事例詳細

アセスメント

アセスメント活用事例 Vol.4

テーマ 中堅社員の育成 / 人事・人材開発部門の強化
対象 中堅社員

日本軽金属株式会社

アルミニウムの原料から加工製品に至る幅広い製品を扱う、日本で唯一のアルミ総合一貫メーカー、日本軽金属。同社は2012年10月にホールディングス化を果たし、以降、グループ全体をけん引する基幹人財の育成に努めている。その施策のひとつとして、内製で実施している中堅社員研修の効果を高めるためにJMAMのアセスメントツール『NAVI360』を導入した。今回、同社人事部の原田将氏に、アセスメントの活用方法についてお話を伺った。

研修内製化〜中堅社員の気づきを高める多面診断の活用〜

グループ全体をけん引する基幹人財の育成

「アルミにこだわり、アルミを超えていく」をコーポレートスローガンとしている日本軽金属。スローガンにも表現されている通り、近年は顧客のニーズがますます多様化・高度化しており、グループの力を集結してニーズに応えるため、2012年にホールディングス化を図った。
「それまで人事部では、"日本軽金属の基幹人財"を育てることに注力していましたが、ホールディングス化に伴い"グループ全体をけん引する基幹人財"が求められるようになりました」(原田氏、以下同様)
そうした人財には、より高度な知識やスキルの習得が求められるのと同時に、より高い視点やコミュニケーション力が欠かせない。より高い視点を得るには、一方通行のティーチングでは得られない本人の気づきが必要で、気づきを引き出すための施策が求められていた。
そこで同社が2013年に新たに導入したのが、JMAMのアセスメントツール『NAVI360』だ。『NAVI360』は中堅社員向けの360度フィードバックで、内製の中堅社員研修に取り入れられた。中堅社員研修の対象者は、入社7年目〜10年目の社員。仕事の経験を積んで自分なりの物差しができてくるとともに、日常業務の中で他者からフィードバックを得る機会が少なくなってくる時期でもある。
「この時期、とくに管理職手前の段階で、きちんと振り返りを行って周囲からの見方や期待を改めて知り、自分を変えることができるタイミングは非常に重要です。だからこそ中堅社員に気づきの機会を提供したいと考えました」

内製の中堅社員研修に『NAVI360』を導入

同社は以前から多面評価を導入していたが、それはあくまでも選抜や評価のためのものだった。そうではなく、育成のために多面評価を活用したいという強い思いが背景にあった。そのため、同社がアセスメント導入にあたって重視したのは、フィードバックの質。「結果を見せて終わりではなく、フィードバックに関するツールや仕掛けが充実していること」がポイントだった。
JMAMでは、結果をフィードバックする際の解説スライドやラーニングガイドを充実させており、こうした点が『NAVI360』導入の決め手となった。

また、日本軽金属では研修の内製化を進めており、『NAVI360』も、数日間の中堅社員研修のうち内製で実施するプログラムの一部として導入された(中堅社員研修プログラム参照)。研修の企画だけではなく、内容によって研修講師もフィードバック担当も同社の社員が行う。
「人事の人間もなるべく講師をするようにしています。講師役をするとなると本人も勉強しますし、社員の教育という面もあるので、社内の講師を増やしていきたいですね」
自ら『NAVI360』のフィードバックを担当する原田氏も、事前に解説スライドを読み込み、育成のためのフィードバックに重要なポイントを押さえて講師役を務めたという。原田氏は、フィードバックに関して気をつけている点をこう述べる。
「『NAVI360』では評価が数値化されて出てきますが、当社は育成のために『NAVI360』を導入していますので、行動の善し悪しの評価ではなく、あくまで自分の振り返りをするものということを最初に伝えています。"5だからいい、2だからよくない"などと数値を表面的に受け取るのではなく、”なぜその数値がついたのか"、その理由を考えるようにフィードバックしています。例えば、数値そのものだけを見れば、低い数値もたまたま点数付けが厳しい上司に当たってしまったためということも考えられます。しかし、なぜその点数なのか理由を考え、気づきを行動につなげることで、例え将来上司が変わったとしても一定の数値を出すことができるようになるはずです」

受講者だけではなく上司の側にも気づき

2013年に初めて導入された『NAVI360』だが、早くも導入の効果が表れてきているという。特に顕著なのが、単独で仕事をすることが多い中堅の技術者。日ごろの業務で他者からフィードバックを受ける機会はほとんどない。それだけだけに『NAVI360』のフィードバックは新鮮で、「自分なりに仕事をやってきたが、自分の物差しと上司の物差しの違いに気づいた」、「自分では報告業務をきちんと行っていたつもりだったが、周りからみると足りていないことがわかった」などの声が多く上がった。
また、上司の側からも「部下のことは見ているつもりだったが、部下が自己啓発に取り組み自分を高めようとしているところまでは見えていなかった」など、良い意味での反省の声も聞かれ、評価する側にも気づきがあったという。
一方で、導入初年度ならではの課題も残った。人事からは育成のためのアセスメントだと伝えたが、受講者にとって初めての360度フィードバックは、人事考課に関わるものと誤解されることもあったという。
「アナウンスが十分ではなかったことは、運営側の課題です。ただし、それも継続して実施していくことで、社内の理解が深まっていくと考えています。『NAVI360』は、継続して実施していくことが大切で、中堅社員に振り返りのタイミングを設け、社内に気づきを得た者を増やし続けていくことが、会社やグループの活性化につながると思います」
その意味では、今後管理職層にも360度フィードバック実施の対象層を広げることを検討したいという。
「実は、私が入社した当初の上司が、人事考課でも日頃の仕事のしかたについてもたくさんフィードバックしてくれる方でした。そこで私自身、的確なフィードバックの有効性を身にしみて感じたのですが、一般的にはフィードバックの在り方は上司任せになってしまう側面があります。そうではなく、良質なフィードバックを受けられる仕組みを組織として確立していくことが重要と考えています」
さらに、今後はグローバル化に対応した人財育成も課題だと語る原田氏。グループ全体をけん引し、世界を舞台に活躍する人財——それを支える人事部の活躍にも注目していきたい。

(2014年2月作成)

プロフィール

会社名 日本軽金属株式会社
URL http://www.nikkeikin.co.jp/
設立 1939年3月
本社所在地 東京都中央区東品川2-2-20
代表者 岡本 一郎
資本金 39,084,654,715円
主要事業 ●アルミナ、水酸化アルミニウム、各種化学品およびアルミニウム地金・合金の製造、販売

●アルミニウム板製品およびアルミニウム押出製品の製造、販売

●輸送関連製品、電子材料、冷凍・冷蔵庫用パネル等のアルミニウム加工製品、炭素製品の製造、販売 ならびに運送、情報処理および保険代理等のサービスの提供

●箔、粉末製品の製造、販売

(以上、グループ会社での事業も含む)

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