導入事例

関西熱化学株式会社

事例詳細

テーマ ものづくり人材育成
対象 技術・技能職 / 新人・若手社員 / 中堅社員

関西熱化学株式会社

コークス製造を柱に、世界トップレベルの技術とノウハウを駆使して鉄鋼業の発展を支える関西熱化学株式会社。同社では若手人財の教育を体系化し、技能部門の入社後4年間を基礎教育と位置付けて、複数年計画で『eラーニングライブラリ®』(以下、ライブラリ)を活用しています。
今回、同社の加古川工場で、総務部の皆様にライブラリの活用法についてお話しを伺いました。

e ラーニングで原理原則を学ぶ

貴社が求める人財像についてお聞かせください。

佐藤氏:当社では、『Think11』という“自ら気づき・考え・自ら行動する人と風土づくり”を人財理念とし、人づくり、組織づくりを行っています。当社の人財には、現場で起きる事象に対して、網羅的にその影響を正しく予測し、迅速に適切な対応ができる、強い現場力が求められています。

若手人財の育成を体系化された背景を教えてください。

佐藤氏:入社10 年未満の社員が半数近くになり、若手社員が増えている中で、現場で仕事を教える中堅~ベテラン社員が多忙のため、その役割を十分果たせなくなっていました。また、かつては先輩達が標準を作るところから取り組んでいましたが、今の若手社員は標準を守るところが出発点になっているため、“なぜ?”という視点が足りません。そこで、研修センターでは「なぜ」を感じるための研修をして仕事に臨んでもらい、仕事の場で感じた「なぜ」をもって研修に臨んでもらう仕組みを繰り返すようにしました。

教育体系について教えてください。

佐藤氏:入社からの4年間を基礎教育期間と位置付け、4年間で約200 時間をかけて、徹底して基本を学んでもらいます。研修は、教育チームによる基礎教育のOff-JTである「B(Basic)研修」と、各部署主導のOJT を中心とした「E(Expert)研修」の2本立てで行います。

ライブラリはB 研修で活用されているのですね。

佐藤氏:はい。B 研修は、研修センターで5日間、仕事に必要なあらゆる基本を学び、最後に理解度を確認する修了試験で最低60 点以上かつ平均75 点以上を取る必要があります。研修内容は1年目、2年目と年次によって違いますが、例えば1年目は、電気災害、爆発火災等の安全知識、ボルトナット、電気の基礎等を学んでいきます。2年目はヒューマンエラー、ポンプの原理などです。研修センター内に講師・受講者用のPCを複数配備し、ライブラリを活用しています。

集合研修の場で一斉に受講

具体的な活用方法を教えてください。

佐藤氏:まずは1年目の初日に、「e ラーニングの使い方」の講義から始めます。

ただe ラーニングを導入したから使いなさいと言っても、なかなか使いこなせませんから、こうしたことも大事だと考えています。5日間の研修プログラム中、e ラーニングを使用するプログラムが多数あります。最初は、講師が見せていたのですが眠くなることもあるようなので、各受講者がイヤフォンをつけて該当部分を制限時間内に各自のペースで受講させるようにしました。その後、講師がポイントを解説することで理解を深めるようにしています。

ライブラリで予習して集合研修で知識を確認という使い方はよくありますが、集合研修の場で各自が一斉にライブラリを受講するというのは珍しいですね。

河原氏:そうですね。当社の場合、職場でPC を使いやすい部署とそうでない部署があるため、個別に学習してもらうのが難しいという事情もあります。それなら、部署を横断した集合研修の形で集まってもらい、その場で学習してもらうのがよいという考えです。

受講者の方々のライブラリの評判はいかがですか。

佐藤氏:やはり絵や動画でみることができるので、分りやすいようです。文章から知識を得るよりも簡単ですし、習得が早いですね。

講師の方はどのように活用していらっしゃいますか。

松川氏:まず初めに自分で受講して、難しい言葉や受講者が分りにくそうな個所はないか、チェックします。プログラムによって講師は変わるのですが、ライブラリを使うことで講義内容やレベル感を平準化できるところがよいですね。

ライブラリを導入した側としては、いかがでしょう。

佐藤氏:これだけ多くのコースを使えて、値段も手ごろなところがとてもよいと思っています。e ラーニングにも色々ありますが、JMAM のライブラリは基本的なところから始まって、学習が進むにつれて少しずつ高度になっていくところやレベルが高過ぎず低過ぎず、流れがよいですね。何よりの決め手は教材が系統的であることです。

学習する風土を醸成

今後はライブラリをどのように活用していくのでしょうか。

佐藤氏:この4年間の教育プログラムは、まだ始まって2年ですから、これから3年目、4年目のプログラムへと進んでいきます。その中で、伝熱、バルブなどライブラリを活用していく予定です。

江島氏:将来的には、生産現場でのマネジメントも課題ですから、マネジメント系のライブラリの活用も検討してみたいですね。

松川氏:ここにきて、4年目以上の社員が焦ってきているようです。年次が下の社員が体系的に勉強するようになって、質問をされたときに自分達はちゃんと答えられるのかということですね。中には自分にもライブラリを見せてくれと言っている者もいるようです。

佐藤氏:若手を育成することで、組織全体が学ぼうという風土になってきています。今後も継続して、ライブラリをうまく活用していきたいと思います。

ありがとうございました。

プロフィール


会社名 関西熱化学株式会社 加古川工場
URL http://www.tkcc.co.jp/
主要事業 1956 年、当時の三菱化成工業(現、三菱化学)、神戸製鋼所、尼崎製鉄の3社共同出資により設立。その後大阪ガスが資本参加。以来、石炭を高効 率に利用する「コークス製造技術」を核に、産業と社会に貢献し続けている。売上高1,021 億円(2011 年3月期)、従業員数382 名(2011 年3月末現在)

掲載日 2012/01/27
掲載内容やご登場いただく方の役職は取材当時のものです。

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