調査・アンケート

イマドキ若手社員の仕事に対する意識調査2019
「努力はするが失敗怖い」「働く環境重視」企業の対応は?
新人の半数以上が「人生は充実しているが、100年時代は不安」

株式会社日本能率協会マネジメントセンター(代表取締役社長:張士洛、東京都中央区、以下JMAM[ジェイマム])は、2018~2019年に入社した新入社員404名、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員621名に対し、新入社員の意識と行動、指導者の指導と育成に関するアンケート調査を実施しました。このたび、調査結果内容を一部抜粋してお知らせします。

 第4次産業革命と人生100年時代の到来に加え、働き方や学び方の変化が加速しています。特に働き方や学び方の変化が今後一層求められる20代の若手社員に対して、企業は育成サポートが求められています。しかし、いまの若手社員は幼少時からインターネットに親しみ、不況やグローバル化による格差社会の経験から、バブル世代や氷河期世代とは異なる労働価値観を持っています。企業は若手社員をどのように育成していけば良いか、ヒントを探るため調査を実施しました。

調査概要(一部抜粋)

業務時間外は会社から関与されたくない
・新入社員の70.5%が「業務時間外はプライベートな時間なので会社から関与されたくない」と回答。
情報収集はデジタル、考えのまとめはアナログ
・仕事のアウトプットについて、新入社員の情報収集はデジタルを活用(67.3%)。
・考えをまとめたり深く物事を考える際にはノートなどに手書きをする傾向(62.9%)にあり、上司・先輩の54.4%よりも高い割合。
「人生は充実しているが、100年時代は不安」過半数
・新入社員の52.7%が「人生が充実している」と回答。
・一方、新入社員の55.0%が「人生100年時代に対する不安がある」と回答。上司・先輩では44.6%に留まり、新入社員と比べると10%以上の差がある。

調査概要

調査方法: インターネット調査
調査地域: 全国
有効回答: 2018~2019年に入社した新入社員404名、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員621名
調査期間: 2019年6月

調査結果(一部抜粋)

新人の実態

 新入社員へ仕事に対する意識を尋ねたところ、81.9%が「まだまだ一人前の社会人になるために努力が必要」と回答しました。一方、失敗については、新入社員の82.7%が「(仕事で)失敗したくない」と回答しました。新入社員は、社会人としての活躍に向けて努力を重ねていく意欲はありつつも、失敗は避けたいと思う傾向が他の世代より強いようです。

働く価値観※では環境を重視

 働く価値観をもとに仕事に求める条件を問う設問では、上司・先輩は「自分の能力が発揮できる」を仕事に求めているのに対し、新入社員は「仕事環境の心地よさ」に重きを置く傾向が見られました。また業務時間外への考えでは、新入社員の70%以上が「プライベートな時間は会社からあまり関与されたくない」と回答し、公私の区別を重視する様子がうかがえます。

情報収集はデジタル、考えのまとめにはアナログ

 仕事のアウトプットについて、新入社員の情報収集はデジタルを駆使する一方(67.3%)、考えをまとめたり深く物事を考える際にはノートなどに手書きをする傾向にあり(62.9%)、上司・先輩社員よりも高い割合となりました。情報収集には素早く欲しい情報へアクセスできるデジタルを駆使し、考えを深めたり明確化するには手書きというように、意識的に使い分けているようです。

人生は充実しているが、将来は不安

 今後の人生について、新入社員、上司・先輩ともに「人生が充実している」と過半数が回答しました。一方、人生100年時代に対する不安は、新入社員の55.0%が「YES(ある)」と回答しましたが、上司・先輩は44.6%に留まり、両者の間で10%以上のギャップがありました。新入社員は人生が充実している実感はあるものの、今後の社会変化にともない自分の将来に漠然とした不安を感じているようです。

総括

調査結果から、新入社員は人生は充実しつつも将来には不安を感じており、仕事面では努力はするが失敗を恐れ、働く環境を重視する結果となりました。また、デジタルとアナログを効率的にツールを活用している点も特徴です。新入社員に向けた適切な育成アプローチには、以下のポイントが重要です。

●「入社後のありたい姿」「具体的な仕事のイメージ」の意識づけをする
イマドキの新人は「安定志向で正解にはまっすぐ突き進む」「褒められる、期待されると頑張れる」という気質を持っています。 ゴールに向かって進むことができるので、「入社後のありたい姿」「具体的な仕事のイメージ」の意識づけを通して、成長意欲が高まると推察されます。一方、「自分らしさを大切にしつつ、効率的に期待に応えたい」とも思っており、それにそぐわない課題には真剣に向き合わない傾向があることも注意が必要です。

●ゴールに導くための仕組みを提供する
「自分らしさを大切にしつつ、効率的に期待に応えたい」と思い、「ゴールが見えるとそれに向かって自分で努力して進むことができる」ことを鑑みると、従来のような一律の教育支援では成長意欲や能力向上にはバラつきが生じてしまいます。彼らの成長意欲や能力を高めるためには、ゴールを意識させながらそこに導くための新しい仕組みを提供していくことが重要です。そのためにも、対話などを通じて、新人・指導者双方がお互いの価値観や成長の方向性を共有・理解・共感する機会や場を設けることが求められます。

※ その他提言や調査結果の詳細は下記お問合わせ先までご連絡下さい。

● あなたの理解度は?若手の本音を探る「はたらく若者検定」

このたびJMAMでは、若手社員に対する理解度や適切な対応法をチェックできるWEBサイト「はたらく若者検定」を9/24(火)にオープンしました。
また、同サイトでは2,000本以上の人事トレンドや事例が閲覧でき、人材開発に役立つ豊富なサービスを提供する会員組織「J.H.倶楽部」への登録をすることもできます。
http://shrm.jp/dir/wakamonokentei.html

今後もJMAMでは若手人材の育成をはじめ、企業の人材育成を総合的に支援してまいります。

JMAMについて

日本能率協会(JMA)グループの中核企業として1991年に設立されました。通信教育・研修・アセスメント・eラーニングを柱とした人材育成支援事業、能率手帳の新生ブランド『NOLTY』や『PAGEM』を代表とする手帳事業、ビジネス書籍の発行を中心とした出版事業を通じて、「成長したいと願うすべての人」を支援し続けていきます。
http://www.jmam.co.jp

本件に関するお問合せ先

【報道関係 お問合せ先】
株式会社日本能率協会マネジメントセンター 広報担当
E-mail: PR@jmam.co.jp

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