導入事例

国立大学法人 岡山大学

事例詳細

テーマ ビジネススキル・知識の習得 / 学習する風土づくり
対象 管理者 / リーダー・監督者

国立大学法人 岡山大学

最高水準の研究と教育の実践を図り、社会貢献に役立てる仕組みづくりに、学生と教職員が一体となって取り組んでいる岡山大学。2004 年の国立大学法人化以降は、より一層職員教育に力を入れており、現在は『eラーニングライブラリ®』を導入して職員の能力開発を進めています。今回、総務・企画部の前川幸枝氏と兼田修平氏に、『eラーニングライブラリ®』の活用法についてお話を伺いました。

法人化をきっかけに課題が顕在化

岡山大学がめざす“あるべき姿”についてお聞かせください。

前川氏:本学では、2004 年の国立大学法人化をきっかけに『大学は何のために存在するのか』を改めて考えました。そのときに明確になった“高度な知の創成と的確な知の継承”という理念を実践することこそが、あるべき姿だといえます。

 以前は、国立大学の職員として文部科学省の指導や法令を守ることが重要だったのですが、法人化により裁量が増したことで、私たち職員には、自ら新しいことにチャレンジすることが求められているのです。

職員の方々への教育は、どのように行っているのでしょうか?

兼田氏:まず、本学には約1,300 名の教員、約600 名の事務職員、約100 名の臨床検査技師や診療放射線技師などのコメディカルの方々、約500 名の看護師、附属学校の教諭もおります。事務職員には、一般企業でいう新任~中堅、係長クラス、課長以上の管理者層といった階層があり、階層別の研修プラス専門性の研修が教育の基本となります。

教育に関して、どのような課題があるのでしょうか?

前川氏:まず、私たち自身の仕事の仕方が変わりましたので、それに対応する教育が必要だと考えています。具体的には、業務の問題や課題を発見し、改善していく力をつけることが求められています。

兼田氏:しかし、その中でOJT が、なかなか機能しなくなってきています。人件費の削減で職員を増やすことが難しく、ひとつの係の中で人を育てることが難しくなってきました。そこで、昨年からグループ制を導入し、係の枠を超えたグループの中で人材を育成していく仕組みに変えています。

前川氏:Off -JT についても、大学として新しいチャレンジを掲げているなか、個人もこれまでのように研修を受けさせてもらうのではなく、“自分で学ぶ”ことを尊重した仕組みが必要だと考えています。

 その流れの中で、『eラーニングライブラリ®』が、私たちの課題やニーズにマッチしたのです。導入のポイントとしては、テーマやコースの豊富さ、興味や関心があるテーマを自由に学べることです。また、e ラーニングのアニメーションの質やプログラムの完成度が高く、個々のコースが非常に学びやすくできていることも選んだポイントでした。

考え方の基本は大学も企業と同じ

『eラーニングライブラリ®』は、基本的には一般企業を舞台にしたドラマ仕立てで学習していく設計です。国立大学法人という環境下で導入した狙いは?

前川氏:法人化したものの、大学経営に関する感覚は、まだまだ希薄だと思っています。経営のベーシックなところというのは、企業であっても大学であっても変わらないはずですので、経営感覚や考え方のヒントを学ばせたい、ということです。

実際に、どのような形で運用しているのでしょうか?

兼田氏:2010 年の6月に導入し、課長級および課長補佐級の職員全員と、その他の希望者が受講しています。

前川氏:本人には、それぞれ1コースを指定し、受講者が希望するコースと合わせて2コース受講するよう義務付けています。そのうえで、最終的に受講報告書を提出してもらう予定です。

兼田氏:学習環境は、職員全員に1人1台、自分のデスクにPC がありますから、そこで学習しています。

前川氏:事務局では、6月に導入のアナウンスをし、その後2回ほど、コースの紹介や進捗度合いのアナウンスを担当者から一斉メールで受講者へ送っています。また、グループ内でちょっとした時に「もう受講した?」というような声掛けを行うと効果があるようですね。

 最終の報告書提出前にもう一度アナウンスをする予定ですが、恐らくほぼ100%修了すると見込んでいます。

教育機会を均等に与えたい

どのようなコースが受講されているのでしょうか? また、受講者の反応は?

兼田氏:コンプライアンスや、ハラスメントに関するコースは受講者が多いようです。後輩とのコミュニケーションという観点からメンタリング入門コースも人気ですね。

前川氏:私自身、『リーダー・マネジャーのための課題解決基本コース』を受講しました。事例自体は企業の営業部門が舞台でしたが、基本となる考え方や、キーワード、大事な要素は共通ですので、多くのヒントを学ぶことができたと思っています。

兼田氏:本学のように、職員数が多く、キャンパスがあちこちに点在していると、集合研修は集まるだけでも大変です。その意味でe ラーニングは、自分のデスクで学ぶことができるので助かるという声も多いようです。

前川氏:ライブラリ方式は、選抜式の研修とは違い、教育機会の均等化という点でもよいですね。その意味で、今後、受講者層をより拡大することも検討しています。

今後の課題についてお聞かせください。

兼田氏:現状の研修体系では、新任者研修の次が係長級の研修と、間が空いてしまうので、中堅クラスの教育が課題の1 つです。

前川氏:これからの教育は“自分で学ぶ”、私たちが行うのは、その背中をいかに後押ししてあげるかだと考えています。

プロフィール


会社名 国立大学法人 岡山大学
URL http://www.okayama-u.ac.jp/
主要事業 1949 年、岡山の旧制諸学校を包括する形で新制大学として設置。2004 年の国立大学法人化に伴い、現在の形となる。広大なキャンパスに、11 学部・14,000 人の学生と、約2,500 人の職員が在籍する国内屈指の総合大学。

掲載日 2011/03/22
掲載内容やご登場いただく方の役職は取材当時のものです。

ページ上部へ戻る