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  • 対象: 新人/若手
  • テーマ: 研修/教育
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新人研修の目的とは?実施の流れやポイントも解説!

新人研修の目的とは?実施の流れやポイントも解説!

多くの企業が実施する新人研修ですが、期待した成果が得られなかったり、費用対効果が悪かったりとお悩みの担当者の方もいるのではないでしょうか。

新人研修を通して新入社員のモチベーションを高め、自社に愛着をもってもらうには、研修をどのように設計するかが重要です。

本記事では、新人研修の目的や内容、流れ、ポイントなどについて詳しく解説します。

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新人研修の目的

新人研修の目的は新卒社員研修と中途社員研修で異なります。それぞれの目的について詳しく見ていきましょう。

新卒社員:社会人としての意識の醸成・基礎スキルの習得

新卒の新入社員は社会人としての経験が不足しており、中途社員よりも幅広い教育が必要です。

主な目的は、社会人としての役割への理解とビジネスの基礎知識の習得に加え、自己成長できるように意識改革を行うことです。

また昨今の変化の激しい時代における新入社員の育成は、「自律性を高める」ことがテーマになります。

急速に変化する環境下では、新入社員にも「チームや経験から学ぶ自律的な意識と行動の体得」が求められます。

新人の自律性を高めるための教育を含めた、段階的かつ継続的な成長支援が重要です。

中途社員:自社への理解促進・人間関係の構築

中途社員を対象とした新人研修では、企業独自の理念や業務知識の理解と、新しい人間関係の構築に焦点を当てます。

すでに基本的なビジネススキルを身に付けている中途社員ですが、具体的にどのような知識・経験・スキルがあるかは人によって異なります。

社員別にオーダーメイドの研修を実施することが重要です。

新人研修を実施するまでの流れ

新人研修のカリキュラムを設計する際は、人材要件を設定し、参加者のスキルレベルに応じて内容を決定します。

新人研修を実施するまでの流れについて詳しくみていきましょう。

1:人材要件を設定する

組織の長期的な戦略に基づき、この先何年にもわたり活躍できる人材を育成するためにはどのようなスキルやマインドが必要なのかを考えます。

組織が求める階層ごとに必要な能力やマインドを整理し、明確にしましょう。

たとえば、コミュニケーション能力やリーダーシップスキル、組織への貢献度を高めるための専門知識などが挙げられます。

下記の資料では若手社員の成長課題についてまとめています。人材要件を決定する際の参考にしてみてください。

2:受講者の現状を把握する

受講者の現状を正確に把握するために、新入社員のスキルや知識、経験などをヒアリングします。

新入社員によってスタートラインは異なるため、それぞれに適した研修カリキュラムを考えていきましょう。

次に、新入社員が期待されているスキルについて、現場の上司や先輩社員からヒアリングを行います。

期待する人物像と実際のスキルや経験には差があることが通常です。研修でなるべく期待値と実際値の差を小さくしたうえで、業務を開始することを目標にしていきましょう。

3:新人研修の手法を決定する

新人研修にはさまざまな手法があります。下記はその一例です。

  • 座学
  • ロールプレイング
  • ケーススタディ
  • レクリエーション
  • eラーニング

各手法のメリットとデメリットを理解し、研修の効果を最大化する組み合わせを検討しましょう。

たとえば座学は理論的な知識の習得に適していますが、実践的なスキルやチームワークの向上にはロールプレイングやケーススタディが有効です。

また、大規模な企業で一堂に会することが難しい場合は、eラーニングを取り入れることで教育の質を均一化できます。

研修を自社で実施するか外部委託するかも検討しましょう。リソースや教育担当者のスキルが不足している場合は、外部の専門機関に委託することで質の高い研修を実施できます。

4:カリキュラム・スケジュールを作成する

新入社員研修の成功には、計画的で効果的なカリキュラムとスケジュールの策定が必要です。

研修期間や手法が確定した後、カリキュラムを作成します。研修の目的に基づいて、どのスキルや知識をどのタイミングで教えるかを明確に定めましょう。

インプットだけでなくアウトプットも意識した内容にすることがポイントです。

実際のカリキュラム例は、記事後半で紹介しています。

5:研修の実施

新人研修は、あらかじめ作成したカリキュラムに基づいて進行します。

受講者が内容を理解しているか確認しながら進めましょう。質疑応答の時間を設け、理解しないまま次のカリキュラムへ進む事態を防ぐことが大切です。

6:効果測定・報告書の作成

新入社員研修が終了したら、研修の効果を測定して結果を報告書にまとめましょう。

効果測定では受講者のスキル向上や理解度を評価します。

実績や成果物などから研修の達成度を測定したり、アンケート調査を通して受講者の満足度や改善点を把握したりしましょう。

報告書には、効果測定の結果やアンケートの集計をまとめます。

具体的な数値や受講者の意見、感想を取り入れつつ、研修の成功点や改善すべき点を洗い出します。

報告書は今後の新人研修においても役立つ情報です。紛失を避けるためにデータでクラウドサーバーなどに保存しておきましょう。

なおeラーニングの場合は、システム上で学習状況やアンケート結果を効率的に集計できます。報告書の提出まで完了できるシステムもあるため、研修の管理を効率化したい企業様におすすめです。

新人研修のカリキュラム例

日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)では、新人・若手社員教育において「自律的な意識と行動を促す」ことを重視しています。

多様な働き方や勤務形態が一般的となっている現代において、自らキャリアビジョンを描いて経験から学び、自走する力を身に付けることは非常に重要です。

新人研修のカリキュラムでは、個々の強みや興味を自身で把握し、それを活かしたキャリア戦略を考えるためのトレーニングを取り入れています。

ここでは、日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が提供している新人研修のカリキュラム例を紹介します。

キャリアスコープ(研修)

若手・中堅社員(入社3年目程度)のキャリア自律を支援する研修プログラムです。

研修のねらいは、下記の通りです。

  • 自分の選択に責任をもち、自らキャリア開発を志向する自律意識を醸成すること
  • 現在の職務遂行上の能力と志向を把握して自己理解(気づき)を深め、可能性を広げながら今後のキャリア開発の方向を考えること

企業内教育の支援実績30年以上の日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が企業の「キャリア自律人材」の育成を支援します。

具体的なカリキュラムは以下の通りです。

事前課題 ・「NAVI360」(※1)(上司・同僚・後輩)の回答
・「TAS診断」(※2)の回答
・上司インタビューの実施
1日目 ・オリエンテーション
・導入
・若手・中堅社員のキャリア開発のポイント
・自己の特徴の把握 ~フィードバックセッション~ 「NAVI360」「TAS診断」
・入社時からの棚卸
2日目 ・1日目の振り返り
・自己パラダイムの研究
・今後のキャリアのために
・目標設定
・まとめ

※1 NAVI360…本人および周囲(上司、同僚・後輩)からの情報をもとに客観的に評価する多面診断のこと
※2 TAS診断…TA(交流分析)理論を応用して開発した適性診断のこと

インフォーマル・リーダーシップ研修

自ら課題を設定し、メンバーと協力しながらプロジェクトをリードするマインドと行動力を身につける研修です。

理想の職場像や大切にしたいワークポリシーを自身の言葉で表現することで、当事者意識を高めます。

プログラムは2日間にわたり実施します。

事前課題 ・上位方針(提示されている上位方針を持参する)
・上司からの期待(上司からの期待をヒアリングする)
・調査事例の精読
1日目 ■オリエンテーション
■理想表現(自職場)
・バックキャスティングとフォアキャスティング
・未来の社会変化をとらえる
・3年後の自職場のありたい状態を思い描く
■理想表現(自分)
・自身のモチベーションの源泉理解
・ワークポリシーの設定
・コミットしたいテーマの決定
2日目 ■課題探究
・デザイン思考とは
・体験!デザイン思考
・内なるニーズの見極め
・解決アイデアを素早く可視化する
■信頼構築
・信頼を高める行動、損ねる行動
■連携開拓
・イノベーティブな課題解決プロセス
・診断による自己プロフィール分析と他者理解
・ロールプレイ(他者への有効な働きかけ)
■まとめ

新人研修のポイント・注意点

新人研修においては、以下のポイントと注意点を押さえましょう。

アウトプット(実践)を意識した内容にする

新入社員研修では、単なる知識の獲得だけでなく、実践的なアウトプットを重視することが大切です。

現場の声を取り入れ、実際の業務に通ずるカリキュラムを組みましょう。

ロールプレイングやケーススタディを実施し、学んだ知識やスキルを現場で活用できるように促します。

コミュニケーションの機会を設ける

研修カリキュラムの中でコミュニケーションの機会を設けましょう。

新入社員は同期や先輩社員との信頼関係が業務効率やモチベーションに大きく影響します。

信頼関係が築けている心理的安全性の高い組織では、きめ細かな報連相やアイデアの創出が促されます。

新入社員研修でも先輩社員や同期との交流の機会を設けて、安心して働ける環境をつくることが大切です。

研修後のフォローアップを実施する

研修で学んだ知識やスキルを定着させ、実践に活かすためには、研修後のフォローアップが必要です。

エビングハウスの忘却曲線に基づくと、人は24時間以内に学んだ情報の70%を忘れるとされます。

研修後のアクションプランの作成や理解度テスト、アンケートを活用して、振り返りの時間を設けましょう。

まとめ

新人研修の内容次第で、業務をスムーズに開始できるかどうかが決まります。新卒社員と中途社員はスキルや経験が異なるため、それぞれに適したカリキュラムを組む必要があります。

今回解説した内容を参考に、効果的な新人研修を計画しましょう。

JMAMでは、日本能率協会設立時より80年以上の人材育成支援実績からの育成ノウハウをもとに、人が継続的に成長する支援をいたします。教育効果を高める科学的なアプローチによる体系的・実践的なプログラムで、「自ら育つ環境づくり」の構築をサポートいたします。

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