導入事例

事例紹介 EM法を導入

事例詳細

テーマ 中堅社員の育成
対象 技術・技能職 / リーダー・監督者

ITサービスB社 人事・教育担当者H氏

■「EM法」の研修を導入されたときの経緯を教えてください。

当初はプロジェクトマネジャーの教育に力を入れたい、スキルアップさせたいという目的で、社内講師を育成したのち、中堅層に必須の教育という形で再スタートしました。今まで約1600名が受講しています。

■なぜEM法を選ばれたのでしょうか?

1つの問題解決の手法として、総合的で、あらゆる場面に対応できるという点ですね。問題解決技法というといろいろなものがありますが、総合的にあらゆる状況が網羅されている、汎用的であるという優位性がありました。そこで少しずつカリキュラムに入れていき、最終的には必須研修として本格導入したわけです。それに、PMBOK(ピンボック)に沿った流れがつくれるということも理由の1つです。

※PMBOK(ピンボック)・・・米国のプロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute:PMI)が提唱する、プロジェクトマネジメントのための知識体系。

■プロジェクトマネジャーの教育に力を入れた理由として、どんな問題意識があったのでしょうか?

「プロジェクトマネジメントはコアコンピタンスである」という位置づけが、社内では常にありました。プロジェクトマネジャーにとっては、技術ももちろん大事ですが、プロジェクトマネジメントをきちんとやっていけるかというところの価値が大きく問われます。しかし調べてみると、プロジェクトマネジメントをきちんとできる人が少ない、足りない。そういうわけで、プロジェクトマネジャーの教育体系は常に課題でした。EM法のように問題解決の考え方が体系的に整理されているものは、ありませんでしたね。

■実際に研修を実施された感想はいかがでしたか?

受講者の感想として、評価はかなり高いです。印象に残るのは、「目からウロコが落ちた」という声ですね。EM法は特別なものではなくて、もともと優秀な人の考え方を可視化したものです。ふだんから問題意識をもっている人は、EM法を学んだことで整理がつくんですね。ものの考え方が体系的に整理されてとてもよかったと言ってくれる人が多いです。また、問題解決の苦手な人にもなるほどという部分があるので、たとえばある特定のプロセスが使いやすいなどの意見をもらいます。フルスペックで使うだけではなくて、ここは使えるなとか、使えそうなところに自分なりにイメージを置いてくれているようです。アンケートの評価は全般的に高いですし、ポジティブに受け止めてくれる人が多いと感じています。

■実際に研修のトレーナーを行った立場としては、どういった印象をもちましたか?

やはり非常に熱心に受けてもらっているし、ディスカッションも積極的に取り組んでもらっています。トレーナーをやっていても非常におもしろい研修ですね。ふだんからものを書く習慣とか、考える習慣がある人は、考え方が体系的にどんどん整理されていくのが、見ていてわかります。逆に考える習慣のない人には、思考力を身につけるきっかけとして有効なのではないかと思っています。自分自身の日常の問題と連動させるコツをつかんで、日常的に自然に使ってほしいですね。

■EM法の効用を教えてください。

たとえばEM法のフレームの1つである「意思決定(DA)」で言えば、フォーマットそのものの使える場面は限られます。しかし大事なのは、ただフォーマットを埋めていくということではなく、「評価基準をもつ」ということなんです。評価基準ってなかなか書けないんですよ。なぜ書けないかというと、普段からものごとを掘り下げて考えていないとか、具体化していないからなんです。EM法のフォーマットを通して、ものごとを分解して考えたり、言葉として表現したり、基準をもったりする方法を学ぶことが大切なんです。やっぱり一番難しいのは、頭ではわかっていても実際に表現できないということ。EM法で考えるということは、その点すごく刺激になるんじゃないかと思います。

■今後に向けての課題を教えてください。

なるべく現場の生の課題をそのまま直接扱えるようなワークアウト、あるいはワークショップのようなものがうまく展開できればいいなと思います。

 それと、ケースにもっといろいろなものがあると、人によってはより実務とのつながりをつけやすいのかなと。パターンがたくさんあれば、自分にあったものや、すっと入っていけるものが見つかりますよね。それも全部研修のなかでやる必要はなくて、日常でトレーニングとして使えて、それをあまり勉強と意識せずにできるようなものがあるといいですね。

プロフィール

掲載日 2012/01/27
掲載内容やご登場いただく方の役職は取材当時のものです。

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