導入事例

社員の能力開発や学ぶ風土づくりに
積極的に取り組む企業を取材しました

ダイトエレクトロン株式会社

アセスメントセンターを昇格審査に導入し、育成にも活用する

電子部品、電子機器、半導体製造装置や検査装置等を扱うダイトエレクトロン株式会社。 元々は商社としてスタート、現在はグループ製造会社によるメーカー機能も有し、グループ全体で製販一体のビジネスモデルをグローバル規模で展開している。 同社は、管理職昇格の判定材料としてJMAMアセスメントセンターを導入。その経緯や活用法について、同社人事担当の髙木・星名両氏にお話を伺った。

管理本部 人事部長
髙木 正浩 氏
管理本部 人事部 専門係長
星名 孝一 氏
ダイトエレクトロン株式会社
会社名
ダイトエレクトロン株式会社
URL
http://www.daitron.co.jp/
プロフィール
設立 1952年6月24日
本社所在地 大阪市淀川区宮原4-6-11
代表者 前 績行
資本金 22億70万円
主要事業 電子部品&アセンブリ商品、半導体、エンベデッドシステム、電源機器、画像関連機器・部品、情報システム、光デバイス製造装置、LSI製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置、電子材料製造装置、エネルギーデバイス製造装置等の販売 上記製品の輸出入業務

人事制度の見直しを実施

最先端のエレクトロニクス製品を扱うダイトエレクトロンでは、自ら学び挑戦するベンチャー・スピリッツを企業文化として大切にしている。同社が求める人材像も、ベンチャー・スピリッツに溢れる人材だ。このことについて、星名孝一氏は次のように述べる。
「当社が求めているのは、好奇心旺盛で、バイタリティに溢れる人材です。当社の社員には高い専門能力が欠かせませんから、自ら積極的に学ぶ姿勢が必要です。会社としても内定者向けの通信教育からベテラン社員向けの集合研修まで、階層別に教育プログラムを用意し、社員の専門能力向上を支援しています」
同社は2012年、社員のモチベーション向上を狙って、人事制度の改革に着手した。昇進・昇格に関する基準を明確にして、「頑張れば上にいける」という意欲を社員に持たせ、同時に処遇に関するミスマッチをなくすことが狙いだ。
今回の人事制度改革の目玉の一つが、同社のCグレード社員(課長職)の処遇だ。Cグレード社員は、全社員の約5割と社員構成上のボリュームゾーンを占める。給与体系を職能給から成果を反映した年棒制に変更して、モチベーションアップを狙った。また一方で、降格制度も新たに導入した。
このCグレードの昇格にあたって、従来の論文、筆記試験、面接の社内での評価だけでなく、外部の客観的な評価としてJMAMのアセスメントセンターを導入した。管理職として必要なマネジメントスキルをどれだけ備えているのかを演習を通して総合的に評価していこうという考えからだ。

昇格審査は1年かけて行う育成の機会と捉える

同社のCグレード昇格の年間スケジュールを見てみよう(表参照)。
5月の昇格候補者の決定から12月の昇格試験まで、課題図書・Cグレード候補者研修・360度評価研修・論文提出・研修事後課題提出など、さまざまな気づきの場を同社では用意している。その上で、昇格試験と面接を経て、3月に昇格者が決まる。同社ではこの期間を“1年かけて行う育成の機会”と捉えているのだ。
育成期間に行っている「Cグレード候補者研修」でJMAMのアセスメントセンターを利用している。アセスメントセンター・プログラムを提供する企業の中から、JMAM を選んだ理由について、髙木正浩氏は次のように述べる。
「当社の昇格運営の年間スケジュールに合わせた柔軟なプログラム内容を提案していただき、それが昇格審査だけでなく、育成にも活用できる内容だったので決定しました。また、継続して利用するためにも費用の面も重要でした」

アセスメントセンターを評価と育成に活かす工夫

「Cグレード候補者研修」(プログラム参照)は、アセスメントセンターのいろいろな演習が3日間の中で組み込まれている。アセスメントセンターとは、管理者が遭遇する職務場面のシミュレーションをさせて、そこから管理職のマネジメントスキルを測定するものである。通常は、評価のためだけにアセスメントを実施することが多いが、同社では、まず講義やトレーニングで管理者としての意識づけを行った上でアセスメントを受けさせている。
また、アセスメント実施後に自らの体験を振り返ることで、管理者としての自分の現状スキルについて、さらに理解を深めている。
「自分の強み・弱みがわかり、自己を見直すことができたと受講者にも好評でした」と星名氏はいう。
髙木氏も「私も初めての研修なので同席しましたが、受講者にあらかじめ部下を育成する疑似体験を行ってもらい、たとえ研修では失敗したとしても、昇格前に事前の準備をしてもらえたことはとても良かったと思っています」とその効果を評価する。
さらに、研修後には、アセスメントからの気づきをもとに3カ月に渡って取り組む職場実践計画を作成し、それを「研修事後課題」として上司のコメントを得てから人事部に提出するしくみを作っている。こうした地道な取り組みにも、アセスメントを育成にも活用していくという同社の積極的な姿勢が伺える。
「アセスメントセンターは、当初の目的どおり昇格審査の評価の一つとして活用できますし、管理職として必要な能力を具体的に本人に理解してもらうこともできました」(星名氏)という。
「アセスメント結果から一般企業の平均レベルとの比較ができ、当社の課題もわかりましたので、今後のフォロー研修も含めた新たな教育施策や他のグレードへの展開にも活かしていきたいです。また、昇格者は周囲も期待しているので、さらに上のグレードを目指して能力を発揮してもらいたいですね」と髙木氏は今後の抱負を語る。
お客様ニーズの一歩先の価値を創造し、提供するダイトエレクトロン、その中核を担う管理職の活躍に期待される。
※掲載内容やご登場いただいた方の役職は取材当時のものです

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