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ハラスメントの定義は?当てはまる言動や防止策を紹介
ハラスメントに対する世間の目は年々厳しくなっており、トラブルが起こると企業のイメージを著しく悪化させます。
企業はハラスメント対策を徹底する必要がありますが、そもそも何がハラスメントに該当するのかを把握しておかないと、対策を練ることもできません。
本記事では、ハラスメントの定義や見逃されやすいハラスメントの例、ハラスメント防止のための施策などについて解説します。
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ハラスメントの定義
「ハラスメント」とは、いじめや嫌がらせといった迷惑行為のことです。セクハラやパワハラは知っている方も多いと思いますが、それ以外にもいろいろな種類のハラスメントがあります。
ハラスメントについては、上司・部下関係なく過剰に反応せず、指導に影響を及ぼさないようにするためにも、社員一人ひとりが定義を知っておく必要があります。
具体的にはどのような行為がハラスメントに該当するのか、ハラスメントの定義を把握しておきましょう。
パワーハラスメント
パワーハラスメントは、通称「パワハラ」と呼ばれるハラスメントです。職場内での立場が上の者が下の者に対して、常識・業務の範囲を超えた言動を取ることを指します。
パワハラに関する相談数の増加や、世界的なパワハラ対策強化の流れを受け、2020年には厚生労働省によってパワーハラスメント防止措置が義務化されています。
出典:「職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
セクシュアルハラスメント
セクシュアルハラスメントとは、通称「セクハラ」と呼ばれるハラスメントです。職場内で他者の意思に反して性的な言動を行い、不利益を与えたり不快にさせたりすることを指します。
厚生労働省によって、セクハラ防止の啓発・周知や相談窓口の設置といった対策措置を取るよう義務化されています。
マタニティハラスメント
マタニティハラスメントとは、通称「マタハラ」と呼ばれるハラスメントです。妊娠・出産した女性社員に対して嫌がらせなどを行い、就業環境を害することを指します。
育児中の女性に対する嫌がらせ行為もマタハラの一種です。マタハラについても、2017年に防止措置を取るよう義務化されています。
モラルハラスメント
モラルハラスメントとは、通称「モラハラ」と呼ばれるハラスメントです。無視する、教えていない業務を割り振るなどの言動で他者の人格を否定したり、傷つけたりすることを指します。
モラハラは道徳や倫理に反した嫌がらせで精神を追い詰める行為のため、職場内だけでなく、家庭や学校で問題になるケースもあります。
ジェンダーハラスメント
ジェンダーハラスメントとは、通称「ジェンハラ」と呼ばれるハラスメントです。性別による役割分担という固定観念をもとに行われる、他者への嫌がらせ行為を指します。
女性に対する言動がイメージされることが多いですが、「男なのに頼りがいがない」といった暴言を吐くなど、男性に対する嫌がらせ行為も含まれます。
不機嫌ハラスメント
不機嫌ハラスメントとは、通称「フキハラ」と呼ばれるハラスメントです。不機嫌な態度を取り、周囲の人に必要以上に気を使わせたり不快な思いをさせたりすることを指します。
暴力的な言動はないものの、態度で威圧し相手を従わせようとすることから、「サイレントモラハラ」と呼ばれることもあります。
ノイズハラスメント
ノイズハラスメントとは、通称「ノイハラ」と呼ばれるハラスメントです。大声での会話や強くキーボードを叩いて大きな音を出すなど、「音」に関する迷惑行為のことで、サウンドハラスメントとも呼ばれます。
職場内のみで起こるハラスメントではなく、マンションで上階から頻繁に足音が聞こえるなど、日常生活でも遭遇することがあります。
スメルハラスメント
スメルハラスメントとは、通称「スメハラ」と呼ばれるハラスメントです。強過ぎる香水や柔軟剤の香り、体臭など、匂いによって周囲に不快な思いをさせることを指します。
本人は良い香りだと思っていたり、匂いに気づいていなかったりして、指摘することでトラブルや人権侵害などに発展するケースもあるため、対応が難しいハラスメントです。
ロジカルハラスメント
ロジカルハラスメントとは、通称「ロジハラ」と呼ばれるハラスメントです。他者に論理的に正論をぶつけて追い詰めることを指します。
正論は悪いことではありませんが、伝え方が重要です。相手を追い詰めるほどの言い方では、ハラスメントに該当する可能性が高まります。
見逃されやすいハラスメントの一例
ここでは、「これがハラスメントになるとは思わなかった」と見逃されやすいハラスメントの例をご紹介します。
例1.合理的な理由なく性別によって仕事を振り分ける
女性社員だけにお茶くみや掃除をさせるなど、合理的な理由なく性別で仕事を割り振ることは、ジェンダーハラスメントに当たります。「慣例だから」は通用しません。
「お茶は女性が淹れた方がおいしい」などの発言もセクハラに該当するため、安易な発言には注意しましょう。
例2.ことさらに性別や年齢を指摘する
年齢や性別についての指摘も、ジェンダーハラスメントやセクハラに該当する可能性があります。「女なのに」「男のくせに」「そろそろ結婚する年齢だろう」などの発言には注意しましょう。
ハラスメントは企業経営に悪影響を及ぼす
ハラスメントが横行する職場では、社員が企業に対して不信感を抱くようになったり、メンタル不調が起こったりしがちです。放置すれば、企業に以下のような損失を与える可能性があります。
- 生産性の低下
- 退職者の増加による人材不足
- 企業イメージの低下
- 採用コストの増加
ハラスメントは損害賠償などの法的な問題だけでなく、企業価値や成長戦略に悪影響を及ぼす可能性があることを理解し、早急に対策を練ることが重要です。
社内のハラスメントを防ぐための施策
前述のとおり、パワハラ・セクハラ・マタハラに対する防止措置を講じることは、法律によって義務化されています。
しかし、ハラスメントにはさまざまな種類があり、この3つだけを防止できれば良いわけではありません。
社員を守り、企業の損失を防ぐためには、そのほかのハラスメントも防止できるよう対策することが大切です。ここでは、ハラスメントを防止するための具体的な施策を紹介します。
ハラスメントに対する方針を周知・啓発する
ハラスメントを防止するには、企業がハラスメントに対して厳しく対応する姿勢を見せることが重要です。
企業としてハラスメントにどう対応するかを明確化し、社内規則を制定したり朝礼時に注意喚起したりして、全社員に周知・啓発しましょう。
相談窓口を設置する
何か問題が起きたときにすぐに相談できるよう、相談窓口を設置することも、ハラスメント防止に役立ちます。
相談窓口へのアクセス方法も周知しておきましょう。また、気軽に相談できるように、必ず守秘義務を守ることも伝えることが重要です。
ハラスメントに関する教育プログラムを導入する
ハラスメントを防止するには、何がハラスメントに当たるのかを全社員に理解してもらうことが重要です。ハラスメントに対する方針を全社員に向けて積極的に周知することで、社員一人ひとりのハラスメントに対する意識が高まります。ハラスメントに関する研修などは有効でしょう。
ただし、「この発言はハラスメントにあたるかもしれない」と常に意識してしまうようになると、社員が委縮することもあります。
社内での関係性を保ちつつハラスメントを抑制できるよう、信頼関係の構築も重視することが大切です。
とはいえ、ハラスメントの防止、共通概念の浸透は社内だけでは難しいことも多く、客観的な定義の提示が説得力を増すこともあるでしょう。
そんなときは、外部の教育プログラムを導入するのがおすすめです。JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)の「eラーニングライブラリ®」を利用すれば、低コストで質の高いハラスメント研修が実施できます。
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まとめ
ハラスメントは社員を傷つけるだけでなく、企業に大きな損失を与えるリスクがあります。全社員がハラスメントの定義について理解を深められる取り組みを行い、防止に努めることが大切です。
しかし、何でもハラスメントになると感じさせてしまうと社員が委縮し、企業運営がスムーズにいかなくなる可能性があります。上司がハラスメントと指摘されるのを怖がり、部下に指示や指摘をできないようなケースも見られるほどです。
客観的で具体的な定義を定め、共通認識を浸透させることで、お互いの価値観や人生を尊重しあえる信頼関係を築くことも重視しながら、ハラスメント防止対策を行いましょう。
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