イマドキ新入・若手社員は仕事や働くことについてどのような価値観を持っているのでしょうか。後編では、Z世代の育成のポイントについて、日本能率協会マネジメントセンターが例年実施している調査「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2022」から、一部抜粋しお届けします。(調査概要は以下参照)
■調査概要
調査方法: インターネット調査
調査地域: 全国
有効回答: 2,300名(2021~2022年に入社した新入社員671名、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員1629名)
調査期間: 2022年6月
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【仕事や職場への満足度が高い人の特徴①】 多くの支援者を獲得し、今後のキャリアの見通しを立てている
Z世代のキャリア観について、「仕事や職場への満足度が高い人(※)」を弊社独自で定義づけをおこない、その特徴を明らかにしました。その結果、 Z世代のうち「仕事や職場への満足度が高い人」はZ世代全体の回答者結果と比較して「キャリアに対する意識や行動」は最大1.4倍となり、また、「多くの支援者や人脈を獲得し、自律的に行動できているかどうか」も20%以上高い回答割合となりました。
※仕事への取り組みや職場への満足度などを測る設問において「①今の職場では自分の持ち味を発揮できている」「②やりたい仕事に関われている」「③仕事の成果が出ている」すべてが上位回答(かなり当てはまる、当てはまる)であった者
【仕事や職場への満足度が高い人の特徴②】 自己効力感・自己肯定感が高く、挑戦にも積極的
「仕事や職場への満足度が高い人」は全体と比較して、「自己効力感・自己肯定感」が30%以上、「強みの理解」が20%以上高い回答割合となりました。また、「成長し続けるために、他者からのフィードバックを求め内省している」「現在の仕事以外の領域にも挑戦し、継続的に学習している」など越境学習に関わる意識についても20%以上高い回答割合となりました。
Z世代育成の4つのポイント
コロナ禍以降、新入社員の成長において「人間関係構築」や「今後のキャリアの見通し」といった課題が大きくなっていることが調査より明らかになりました。一方、「仕事や職場への満足度が高い人」は全体と比べ「多くの支援者を獲得し、今後のキャリアの見通しをたてている」という結果も明らかになりました。つまり、「仕事や職場の満足度が高い人」は組織に適応し、組織の中で自らの持ち味を発揮し、成果を出しているということです。
これらのことから、ジョブ型雇用時代において、今後、雇用が流動化し転職・副業(兼業)が進んだとしても、新入社員にとって、初めて入社した会社に適応し、仕事を進めるための基盤を整えていくことの重要性は変わらないといえます。
「仕事や職場への満足度が高い人」の結果から、イマドキの新入社員育成において、以下の4つのポイントが重要であると考えられます。
①目的・目標を決める
- 新入社員自身が、ありたい姿を描き、キャリアプランを設定できるような機会の創出や、支援体制の構築
- アセスメントの受検機会の提供や上司や先輩から期待する姿を共有し、新入社員自身の強みと課題を明らかにする
②周囲のサポートを得ていく
- 職場の支援者やキャリアカウンセラーを紹介するなど、新入社員自身の仕事や今後のキャリアについて相談できる状況を創出する
③実践的な経験から学ぶ
- 現在の仕事以外の領域への挑戦を歓迎し、継続的に学習できる環境を整備する
- 小さな成功体験を積ませるためにスモールステップの成長計画を立て、周囲に認めてもらえているという安心感を持たせることで自己肯定感や自己効力感を高めさせる
④振り返る
- 設定目標の結果やプロセスを定期的に振り返る機会(場)を設定させる
これらの要素は、新入社員の成長に必要な3つの「しこう(志向・思考・試行)力」を高めながら、成功循環サイクル(経験学習サイクル)を回し続けるためにも重要です。
この成功循環サイクルを回し続けることが、「わからない」ことを先輩や上司に質問したり、キャリア形成に必要な業務経験を自ら開拓したりする成長意欲にもつながっていきます。
とはいえ、これらの要素は短期間で一気に獲得できるものではありません。その実現のためにはこれまで以上に、職場ぐるみで新人・若手が育つ仕組みを構築し、段階的・継続的な成長支援策をおこなうことが求められるといえるでしょう。
「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査」について
若年層の志向やキャリア観を把握し、これからの「若手が育つ環境づくり」の考察と提案を行うために日本能率協会マネジメントセンターが2016年から実施している調査です。新入社員への質問は「意識」と「行動」をベースに、社会人として成長していくために重要な要素(成長意欲、仕事の進め方、周囲との関わり等)を中心に構成。新入社員だけではなく、同時に上司・先輩側への調査も行い、両者の考え方や関わり方の違いを比較していることが特徴です。
最新版は、他にも、Z世代、ミニレアル、氷河期、バブル期のそれぞれの世代からみた各世代の特徴比較やZ世代に対する具体的な成長支援、重視したい現場・人事の関わり方などをまとめています。ぜひ自社の新人育成にお役立てください。
イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2023
新人の「働き方」と指導者の「接し方」
2016年から毎年行っている「新人の働き方と指導者の接し方」に関する内容に加え、Z世代のキャリアと成長実感にも焦点を当て、さまざまな切り口からその実態を明らかにしました。
- イマドキ新入社員(Z世代)の実態
- 世代別比較からみる新入社員(Z世代)の特徴
- イマドキ新入社員(Z世代)のキャリアと成長実感
- イマドキ新入社員(Z世代)への指導・育成
以下より無料でご覧いただけますでので、ご活用ください。
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