導入事例

事例紹介 キャリアチャレンジ・ワークショップ

事例詳細

テーマ 中堅社員の育成 / 強い管理者の育成
対象 リーダー・監督者 / リーダー・監督者

株式会社小野測器

エンジンやモーターなどの研究開発に用いる計測器メーカー、小野測器(従業員約400 名)。画期的な計測器を開発し、多くの産業分野で研究開発や技術革新にソリューションを提供しています。同社の人事責任者である内藤氏と研修を担当する永島氏に、「キャリアチャレンジ・ワークショップ(CDT)」を導入してのご感想を伺いました。

「ターニングポイント研修」で中堅社員のモチベーションを向上

■「キャリアチャレンジ・ワークショップ」を導入された 経緯を教えてください。

内藤当社は2004 年に「能力育成型成果主義人事制度」を導入し、成果に貢献できる「高付加価値な人材を育てる」ことを人材育成方針に掲げています。方針を実現するには、スキル開発とともに、仕事へのモチベーションにつながるキャリア開発が不可欠と考え、06 年にキャリア開発支援を目的とした「ターニングポイント研修」を始めました。新入社員、入社4年目、10 年目、20 年目、30 年目をターニングポイント(組織にとっては役割を変えてほしい分岐点、個人にとってはキャリアを考える節目)と位置づけ、それぞれの節目においてキャリアを考える「場」を提供します。そこで、節目を迎えた社員が立ち止まって自分自身のキャリアを見つめ直すことにより、キャリアから仕事の意味づけが行われ、結果として仕事へのモチベーションが向上することを狙いとしています。各研修のカリキュラムについては、年代ごとにキャリア研修を用意していたJMAM さんに相談しました。その結果、入社10 年目の社員にCDT を導入することになりました。

■対象となる入社10 年目の社員の皆さんに対しては どのような問題意識があったのでしょうか?

内藤入社10 年目は係長になる前後で、先輩に教わりながら仕事をする段階から、現場のリーダーとして自分で仕事を開拓する段階に移り、キャリアを自分でマネジメントしていく節目といえます。しかし、現実には後輩が少ないため、職場では未だに“ 若手”として扱われる傾向があるんです。そのため、本当はもっと仕事ができるはずなのに、どこか遠慮がある。われわれとしては、研修の場で自分の今までを振り返り、これから何をすべきかを考えてもらい、日頃の実務において、もっと力を発揮してほしいと考えています。

■研修にはどのような効果を期待しましたか?

永島日頃は目の前の仕事をこなすのに精一杯で、立ち止まって自分を見つめ直したり、会社の今後について考えたりする機会がなかなか持てませんでした。それに、自分の同期がどんな仕事をしていて、どんなモチベーションで、何を考えているんだろう、ということも普段あまり話し合ったことがないので、研修の場で皆で話し合うことにより、今後に向けてプラスになるような気づきや発見が得られることを期待しました。

■実際に受講された感想はいかがでしたか?

永島今までを振り返り、今後に向けての気づきを得る良い機会になり、非常に満足しましたね。1日目の「自己診断」では、6つの診断から自分を多角的に分析するんですが、1枚の紙に整理して俯瞰することによって、自分の性格や強み・弱みを改めて確認することができ、今後に向けた課題整理ができました。2日目の「マッチング」では、自分に適した職場環境を探るんですが、実は、研修を受講した時期は営業から人事に異動したばかりで、業務の違いに戸惑いを感じていたんです。しかしマッチングをしてみて、人事という職場が実は自分に合っているんだなと気づくことができました。また、一緒に受講した同世代のメンバーとは、互いに刺激を受け合い、親睦を深める良い機会になりました。

■研修の効用はありましたか?

永島研修を受講したことで自分自身の弱みが明確になり、その後意識して改善に取り組めるようになりました。研修を受けるまでは、教育と採用の実務担当者が私一人しかいないことをプレッシャーに感じていたのですが、研修の中で「全社員の中であなたしか携われない業務なのだから、他の人が体験できないことを体験できるところに希少価値がある」という指摘を受けて意識が変わり、自分の業務に以前よりも前向きに取り組めるようになりました。一緒に参加したメンバーからも、自分では意識していなかったことに周りからの指摘で気づくことができ、仕事に向き合う姿勢が良い方向に変化したという声を聴いています。

■今後に向けての課題を教えてください。

内藤未だにこの研修よりも業務が優先されてしまうことがあり、まだこの研修が社内に定着したというところまで至っていません。受講した社員の評判はいいので、受講さえしてもらえば、この研修の良さはわかってもらえると思います。そういう意味では、こうした研修の必要性をもっと周知させる必要がありますね。

永島2011 年度から、ターニングポイント研修の前後に、その内容に合わせたe ラーニングを実施するようにしました。入社10 年目の場合は、問題解決やヒューマンスキルといったe ラーニングを組み合わせ、研修に臨む前にある程度予備知識を持ってもらい、研修を終えた後もe ラーニングで振り返りをしてもらいます。e ラーニングなのでいつでも何度でも受講でき、受講者の負担にもそれほどなりません。今後も改善を図りながら、研修効果を高めていきたいと考えています。

プロフィール


会社名 株式会社小野測器
URL http://www.onosokki.co.jp/
主要事業 1954 年、日本で初めてジェットエンジンの回転数を計測する回転計を開発。以来、製品開発に不可欠な「計測」の技術を究め、様々な分野で独創的な製品を開発・提供しています。その一つ、音響・振動計測に用いられるFFT アナライザは世界トップシェアを誇り、自動車や家電などの開発において、騒音や振動の低減に貢献しています。

掲載日 2012/01/27
掲載内容やご登場いただく方の役職は取材当時のものです。

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