際に新入社員に業務を担当させながら指導していく教育方法です。ただし、まったく経験がない状態で業務について考えさせても、対応できない可能性があります。基本的な知識を入社研修でインプットし、現場での実践の前にはOJT担当者が方法を示したうえで、少しずつ本人に考えさせる幅を増やしていくと効果的です。

②メンター制度

新入社員が所属する部署とは異なる部署の先輩社員がメンターになり、さまざまな角度から新入社員をサポートする教育方法です。1対1の関係でつながるため、新入社員がちょっとした悩みをもったときも気軽に相談できます。新入社員が1人で悩みを抱えるリスクを防止できます。

③フォローアップ研修

入社後の研修をひととおり終えたうえで実施する教育方法です。フォローアップ研修では新入社員の状況を客観的にそれぞれ把握し、不足しているスキルや知識を補います。少し慣れてきたところで実施することにより、今後の仕事に対するモチベーションを引き出す効果も期待できます。

新入社員の教育を成功させるためのポイント

ここでは、新入社員の教育を成功させるために押さえておきたいポイントについて解説します。

理由や背景を伝えながら指導する

伝えた内容について理由や背景を伝えておけば、直接教えていない内容に直面した場合でも、新入社員は自ら考えて対応できる可能性があります。教えられたことをこなすだけでなく、自ら考えて行動する場面が多いと、新入社員の仕事に対するモチベーションも維持しやすくなります。

振り返りを大切にする

新入社員が成功した場合でも失敗した場合でも、必ず取り組みについて振り返るようにしましょう。振り返る癖がつくと、新入社員は日々の業務のなかでさまざまなことを学べます。経験学習を習慣化できれば、教えられたことをもとにしながら自分で考えて次に生かせるようになっていきます。

まとめ

新入社員の教育を進めるうえでは、自社が新入社員に対して求めることを確認しつつ、必要なスキルや知識について効果的に指導できるようにしましょう。

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