導入事例

旭化成ケミカルズ株式会社

事例詳細

テーマ ものづくり人材育成
対象 技術・技能職 / 新人・若手社員 / 中堅社員

旭化成ケミカルズ株式会社

「化学で未来を創る」をテーマに、優れた技術と独自の発想で社会に貢献する旭化成ケミカルズ株式会社。同社の企業内学校AOA(Asahi Operation Academy)では、体験型の研修に『eラーニングライブラリ®』を連動させて、“設備に強いオペレータ”を育成しています。今回、岡山県倉敷市の同社・水島製造所で、AOAグループリーダーの三宅幹雄氏、インストラクターの小嶋浩一氏、運用担当の森山一美氏に、『eラーニングライブラリ®』(以下、ライブラリ)の活用法についてお話を伺いました。

オペレータの技術・技能を育むAOA

貴社が求める人財像についてお聞かせください。

三宅氏:旭化成グループは、人財理念として「挑戦し、変化し続ける」「誠実に、責任感を持って行動する」「多様性を尊重する」社員を求めています。当社では、そうした人財を育成するために、階層別労務研修、保安安全研修、生産技術研修、研究部門研修等を実施しています。その中で、生産技術に特化して研修を行っているのがAOA です。石油化学は装置産業であり、安全で安定した運転を行えるようオペレータの技術・技能訓練が欠かせません。そのため全国に3ヶ所ある技術研修所で30 年以上継続して研修を行っており、その一つがAOA です。

AOA では、『ライブラリ』をどのように活用しているのでしょうか?

三宅氏:AOA のプログラムは、機械や計装等の原理・原則を理解した“設備に強いオペレータ”を育むものと、シミュレータを活用して制御や反応等の“変化に強いオペレータ”を育成するものに大別されます。そのうち、“設備に強いオペレータ”の予習・復習教材として、『ライブラリ』を活用しています。

研修前後の予習・復習に『eラーニングライブラリ®』を活用

具体的には『ライブラリ』をどのように使っていますか?

小嶋氏:例えば、バルブの研修では無理締めによる破壊等を体験的に学ぶのですが、事前に『ライブラリ』の「バルブコース」で構造等の基本を予習してもらいます。研修後は、修了試験に向けて、改めて復習してもらうという使い方です。

三宅氏:AOA の研修や修了試験は、受講者本人が上長と相談して時期を選択します。本当に学びたいと思う時に、きちんと学ぶことができる環境が重要なのです。予習~研修~復習という流れの中で、『ライブラリ』の“期間中は何度も学ぶことができる”メリットを活用しています。

そもそも、e ラーニングを導入した経緯は?

三宅氏:団塊の世代の一斉退職の問題から大量に採用した新卒者を、早期に育成することが目的でした。特に若年者の苦手項目の克服や、学習習慣の醸成といったボトムアップが狙いです。

 また、従来から活用している技術系CAI 教材は職場利用のみでしたが、ライブラリは自宅でも利用できることに加え、コスト面でのメリットや、受講状況を運用側がしっかり確認できる点が決め手になりました。無料のWeb技術教育サイトもあるのですが、受講途中の管理ができないのです。

AOA の受講者数は何名ですか?

三宅氏:国内技術研修所3 ヶ所合計で年間5,100 名が研修を受講しています。

『ライブラリ』は、2010 年に200ID を導入したのですが、それでは足りず、 さらに100ID を追加しました。今後も受講状況を確認しながら、拡大していきたいと考えています。

受講管理機能をフル活用

運用上、気をつけていることはありますか?

森山氏:アナウンスのタイミングを大切にしています。特に必修コースは就業時間中の学習が原則なので、余裕を持って告知する必要があります。予習内容については「研修の1ヶ月前」をメドに告知し、反対に復習内容は忘れないよう、研修後、すぐに告知するよう心がけています。もう一つ運用上の工夫としては、受講者が学習にすぐに取り組めるよう『操作マニュアル』を独自に作成し、手軽に学習に取り組めるよう配慮しています。

小嶋氏:インストラクターの立場からも、受講者へのフォローを行っています。研修中にあえて「ここはe ラーニングにも出ていましたね」と問いかけながら、予習してきた受講者を指名して答えてもらい、他の受講者に「自分もe ラーニングで学習しておかないとマズイ」という感覚を与えられるようにしています。受講状況を事前に確認しておけば誰が予習をしているかが一目瞭然ですので、こうしたこともできるのです。eラーニングをしっかり学習している人は、全員が修了試験に合格しています。

受講者の反応は?

小嶋氏:自宅で学習できるのがよいという声も多いですね。

三宅氏:実物ではわかりにくいところもイラストやアニメーションでは色分けされているので、非常にわかりやすいようです。

受講者の上長や職場の人の巻き込みはどのように行っていますか?

小嶋氏:研修の結果を上長にフィードバックして研修後のフォローをお願いしています。例えば、受講者が修了試験を受験する前にeラーニングで全く学習していないようだということも、受講状況を見ればわかるわけです。そうした時には、上長からもっと学びを深めるよう促してもらっています。

今後の課題についてお聞かせください。

森山氏:上長自身にもe ラーニングを活用してもらうための働きかけをしていきたいですね。担当者としては、“私も登録して欲しい”という志願者が増えるよう『ライブラリ』の良さを職場に浸透させていきたいです。

三宅氏:各人の能力に応じ、マイペースで業務に必要な研鑽ができて、その学びが業績につながり評価される──その喜びを一人でも多くの人に味わって欲しいと思っています。

ありがとうございました。

プロフィール


会社名 旭化成ケミカルズ株式会社
主要事業 2003年設立。旭化成グループの化学部門事業会社として、有機・無機工業製品、合成樹脂、合成ゴム等の製造及び販売を行う。連結売上高7,422億円(2010年度)、従業員数 約5,400 人(2011年4月1日現在、所管の関係会社等への出向者数を含む)。

掲載日 2011/08/19
掲載内容やご登場いただく方の役職は取材当時のものです。

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