事例詳細

eラーニングライブラリ

技能伝承、安全教育をライブラリで強化 ~JFE ケミカル株式会社

テーマ ものづくり人材育成 / ビジネススキル・知識の習得
対象 技術・技能職

JFE ケミカル株式会社

石炭化学の分野を中心に世界最高の技術で社会に貢献することを目指すJFEケミカル。同社は、生産現場で急速に世代交代が進むなか、技能伝承教育、安全教育の知識面の強化・補完にeラーニングライブラリ(以下、ライブラリ)を活用しています。今回、同社倉敷工場の工場長・松木利幸氏と、3名の専任教育担当者・難波健次氏、斎藤政則氏、加藤正治氏に、ライブラリの活用法についてお話を伺いました。

活用ポイント!

各職場の責任教育担当を中心に必須コースを選定

進捗管理表を掲示し、意欲の向上を促進

社会人基本教育に、マネジメント系テーマも活用

設備や機器の基礎知識習得にライブラリを導入

─貴社の教育体系と、e ラーニングの位置づけを教えてください。

松木氏:当社では技能系社員の教育として、新入社員から管理職までの昇進に合わせた階層別教育と若年社員対象の操業技術習得を目的とした技能伝承教育を2本柱としています。eラーニングは、現場実践業務を習得するために必要な基礎知識を身につけてもらうための教材として活用しています。

─ライブラリを導入したきっかけは?

松木氏:ベテランの大量退職と定期・中途採用者の増加に伴い、世代交代が急速に進行しています。そうしたなかで、OJTでは十分対応できていない防災・環境関連の非定常作業の教育について、専任の教育担当者をおいて技能伝承教育を開始しました。この教育によって設備や機器の操作技術向上を図ったのですが、教育が進むにつれ、「なぜそうなるのか」という理論や、設備や機器そのものの基礎知識に欠けているという問題が顕在化しました。また、受講者からもポンプやバルブの構造などの基礎を学びたいという要望が高まってきました。

─技術・技能系ではなく、マネジメント系を含む全コースライブラリを導入した理由を教えてください。

松木氏:電話応対や報告・連絡・相談などの仕事の基本、CSRやコンプライアンスなどの社会人としての基本も身につけて欲しいためです。

必須コースと自学推奨コースの2本立て

─実際にどのようにライブラリを運用しているのですか。

松木氏:身につけて欲しい科目を、必須コースと自学推奨コースに分けて実施しています。技能系社員に必要な知識は職場によって異なるので、各職場の専任教育担当者が、それぞれの職場に必要なコースを選定しています。

難波氏:各教育担当者が全コースの内容を確認し、身につけて欲しい必須コースを選び、教育計画を定めました。例えば、化成品製造では、必須コースとしてバルブ(上)ポンプの基礎Ⅱなど11コースを、自学推奨コースとしてポンプの基礎Ⅰ仕事の基本 ホウ・レン・ソウ編など3コースを選択し、年間計画を立て、学習を進めています。ライブラリの各コースには想定学習時間が明記されているので、計画を立てる際には非常に役立ちました。

斎藤氏:自学推奨コース以外でも、学習したい人はどのコースでも学習してよいことにしています。2014年3月から始めた取り組みですが、多い人は既に必須、推奨コース以外で20時間以上も学習しています。

─学習環境や自己負担金について教えてください。

松木氏:会社の教育として必ず身につけてもらいたい必須コースについては、技能伝承教育を含めて月5時間を上限とした残業時間内に共用PCで学習しています。自学推奨コースは自宅や待機時間での受講を推奨しています。業務として運用しているので、自己負担金はありません。

─受講者の反応は?

松木氏:「保全担当者と施工者の会話がわかるようになった」、「バルブやポンプなどの種類や構造を知っているのと知らないのでは日常の設備パトロールやトラブル時の見方が変わる」といった感想が挙がっています。

─運用面での工夫があれば、教えてください。

松木氏:受講者との面談の場を設け、会社の技能伝承教育への取り組み姿勢や、一人ひとりの進捗を管理者が“しっかり見ている”ことを伝えています。

加藤氏:進捗管理は各教育担当者が行っています。受講が停滞している人には技能伝承教育時に面談し、フォローします。また、進捗管理表を各職場の操作室に貼りだして、競争意欲の高まりを期待しています。

松木氏:さらに現場教育のキーパーソンである作業長やリーダーとの意見交換会を実施して、育成についての考えを共有しています。

─今後の課題について教えてください。

松木氏:今後も世代交代が進むなかで、指導者と育成対象者のコミュニケーションや、その橋渡しを担う中堅社員育成も強化する必要があります。このような場面ではOJTも重要ですが、良質の教材を使った教育機会を提供することも重要で、ライブラリは引き続き重要な位置付けになると考えています。

─ありがとうございました。

プロフィール


会社名 JFE ケミカル株式会社
URL http://www.jfe-chem.com
主要事業 2003年、川崎製鉄株式会社 化学事業部とNKKの化学事業会社アドケムコが合併して発足した化学メーカー。鉄鋼製造の際に生成されるタール、ガス、酸化鉄などを回収、分離、精製し、化成品、電池材料、工業ガスなどの新たな材料として製造・出荷している。売上高単独852億円、連結1182億円(2014年3月期)。従業員数842人(2014年3月末時点)。

掲載日 2015/01/22
掲載内容やご登場いただく方の役職は取材当時のものです。