- 対象: 新人/若手
- テーマ: 研修/教育
- 更新日:
新入社員へのフォロー面談でリテンションを!具体的な流れやコツを解説

人事が新入社員に対して行う面談は、どのように実施するのが効果的でしょうか。ここでは、職場に新入社員を迎えた人材育成に関わる経営者、マネジメント層、人事部などに向けた内容を紹介します。新入社員面談の基本から、面談の流れやコツまで解説するので参考にしてください。
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新入社員面談の目的
新入社員面談の主な目的は、職場環境や仕事状況などの確認です。また、一人ひとりの悩みや課題を聞き、成長するための具体的な目標を設定することも求められます。この面談は人事や人材教育担当者が担当することが多いです。
新入社員の定着率向上も期待されています。悩みに早いうちに気がつけば、離職を防ぐことができるでしょう。入社間もない時期は、慣れない環境に不安を感じやすいです。面談担当者は、適切なコミュニケーションを取りながらサポートしてください。
新入社員面談が大切な理由は?
新入社員面談は、新入社員の悩みを的確に把握し、フォローするのに役立ちます。面談が大切な理由を解説します。
新入社員の悩みを把握するため
新入社員が抱える悩みは多岐にわたります。根本的な悩みを突き止めるには、日々の会話だけでは難しいでしょう。また、職場環境が悩みの原因であれば、先輩や上司に対して悩みを打ち明けるとは考えにくいです。
新入社員の悩みを一部紹介します。職場環境への不満としては「先輩や上司が怖くて馴染めない」「残業が多い」「やりたい仕事をさせてもらえない」などが挙げられます。ほかにも「責任に耐えられない」「仕事にやりがいを感じられない」などの仕事内容に対する悩み、「給料が低い」「休みを取りにくい」などの待遇に関する悩みなどもあります。
同じ環境で働いていたとしても、悩みは人それぞれです。面談で丁寧に話を聞いてみないと、本人が抱える悩みを知ることは難しいでしょう。
新入社員の悩みをフォローするため
仕事や職場環境に対する強いストレスを感じる人は、労働者の約6割とされています。また、ストレスの原因には仕事の過酷さや内容に関すること、パワハラ・セクハラといったことなどが挙げられます。当然、働き始めの新入社員にも悩みはあるでしょう。くわえて、入社直後で気を許せる人がいない場合もあり、悩みを相談すること自体が難しい状況です。
必要以上に考え込むのは、仕事へのモチベーションが低下するばかりか精神面にもよくありません。新入社員面談を実施すると、悩みを打ち明ける場所を提供できます。新入社員が健やかに仕事に打ち込むには、悩みを一緒に考え、解決に導くしくみが重要です。
具体的な面談の進め方
はじめに面談の目的を伝えます。今の状態を知りたい、悩みや課題を知ってサポートしたいと伝えましょう。続いて聞き取りを行います。職場環境と仕事状況を聞き、悩みや考え方を教えてもらいます。
最後に、聞き取った内容をもとに、今後の目標設定や悩みをどう解決していくか話し合い、具体的にどのように行動するかを決めてください。なお、面談はポジティブにまとめ、新入社員のモチベーションを高めるよう意識しましょう。
新入社員フォロー面談は定期的に
新入社員の置かれている状況や考える内容は、日を追うごとに変わっていきます。新入社員の状況を踏まえた面談について解説します。
入社1ヵ月目
配属された直後で、仕事や職場の雰囲気に馴染もうと精一杯な時期です。具体的な悩み・課題を聞いたとしても、明確な答えが返ってこないかもしれません。
1ヵ月目は、コミュニケーションを取ることを重視して面談を行いましょう。新入社員がたずさわる仕事の意味や、企業における職場の位置づけなどを話し、理解を深めてもらいます。仕事や職場のことを知るにつれ、悩みや課題が発生すると考えられます。
入社3ヵ月目
仕事と職場に慣れ始め、具体的な悩みや課題を持ち始める時期です。新入社員によっては、すでにストレスを抱えている可能性もあります。
3ヵ月面談では、新入社員の話を聞き、悩みや課題解決に向けて一緒に考えましょう。必要ならば、新入社員の指導をしているOJT担当者や上司への働きかけも必要です。教育に不慣れな職場もあるので、問題があれば早めに対策を施しましょう。
入社6ヵ月目
仕事にも慣れてきて、業務の進め方に対する悩みや課題が、より具体的なものになっていきます。一方、仕事に対して気が緩みがちな人もいるかもしれません。同じ新入社員といってもいろいろなタイプがあるので、違いに対応した面談がポイントです。
ある程度知識・スキルが育っているので、主体的に目標を決めてもらうとよいでしょう。また、モチベーションが低下している人に対しては、仕事の目的や社会的役割を再度確認させます。
入社1年後
1年で研修期間を終える企業もあるように、新入社員は仕事や職場に馴染んだ状態です。なかには、このまま仕事を続けることに疑問をもち、転職プランを練っている人もいるかもしれません。
入社1年後の面談では、キャリアプランを重点的に話し合いましょう。今の職場で専門性を深めたい人もいれば、多くの仕事を経験したいという人もいるでしょう。新入社員の考えをもとに、キャリアプランをサポートしてください。
新入社員面談のコツ
おもに人事が行う新入社員面談に関して、方法や対応を解説します。
タイミングや場所・担当者を選ぶ
プライバシーに配慮し、タイミングや場所を決めましょう。職場から離れた場所で防音設備が整った会議室などがおすすめです。誰が聞いているかわからない喫茶店などはやめましょう。
オンラインで面談する場合もあるかもしれませんが、直接向き合えないので気持ちが伝わりにくいと考えられます。普段からチャットなどでコミュニケーションを取り、新入社員を理解するよう努めましょう。
話をしやすい雰囲気を作る
悩みや課題というのは話にくいものなので、面談の雰囲気は重要です。素直に話すと評価を下げられるのではないかなどと不安を覚えると、新入社員は気持ちを隠してしまいます。
たとえば、面談担当者は自分の若いころの失敗談を話すなどして、親しみやすさをアピールするとよいでしょう。また、漠然とした話でも、質問をして話を掘り下げるうちに本質がつかめる場合があります。一方的に新入社員に話をしてもらうのではなく、会話形式で進めましょう。
秘密は守ると伝える
面談の内容は秘密にしないといけません。上司や職場には伝えない、査定にも響かないということを伝えましょう。面談の途中で切り出すのではなく、最初に断言しておくことがポイントです。
事前にチェックシートを作成する
複数の新入社員への質問を統一させるために、事前にチェックシートを作成しましょう。新入社員に事前に渡し、書き込んでもらうと限られた時間での面談で効率よく話を進められます。
以下は、チェックシートの項目例です。
- 業務状況と、業務に関する悩みや課題
- 職場環境に関する悩みや課題
- 待遇に関する悩みや課題
- それぞれの悩みや課題に対する意見や希望
新入社員面談の注意点
プライベートな話題は、踏み込みすぎないように気をつけましょう。プライベートな話題は親密さが増すこともありますが、根ほり葉ほり聞かれることを嫌う新入社員もいるためです。また、威圧的な態度はよくありません。新入社員が話やすいように、柔らかな物腰を意識してください。
また、面談担当者は、新入社員への質問を考えて面談に臨みましょう。新入社員の研修状況を振り返るなど、下準備をしたほうが有意義な面談になると考えられます。
場合によっては早急な対応を
パワハラのような深刻な相談の場合は、加害者の耳に入らないように、別途場を設けて新入社員と話し合う必要があります。加害者は職場の直属の上司や先輩かもしれません。面談担当者は、プライバシーを重視しつつ新入社員の環境改善に努めましょう。
相談内容をほかの人と共有する際は、社内外関係なく、事前に新入社員本人に許可を取りましょう。秘密を勝手に話したとわかれば、新入社員からの信頼を損なってしまいます。もし対応の仕方がわからない場合は、弁護士や社会保険労務士への相談も検討してください。
まとめ
新入社員面談は、新入社員の現状把握と、悩みや課題の解決を目的として行います。面談の時期により新入社員の状況や考え方は変わるので、面談の仕方も変えていきましょう。また、プライバシーへの配慮や、話しやすい雰囲気作りなども必要です。
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