- 対象: 全社向け
- テーマ: マネジメント
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プロジェクトマネジメントとは?必要なスキルと優秀なPMを育てる方法を紹介

プロジェクトマネジメントは、限られたリソースを最大限活用し、目標達成に向けて体系的にプロジェクトを管理する手法です。現在、特に注目されているのがDX推進プロジェクトにおけるプロジェクトマネジメントの活用です。
今回は、プロジェクトマネジメントの基本概念から、優秀なPM(プロジェクトマネジャー)に求められるスキル、そして実践的な育成方法まで詳しく解説します。
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プロジェクトマネジメントとは?
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトの目標達成へ向けて、綿密な計画のもと限られたリソースを最大限活用する手法です。
具体的には、スコープ・時間・コスト・品質・リスクなどの要素を統合的に管理し、プロジェクトを成功に導くための体系的なアプローチを指します。
プロジェクトマネジメントの核心は、「何を」「いつまでに」「どのように」実現するかを明確にし、適切なプロセスを設計し、実行することです。
スケジュール遅延やコスト超過といった問題を未然に防ぎ、ステークホルダー(利害関係者)の抵抗感を軽減しながらプロジェクトを推進する力が求められます。
プロジェクトマネジメントの重要性が高まっている理由
DX推進やAI、クラウド技術の活用が企業戦略に欠かせなくなっている現代社会では、プロジェクトマネジメントの重要性がより一層高まっています。
特にDX推進プロジェクトでは、新技術の導入、業務プロセスの再構築、組織文化の変革など、複数の要素が複雑に絡み合います。さらに、課題探索、解決策の提案、経営層の説得、他部門との協力など、広範囲にわたる活動を統合的に管理する必要があります。
このような活動を進めるには、限られたリソースや既存システム、ステークホルダーとの調整など、多くの要素をバランスさせながら進行管理しなければなりません。
そのため、これらの要素を体系的に管理するプロジェクトマネジメントの手法と実践が、現代のビジネス環境では必須となっているのです。
ここからは、DX推進をテーマとして、PM(プロジェクトマネジャー)に求められるスキルや実践方法を説明していきます。
優秀なPMに求められるプロジェクトマネジメントスキル
プロジェクトマネジメントの基本は、QCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)を確実に守ることです。
しかし、DX推進プロジェクトのような複雑なプロジェクトを成功に導くには、QCD管理だけでなく、目標達成に至るまでのプロセス全体を調整する総合的な能力が不可欠となります。
これらの能力は、1987年にアメリカの非営利団体PMIによってPMBOK(Project Management Body of Knowledge:ピンボック)として体系化されました。
PMBOKではプロジェクトマネジメントを10の管理エリアと5つのプロセスに分けて整理しています。これをもとに、プロジェクトマネジメントに求められるスキルを7つに分けて紹介します。
コミュニケーションスキル
PMには、異なる職種や部署のメンバーが効果的に共同作業できるよう、コミュニケーションを通じてチーム全体をまとめる役割があります。
多様なステークホルダーと円滑なコミュニケーションをとるには、相手の立場を理解した上で適切な情報共有と説明を行うことが特に重要です。
マネジメントスキル
マネジメントスキルは、目標達成に向けて、予算管理、品質管理、人材配置、リスク管理などを統合的に行う管理スキルです。
限られた予算とリソースの中で最大の成果を上げるには、これらの要素をバランス良く管理する能力が求められます。
ディレクションスキル
ディレクションスキルは、プロジェクトの目標達成に向けて、メンバーや関係者を適切にリードするスキルです。
タスクの優先順位付け、スケジュール管理、リソースの最適配分などを通じて、プロジェクトを成功に導く指導力が求められます。
また、現場の実務をサポートする場面もあるため、技術的な実務スキルも併せ持つことが重要です。
課題発見・解決力
DXプロジェクトでは予期しない課題が頻繁に発生します。
そのため、問題の根本原因を迅速に特定し、効果的な解決策を見つける能力が不可欠です。
さらに重要なのは、問題が顕在化する前に潜在的なリスクを察知し、事前に対策を講じる予防的な思考力です。これにより、プロジェクトの安定した進行を確保できます。
代表的な手法に関する知識
効率的なプロジェクト管理には、CCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)、WBS(作業分解構造)、PERT(プログラム評価・レビュー技法)、PPM(プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント)などに関する知識が必要です。
- CCPM:
リソースの制約を考慮してプロジェクトのスケジュールを最適化する手法。作業時間にバッファを設けることで、遅延リスクを軽減します。 - WBS:
プロジェクト全体を階層的に小規模なタスクに分解し、管理しやすくする手法。作業の漏れや重複を防ぎ、進捗管理を効率化します。 - PERT:
作業の依存関係を図式化し、最短完了時間とクリティカルパスを特定する手法。スケジュール管理と遅延要因の把握に活用されます。 - PPM:
複数のプロジェクトを統合的に管理し、企業戦略に沿って優先順位付けや資源配分を行う経営手法です。
これらの手法を適切に活用することで、プロジェクトの可視化と効率的な管理が可能になります。
開発に関する知識
プロジェクトマネジメントを効果的に行うには、システム開発やデジタル技術に関する基本的な知識が不可欠です。
開発プロセスや技術的制約を理解していないと、適切な工数見積もりや問題の予測ができません。
特にDX推進では、新技術の導入に伴う技術的課題を理解し、適切な判断を下すための知識が求められます。
経営に関する知識
PMには、プロジェクトが企業に与える損益への責任があります。
ステークホルダーに対してROIや事業インパクトを説明する際には、財務諸表の読み方や投資対効果の算出方法など、経営に関する基本的な知識が必要です。
DX推進プロジェクトでは特に、デジタル投資の効果を経営陣に説明する機会が多いため、この知識は極めて重要となります。
実践的なプロジェクトマネジメントスキルを身につける方法
プロジェクトマネジメントのスキルを実践的に身につけるためには、専門的な方法を取り入れることが重要です。
その具体的なスキルを習得する有効な方法を紹介します。
研修を実施する
プロジェクトマネジメントのスキルを効率的に学ぶためには、研修が有効です。
研修を通じて、理論と実践を組み合わせて学ぶことで、現場で役立つ知識を得られます。
JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)では、初学者から既存のプロジェクトリーダーまで、IT・DXプロジェクトを成功させるためのスキルを習得するための研修プログラムをご提供しています。
研修の概要や期待できる成果について知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
マネジメントスキルを体系的に学べるeラーニング「マネジメント・ビュッフェ」もおすすめです。
資格取得を推奨する
プロジェクトマネジメントの知識を体系的に学ぶためには、資格取得を推奨することも効果的です。
資格取得は、実務において必要な知識を深め、信頼性を高めるための手段です。
代表的な資格として、プロジェクトマネージャー試験やPMP(Project Management Professional)試験などがあります。
これらの資格は、グローバルに通用するプロジェクトマネジメントの知識を証明でき、実務にも直接役立てることができます。
まとめ
DX推進プロジェクトにおいて、スケジュール遅延やコスト超過を解決し、組織の抵抗感を軽減するためには、体系的なプロジェクトマネジメントスキルの習得が不可欠です。
特に、ITシステムの開発・導入を外部委託する場合でも、プロジェクトのゴール設定や方向性の決定は発注者側の重要な役割となります。
そのため、技術的なプロジェクト管理手法だけでなく、コミュニケーション、リーダーシップ、戦略的思考といった総合的なマネジメント能力が求められます。
演習を通じて実践的なスキルを身につける育成計画を実行し、組織のデジタル変革を成功に導くPMを育てましょう。
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JMAMでは、DX推進プロジェクトを成功に導くための実践的な研修を提供しています。
この研修では、IT・DXプロジェクトにおけるプロジェクトマネジメントの知識とスキルを、実践的なワークを通して習得できます。
特に演習部分では、プロジェクトの企画から完了までの全体像を順を追って体験することで、理論的な理解にとどまらず、実際の現場で活用できる実践力を身につけることが可能です。
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