コラム
  • 対象: 新人/若手
  • テーマ: 研修/教育
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新入社員フォローアップ研修の重要性|目的や実施時期、プログラム例も解説

新入社員フォローアップ研修の重要性|目的や実施時期、プログラム例も解説

多くの企業では、新入社員に向けて導入研修を行いますが、一定期間が経った頃にフォローアップ研修も実施することで、新入社員・企業側ともに大きなメリットがあります。この記事では、新入社員のフォローアップ研修の時期やポイント、プログラム例などを解説します。フォローアップ研修の重要性やメリットを確認し、人材育成の参考にしてください。

新入社員フォローアップ研修とは?

新入社員フォローアップ研修とは、新入社員研修後に振り返りを行い、課題や改善点を確認する研修のことです。新入社員研修で学んだことが生かされているかを確認できます。さらに、定期的に行うことで社員の成長が期待でき、実際の業務と照らし合わせながら学習すればPDCAサイクルの実践にも役立ちます。

【番外編】他の階層へのフォローアップ研修の目的

フォローアップ研修は、新入社員以外にも実施する場合があります。各階層への研修後に再び集まることで、研修内容を振り返り、課題解決や改善方法などを参加者で確認する目的で行われます。

●若手社員

入社2~3年目の若手社員を対象にしたフォローアップ研修は、年次に合ったスキルやノウハウを学ぶために実施されます。早期育成やモチベーションアップに効果的です。

●中堅社員

中堅社員には、スキルアップ研修やリーダーシップ研修を実施することが多くあります。フォローアップ研修では、現場での実践結果の共有や、研修で教わったスキルが身についているかどうかの確認を、参加者同士の主体的なディスカッションを通じて行います。

●管理職

管理職(課長職以上)には、マネジメントスキル中心の研修がおもに実施されます。フォローアップ研修では、適切な目標設定や、業務改善、人材育成プランなどの改善に役立つプログラムが中心となることが多いです。

新入社員にフォローアップ研修を行うタイミング

新入社員フォローアップ研修を実施するタイミングは、とくに決められているわけではなく、企業によっても異なります。どのような目的をもって実施するかによって決定しましょう。

3ヶ月後

新入社員研修の3ヶ月後に実施するフォローアップ研修は、新入社員研修とセットで組まれることが一般的です。復習が大きな目的で、目標達成状況やその過程をプレゼンテーションするプログラムなどにより、定着度を測ります。また、配属後の不安解消や業務の進め方を確認するといった側面もあります。

6ヶ月後

研修内容を実践で生かし、成果をあげている社員も見られる時期です。この時期に実施するフォローアップ研修では、課題の検討や解決策の模索を行い、スキルの定着を図ります。また、中だるみする時期でもあるため、モチベーションアップも狙いたいポイントです。

1年後

入社1年後に実施するフォローアップ研修は、総合的な振り返りやステップアッププランの構築を行います。部下や後輩ができる場合もあるため、学んだことを伝えられるか確認し、自身のキャリアプランを考える機会でもあります。

新入社員にフォローアップ研修を実施するメリット

新入社員研修を行った後に、さらに研修を行うことにどのような目的があるのでしょうか。新入社員にフォローアップ研修を実施するメリットを紹介します。

仕事の意味や社会人としての姿勢を再確認できる

新入社員研修で学んだ知識やスキルの定着率をアップさせます。「報連相」などのコミュニケーション方法やビジネスマナーなど基本的なスキルを復習し、社会人としての姿勢や組織のなかでの自分の役割を再確認できます。

自分の課題を知る

いまの自分の状況を確認し、不足しているスキルや姿勢を把握します。新入社員研修で学んだ内容と実際の業務で経験したことを比較することで、具体的なイメージをもちながらあらためて気づきを得ることができます。

悩みや不安を解消する

実際に業務を行っていくと、他の同期と比較してしまうといったことが原因で、悩みや葛藤を抱える場合があります。プレッシャーや疑問など不安をもつ場合もあるでしょう。フォローアップ研修では、参加者が悩みを分かち合うことで安心感を得て、解決策を模索できます。

モチベーションの向上になる

仲間意識を持たせ、仕事に対する不安や悩みを解消することでモチベーションアップにつながります。参加者との交流により課題を認識させれば緊張感が高まり、目的意識を持って仕事に取り組めるようになります。また、モチベーションアップは離職防止にもつながります。

新入社員フォローアップ研修を行う際のポイント

新入社員のフォローアップ研修を実施する際に注意したいポイントを紹介します。

課題を確認し共有する

フォローアップ研修では、研修の目的や意義を理解させることが大切です。フォローアップ研修は、評価や競争をする場ではありません。共通の悩みや課題解決のための研修であることを意識させましょう。

適切なタイミングや頻度で行う

フォローアップ研修の目的を明確にし、実施するタイミングを検討しましょう。研修の回数が多すぎると業務の妨げになります。フォローアップ研修を実施する頻度は、3~6ヶ月に1回程度が一般的とされています。

環境を整える

話しやすい雰囲気づくりや上司の同席を避けるなどの配慮を行いましょう。フォローアップ研修では、プログラムにもよりますが、他の参加者の前で自分について話をすることが必要になってきます。失敗談や悩んでいることなど、ネガティブな話題でも話しやすい環境を整えましょう。

事前調査をする

参加者が抱えている問題を事前調査してみましょう。理解度や満足度を調査するためのテストを行うこともおすすめです。事前に参加者の課題や悩みを把握することで、プログラムが組みやすく、効果的にサポートを行えます。

目標設定シートを活用する

効果的な振り返りのために目標設定シートを活用しPDCAサイクルをまわしましょう。新入社員研修の際に目標設定シート(Plan)を作成すれば、フォローアップ研修では、実践(Do)したことを振り返り(Check)、改善策を検討(Action)することができます。

フィードバックをもらう

参加者同士でフィードバックを行うことで、今後の目標を正しく修正することができます。フィードバックをもらうことで悩みや課題が解決するかもしれません。正しい目標を設定できますし、生産的な研修が行えます。

新入社員のフォローアップ研修プログラム例

新入社員フォローアップ研修では、振り返りが基本的な内容になります。ここでは代表的なプログラム例を紹介します。

新入社員研修の復習

新入社員研修で学んだことを復習します。社会人としての言葉づかいや身だしなみ、ビジネスマナー、コミュニケーションについてなど再確認し、実践できているか振り返りましょう。また、仕事の基本や組織内における自分の役割を確認することも重要です。

自分を振り返る

新入社員研修からの現在までの自分を振り返ります。目標設定シートを活用しながら、業務を行ううえでの改善点や課題を把握していきましょう。モチベーションをランクづけし、数値化してグラフにすることも効果的です。

プレゼンテーション

振り返りで把握した課題や悩み、これまでの取り組みなどを参加者と共有します。参加者の前で発表をすることでプレゼンテーションスキルが身につき、フィードバックにより新たな視点を持てる可能性もあります。

ディスカッション

参加者に共通する課題を提示し、ディスカッションを行いましょう。課題解消や対応策を検討することで、自分を客観視でき、解決方法を落とし込みやすくなります。また、さまざまな意見が出るなかで、自分とは違った視点やアイデアを吸収できます。

キャリアプラン作成

今後、社会人としてどうなりたいか、キャリアプランを作成します。経験を積み、業務にも慣れてきたころなのでイメージをもちやすいでしょう。目標や理想像などを客観的にまとめることで目的意識をもつことができます。

フォローアップ研修の実施方法

新入社員のフォローアップ研修をどのように実施するとよいでしょうか。2つの実施方法を紹介します。

自社で行う

社内で行う場合、先輩社員を講師にすればコストを抑えられます。講師役の社員と信頼関係が築けている場合、悩みなどを聞き出しやすいため、個別にサポートしやすいことがメリットです。ただし、プログラム構成や資料などすべて自社で準備する必要があります。

研修サービスを利用する

研修会社を利用する場合は、準備に手間がかからず、講師のスキルやノウハウを利用できるメリットがあります。それぞれの特徴や強みをチェックして目的に合ったサービスを選ぶとよいでしょう。

研修サービスを選ぶときのポイント

研修サービスを利用して新入社員フォローアップ研修を行う場合、どのような点に注意してサービスを選べばよいでしょうか。チェックしたいポイントを紹介します。

カリキュラム

新入社員フォローアップ研修の目的に沿ったカリキュラムを立てられるかチェックしましょう。
これからは、「基本の型(ビジネスマナー・仕事の進め方など)」を習得することだけでなく、環境変化に柔軟に適応していくために、創造性や課題解決スキルを身につけられるような新人教育が求められます。自社が新人に求める要素にそっているカリキュラムかどうか、しっかり確認しましょう。カリキュラムがカスタマイズできると、時間や予算にあった研修を組み立てられます。また、研修を実施すること、研修を受けることが目的にならないように注意が必要です。

講師

講師となる人のビジネス経験や実績をチェックします。現場で実際に活躍した経歴を持ち、新入社員の手本や目標となれる人が望ましいでしょう。自社の業界に精通していれば、さらに理想的です。

費用

予算内で研修を行えるサービスを選びます。時間や日数、参加人数などにより料金は異なるため、見積もりを依頼し、およその金額を把握しましょう。パッケージ化されたプログラムは安価ですがカスタマイズ性に欠けることが多く、希望の内容とミスマッチがおこる場合もあります。新人研修はその他の階層やテーマの研修にくらべ、一人当たりの費用が高い傾向にあります。

実績

研修実績のあるサービスを選びましょう。長く利用されている会社には、蓄積されたノウハウがありますし、なにより安心感があります。ホームページを確認すると、実績数やサービスを利用した企業名を記載している場合があるので、チェックするとよいでしょう。

オンライン研修

オンラインによる研修が可能で、その実績があるかをチェックしましょう。オンラインであれば在宅勤務中でも研修が行え、参加者同士の交流も可能です。さらに、録画をすれば後日視聴もできるため、参加できなかった社員も内容を把握できます。

まとめ

新入社員フォローアップ研修の実施は、新入社員研修の内容を定着させ、モチベーションの低下や離職を予防するとともに、社員が自分自身を客観的に見つめる機会でもあります。目的を明確にし、定期的に行うことが効果的です。

株式会社日本能率協会マネジメントセンターでは、研修をはじめ、アセスメントやeラーニング、通信教育などさまざまな手法を組み合わせた新入社員のフォローが可能です。さらに、立場や役割に応じた教育プログラムも展開しており、その時々の経営環境に即したテーマ(働き方改革、女性活躍、シニア活躍)に幅広く対応しています。

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