コラム
  • 対象: 新人/若手
  • テーマ: 研修/教育
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新入社員の教育係に必要なことは?心得や指導の流れについて解説

新入社員の教育係に必要なことは?心得や指導の流れについて解説

新入社員は、様々なポイントに気をつけて教育しなければなりません。この記事では、新入社員の教育係の心得とともに、実際の教育の流れについて解説します。なお、OJT担当者だけでなく、配属先の部門の上長やメンバーなど、新入社員と関わるすべての人が意識すべきこともあるため、その点についてもあわせて解説します。着実に新入社員に対する教育を進めるために、ぜひお役立てください。

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新人社員を受け入れる周囲が意識すべきこと

ここでは、新人社員を受け入れる周囲がどのようなことを意識したらいいか解説します。

人間関係を築くところから始める

同じ会社に勤務する社員として働くうえでは、良好な人間関係が必要不可欠です。教育を実施する際は、新入社員との人間関係を築くところから始めましょう。特に新人の教育係や直属の上司など、新入社員と関わる機会が多い社員が率先して心を開くことが大切です。まずは、職場全体が新人に対して笑顔で心地よい挨拶をすることから始めましょう。

厳しさと優しさのバランスを意識する

教育においては厳しく指導しなければならない場合も多々あります。しかし、そういった際は、感情的にならず冷静な態度で行い、新人社員が萎縮したり、仕事への苦手意識をもつことのないよう、厳しさと優しさのバランスを意識しながらサポートすることが必要です。

新人社員の教育係の心得(精神面)

ここでは、新人社員の教育係の心得のうち、精神面について解説します。

新入社員の個性はそれぞれ違う

新入社員といっても、人それぞれ個性はまったく異なります。新入社員に対する教育をスムーズに進めるには、教育係として担当する新入社員の個性と向き合うことが重要です。

積極的に交流する

教育係は、単に新入社員に仕事を教えるだけでなく、仕事以外の話題を交えながら積極的に交流する必要があります。適切な雑談など仕事以外交流を通して新入社員の人となりを理解し、信頼関係を築くことができるからです。

最初からうまくいくわけではない

社会人になったばかりの新入社員は、失敗することも当たり前です。うまくいかなかったときも、新入社員を責めるのはよくありません。何度も失敗するケースは珍しくないので、一度の失敗だけで教育係としての指導方法に対する自信をなくさなくても大丈夫です。

新入社員とともに成長する

教育係は普段取り組んでいる業務について、伝わるようにで説明する必要があります。そのため、自分の仕事を見直す機会を得られます。新入社員ならではの斬新なアイデアをもらい、業務に役立てられる可能性もあるでしょう。

新人社員の教育係の心得(スキル面)

ここでは、新人社員の教育係の心得のうち、スキル面について解説します。

具体的で端的な説明をする

新入社員は、任された業務について何もわからない状態からスタートします。よって、状況ややるべきことを常にわかりやすく示すことが大切です。曖昧な言い方では伝わらないので、具体的かつ端的な説明を心がけてください。

新入社員の頭で考えさせる

作業内容を説明するだけでなく、新入社員の頭で考えさせる機会を作ることも大切です。仮に失敗してしまったときは、どうしてそうなったのか理由を考えさせましょう。それを次に活かし、成功できるように導く必要があります。

質問と回答を繰り返す

業務に対する新入社員の理解を深めさせるためには、教育係の質問に答えさせることも効果的です。新入社員の回答を聞けば、業務に対する理解度も把握できるため、指導内容を調整しやすくなります。

人間関係を築くための手助けをする

新入社員が抱える悩みの多くは、人間関係だといわれています。日頃から近い距離で接する教育係は、新入社員が社内で良好な人間関係を築けるようにサポートすることも使命のひとつです。人間関係で困っていることを聞いたり、自分が信頼している人や上司に新人を紹介するなども有効なサポートです。

新入社員を教育する際の流れ

ここでは、新入社員を教育する際はどのような流れで進めればいいか解説します。

理由付け

仕事内容を説明する前に、その仕事が何のために必要なのか理由を示しましょう。なぜなら、必要な理由がわからないまま取り組み始めると、ただこなすだけになってしまうからです。その仕事の必要性を理解させられれば、新入社員のモチベーションも高めやすくなります。

説明

仕事内容を説明するときは、具体的な方法や手順とともに、注意点を伝えましょう。教育係にとっては当たり前に思えることも、新入社員は知らない可能性があります。そのため、細かい部分までくわしく説明することが大切です。新入社員が正しく理解しているか確かめつつ、丁寧に説明してください。

実演

言葉で仕事内容を説明するだけでは、どうしても具体的に理解しにくい部分もあります。そのため、全体像を説明したうえで、実際に仕事をやってみせることも重要です。実演を見れば説明された内容を確認できるため、新入社員はより仕事内容をイメージしやすくなります。

経験

説明や実演が済んだら、新入社員に実際に仕事を経験させます。基本的に、すべての流れを新入社員の力だけで成し遂げさせることが大切です。まったく違う方向に向かっている場合だけヒントを出し、軌道修正を促しましょう。つい口をはさみたくなる場面も出てくる可能性がありますが、まずは見守ることが大切です。

評価

仕事をひととおり経験させたら、そのときの様子を踏まえてフィードバックを行います。客観的な事実をもとにしながら、具体的なポイントを挙げて評価しましょう。いいところはしっかり褒め、新入社員のやる気を引き出せます。改善点があるときは、明確に示してください。

復習

丁寧に指導しても、新入社員は一度ですべてを完璧に覚えられるわけではありません。復習する時間をつくり、着実に仕事を覚えさせる必要があります。おろそかになりやすい部分なので、意識的に復習するタイミングを設けることが大切です。新入社員から質問を受けたら、しっかり回答しましょう。

新入社員の教育係が押さえておきたいポイント

ここでは、新入社員の教育係が押さえておく必要があるポイントについて、具体的に解説します。

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目的や全体像を意識する

仕事の目的を新入社員がわかっていないと、与えられた業務をただこなすだけになります。新入社員に任せる業務だけでなく、部署の業務の全体像も示すと目的を把握しやすくなります。

焦らず着実に手順を踏む

単に仕事を頼むだけでなく、きちんと手順を踏んで教えることが大切です。すでに触れた手順にそって説明することで、新入社員は業務についてより深く理解しやすくなります。説明とともに実演も行うと、新入社員もスムーズに仕事に取り組めます。

やり取りを通じて教育する

教育係は、新入社員とやり取りしながら指導していきましょう。一方的に説明するのではなく、質問があるか適宜確認することも重要です。コミュニケーションを通して新入社員の性格を理解したり、苦手な分野を把握したりすることも可能です。

新入社員の教育係がよく抱える悩みは?

新入社員の教育は簡単ではないため、教育係が悩みを抱えるケースもあります。ここでは、具体的な悩みについて解説します。

教育に時間がかかって自分の仕事ができない

新入社員に徹底的な指導をするとなると、決して少なくない時間や手間がかかります。教育係は自分の仕事もしながら指導するため、自分の仕事をする時間を確保できず悩むケースがあります。

コミュニケーションをうまく取れない

教育係と新入社員の相性があわないと、コミュニケーションがうまくいかない場合もあります。意思疎通に問題があれば、新入社員に対する教育もしにくくなってしまいます。

新入社員によってスピードが異なる

新入社員によって個性や性格は異なるため、仕事を理解したり作業を完了させたりするスピードもそれぞれ違います。スピードが遅い新入社員の教育係になると、時間が足りずに困る可能性があります。

指導すべき内容が多くて負担が大きい

新入社員によっては、仕事内容だけでなく、言葉遣いやお客様への態度といったビジネスの基本から教えなければならないケースもあります。指導すべき内容が多すぎると、教育係にとって大きな負担になります。

新入社員の教育係が抱えやすい悩みを解決する方法

ここでは、新入社員の教育係が抱えやすい悩みをどのように解決すればいいか解説します。

必要以上に手助けしない

新入社員にはきちんと指導する必要があるものの、作業に取り組んでいる様子を常に見守る必要はありません。手順に沿って指導しているのであれば、実際に業務を経験させるときは自由にやらせて構わないでしょう。

マニュアルを用意する

新入社員に教えたい内容をまとめたマニュアルを渡すこともひとつの方法です。マニュアルがあれば、教育係から教わった内容について、新入社員はいつでも確認できます。教育係に対する質問の回数も減らせる可能性があります。

周囲に相談しながら進める

教育係としての役割について悩みが生じたら、周囲に相談することも大切です。指導方法について、周囲と一緒に考えましょう。そのためには、教育係はその上司と共に、周囲に相談しやすい体制を整えておく必要があります。

席の配置を工夫する

新入社員とコミュニケーションを取りにくいなら、席の配置を工夫すると効果的です。また、新入社員が教育係以外ともやり取りできる配置にすれば、教育係に負担が集中することを防止できます。

教育係にも研修を受けさせる

他人に指導するためには、自分の業務に取り組むときとは異なるスキルが必要になります。指導力向上の研修を受講させ、スキルを身につけることも効果的です。そこで得た指導のスキルは、新入社員教育のみならず、部下ができたときにも役立てることができるでしょう。また、受け入れる部署の上司に対し、受け入れ体制を構築するための説明会を実施することもあわせて行うと、よりスムーズな新入社員教育が可能となります。

まとめ

新入社員の教育係は、さまざまなことを意識しながら指導にあたる必要があります。単に説明するだけでなく、実演を交えることも重要なポイントです。ただし、新入社員の教育は職場全体で行うものなので、上司を中心に受け入れ態勢を構築し、チームで協力して行う必要があるでしょう。

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