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- テーマ: 働き方
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社内コミュニケーションを促進する施策10選!失敗例から学ぶポイントも紹介

昨今のビジネス環境において、社内コミュニケーションの重要性は一層高まっています。活発なコミュニケーションは、業務効率の向上や情報共有の促進、イノベーションの創出、さらには離職率の低下にもつながる重要な要素です。
しかし、リモートワークの普及や業務の多様化により、従来の方法だけでは十分なコミュニケーションを確保することが難しくなってきています。
そこで今回は、効果的な社内コミュニケーションを実現するための具体的な施策と、その導入のポイントについて解説します。
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社内コミュニケーションが不足する主な原因
社内コミュニケーションを増やすには、現在の組織の状況について理解を深めることが大切です。
まずは、社内コミュニケーションが不足する主な原因を解説します。
部署ごとの縦割り意識が強い
それぞれの部署が独自のやり方を重視しすぎると、協力や連携が進みにくくなることがあり、必要な情報が伝わりづらくなる場合があります。
結果として、「自分たちの仕事だけやっていれば良い」という考えが広まり、コミュニケーションの機会が減ることがあるのです。
経営層や管理職が会社にいないことが多い
経営層や管理職との距離が遠いと、部下の会社方針や目標を理解しようとする気持ちが薄れることがあります。結果として、主体的な発言や行動が生まれず、組織全体のコミュニケーションの機会が減ってしまうでしょう。
また、自分の意見や悩みを経営層に伝える機会が少ないため、上からの指示に対してネガティブに捉えやすくなったり、「経営陣は現場のことをわかっていない」と感じたりする従業員が増える原因にもなります。
業務過多の状態が続いている
従業員が本人のキャパシティを超えた業務量を日頃抱えている状況では、コミュニケーションを取る機会が少なくなるばかりか、精神的な余裕もなくなってしまいます。
結果として信頼関係を構築できず、部下が上司に相談しづらい、上司が部下に指示しづらいなどの状況が生まれることがあります。
社内コミュニケーションを促進する重要性・メリット
社内コミュニケーションを促進することは、効果的な組織運営のための重要なポイントです。
具体的なメリットには、下記の4つがあげられます。
●業務効率化
従業員同士のコミュニケーションが円滑になることで、業務の進捗確認や調整がスムーズになります。無駄な手戻りやミスの減少にもつながります。
●情報・ナレッジ共有の活性化
コミュニケーションの機会が増えると、経験や知識を共有する機会も増えやすくなります。その結果、業務の属人化を防ぐことにつながり、組織全体のスキル向上も期待できます。
●アイデアやイノベーションの創出
部門や役職を超えたコミュニケーションが活発になると、多様な視点を尊重する意識が芽生えやすくなります。それにより、組織において新しいアイデアや革新的な取り組みが生まれやすくなります。
●離職率の低下
気軽にコミュニケーションできる組織文化が醸成されると、悩みや不満を気軽に相談しやすくなります。心理的安全性を高めることにもつながり、定着率の向上が期待できます。
社内コミュニケーションを促進する10の施策
社内コミュニケーションを促進する方法はいくつかあります。
下記で、実践しやすい10の施策を紹介します。
チャットツールや社内SNSの活用
チャットツールや社内SNSは、メールよりも気軽に情報を発信できるため、従業員同士の情報共有や意見交換をスムーズにしたい場合に有効です。
例えば、業務中に疑問が生じたとき、メールでは「件名」「本文」「署名」などを整える必要があり、送信のハードルが高くなりがちですが、チャットツールや社内SNSであれば簡単なメッセージを送るだけで済みます。
そのため、質問や困ったことをすぐに相談しやすくなり、問題解決のスピードが向上します。
また、業務に必要な情報や他部署の状況をリアルタイムで共有できるのも大きなメリットです。例えば、プロジェクトの進捗状況や社内のお知らせを共有することで、関係者全員が最新の情報を把握しやすくなるでしょう。
社内報の発行
社内報(または社内ポータル)は、会社から従業員に向けて発信する情報のことです。
社内報では、連絡事項や業務に関する重要な情報、会社のビジョン、他部署の活動内容などを発信することがおすすめです。
社内報を通じて、従業員は「この仕事はどのような目的があるのか」を理解しやすくなります。業務が会社全体の目標にどのように貢献しているのかを理解しやすくなり、業務に対する前向きな姿勢が育まれやすくなります。
また、他部署の情報を共有すれば、部署間での理解が進み、業務の連携がスムーズになります。
1on1ミーティングの実施
1on1ミーティングとは、上司と部下がマンツーマンで対話する個人面談のことで、主に部下の成長を促進することを目的としています。
最大のメリットは心理的安全性の醸成です。上司と部下が定期的に対話する機会をつくることで、信頼関係が構築されやすくなり、部下は安心して悩みや課題を相談できるようになります。
また、上司が部下の努力を細かく認識し評価することで、モチベーションの向上も期待できます。
部下と質の高い対話を行うためのポイントについて詳しくは、下記の記事をご覧ください。
さらにJMAM(日本能率協会マネジメントセンター)では、AI解析によって1on1ミーティングの質を向上させる実践支援サービス「KizunaNavi」を提供しています。管理職の負担を軽減しつつ、1on1ミーティングの質を向上させたいとお考えの担当者様は、ぜひ一度下記から詳細をご覧ください。
ザッソウ(雑談+相談)の導入
ザッソウは、雑談と相談を組み合わせたコミュニケーション手法です。
メンバー同士が仕事以外の話題を自由に話し合う「雑談」や、業務に関連することを気軽に質問できる「相談」を通じて、チーム内の信頼関係を深め、心理的安全性を高めることが目的です。
「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」から一歩進んだ、チームのコミュニケーションを自由でフラットにするためのアプローチといえます。
ザッソウそのものはコミュニケーション手法を指していますが、具体的な施策としては、週に一度「ザッソウタイム」を確保する、朝礼に自由にトークする時間を取り入れる、ザッソウをするためのスペースを設置するなどがあげられます。
ザッソウを導入する際に重要なポイントは、下記の3つです。
●心理的安全性を高める
心理的安全性を高め、メンバーが自由に意見を交わし、気軽に相談できる環境を構築することが大切です。
●リーダーが率先して実践する
リーダーが率先して雑談や相談を実践することで、チーム全体にザッソウが定着しやすくなり、チーム内コミュニケーションの活性化につながります。
●「余白」の時間をつくる
余白の時間を確保することで、業務から離れたリラックスした状態をつくることができ、会話が生まれやすくなります。
メンター制度の導入
メンター制度とは、新入社員が所属する部署とは異なる部署の先輩社員をメンターとして割り当て、さまざまな角度から新入社員をサポートする育成方法のことです。
メンター制度は、新入社員が業務に慣れるための支援をするだけでなく、社内でのつながりを深め、コミュニケーションを活性化する役割もあります。
従業員のなかには、上司に対して直接相談することに抵抗を感じる方もいるでしょう。
その点、メンターは直属の上司とは異なる立場にあるため、よりフラットな関係で話しやすく、気軽に相談できる存在となれる可能性があります。
新入社員が適切なサポートを受け、仕事に早く馴染めるようになると、離職するリスクを軽減させることにもつながるでしょう。
オフィス勤務の奨励
コロナ禍でリモートワークが一般化した一方で、対面でのコミュニケーション不足による課題も浮き彫りになってきました。
JMAMの調査によると、在宅勤務が多い新入社員の15.5%が「上司や先輩との関係構築」を最大の課題として挙げており、14.9%が「担当業務に必要な知識や手順の理解」に難しさを感じています。
一方、オフィス勤務が多い新入社員の悩みは「仕事が自分に合っているか」(24.7%)や「この会社で成長していけるか」(16.8%)など、より本質的な仕事の課題に向き合える段階に達しています。
このことから、リモートワーク中心の働き方では、業務そのものの前に、人間関係やコミュニケーションの基盤づくりでつまずく傾向があるといえるでしょう。
オフィス勤務を適度に組み合わせることで、偶発的な会話や情報交換が生まれ、組織の一体感も醸成されやすくなります。
新入社員が抱える初期段階の不安や課題を早期に解消することにもつながり、より本質的な業務課題に集中できる環境を整えることができます。
コミュニケーション研修の実施
コミュニケーション研修は、コミュニケーション力を向上させるための体系的な学びを得る機会です。
コミュニケーションの基礎から実践的なスキルまでを効果的に習得しやすく、社内コミュニケーションの活性化のほか、対話の質を高める効果も期待できます。
研修の実施方法には社内研修(対面)、eラーニング、外部研修などさまざまありますが、なるべく実践的な学びが得られる方法を選ぶのがおすすめです。
また、人材育成に特化した研修サービスを利用することで、社内リソースを確保しつつ質の高い育成施策を行うことができます。
例えば、JMAMでは、相手に合わせたコミュニケーションスキル(対人関係耐性)を身に付けるための研修プログラムを提供しています。自分自身のストレスケアにつながる学習内容や、現場で実践できるようになるためのプログラムを設計しているのが特徴です。
自社の状況に応じて導入を検討してみてはいかがでしょうか。詳細は下記からご覧いただけます。
サンクスカードの導入
サンクスカードは、従業員同士がお互いの努力や成果を評価・称賛・承認するための制度です。
サンクスカードを使用することで、お互いに感謝や励ましの言葉を伝え合うポジティブな文化が醸成されやすくなります。
サンクスカードの大きな特徴は、上司から部下だけではなく従業員同士でも評価し合える点です。同じ立場の従業員や異なる部署の従業員同士で褒め合うことで、これまではなかった繋がりができたり、信頼関係が深まりやすくなったりします。
また、サンクスカードを通じてお互いを褒め合うことで、組織全体のモチベーションを高められる点もメリットです。
社内イベントの開催
社内イベントは、業務外で従業員同士が集まり交流を深める取り組みです。
普段の業務では接点が少ない経営陣や他部署の従業員と話す機会にもなるため、社内全体のコミュニケーションを促進できます。
また、リラックスして話す時間をつくりやすく、趣味やプライベートなどの話を通じて信頼関係を深めやすい点もメリットです。
社内イベントの例としては、新年会や忘年会、お花見、社員旅行、創立記念パーティーなどがあげられます。
フリーアドレスの導入
フリーアドレス制度とは、従業員が決められた席ではなく、自分の好きな場所で働ける制度のことです。
フリーアドレス制度には、部署に関係なくどこでも自由に席を選べる「完全フリーアドレス制度」と、同じ部署やチーム内で席を自由に移動できる「グループアドレス制度」があります。
フリーアドレス制度の大きなメリットは、席を自由に選べることにより、これまでコミュニケーションを取る機会の少なかった従業員と自然に交流する機会が増える点です。
普段あまり話さない部署やチームのメンバーと近くで仕事をすれば、新しいアイデアや情報の共有がしやすくなり、業務の効率化につながります。
社内コミュニケーション施策のよくある失敗例から学ぶポイント
社内コミュニケーション施策を導入しても、期待した効果を得られない場合があります。
下記では、社内コミュニケーション施策が効果を発揮しないケースと、成功につなげるポイントを紹介します。
施策と自社の課題がミスマッチしていた
社内のコミュニケーションに関する課題は組織ごとに異なり、複雑で多様です。
ゆえに、特定の施策だけでは課題をすべて解決できないことも多くあります。
施策を導入する前は、自社のコミュニケーションの課題をしっかりと分析し、何が最も大きな問題になっているのかを明確にしましょう。
加えて、明確化された課題には優先順位をつけ、緊急性の高い問題から取り組みましょう。効果が表れやすくなるだけでなく、自社の状況がさらに見えてくることもあります。
そもそも社内でコミュニケーションが重視されていない
最低限のやり取りだけで業務を進める組織文化があると、たとえ施策を実行しても従業員同士のコミュニケーションが後回しにされがちです。
このような状況を改善するためには、まずコミュニケーションを重視した環境づくりが必要です。
具体的には、上司が積極的にコミュニケーションを重視する姿勢を示し、部下が自分の意見や考えを自由に発信できる環境をつくることが大切です。
また、部下が自分の意見を発信することに不安を感じないよう、心理的安全性を高め、失敗や間違いをおそれずに話せる文化を醸成しましょう。
まとめ
社内コミュニケーションの不足は、部署間の縦割り意識や業務過多など、さまざまな要因から生じています。その改善には、1on1ミーティングや出社の奨励、ザッソウの導入などの施策が効果的です。
ただし、施策の導入だけでは十分な効果が得られないこともあります。特に、昨今の職場環境では、コミュニケーションを取ろうとして意図せずハラスメント行為をしてしまうケースもあるようです。また、管理職が過度に慎重になりすぎて業務以外の話題を避け、結果的にコミュニケーションが活性化しないケースも見られます。
このような状況を改善するには、上司やリーダーが率先して自分自身の話題を共有し、徐々に心理的安全性を醸成していくことが有効です。これは上司と部下の関係だけでなく、チームメンバー間のコミュニケーションにおいても重要な視点です。
自社の状況に合わせて施策を実行し、段階的に社内コミュニケーションの活性化を目指していきましょう。
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本コースでは、伝える力、聴く力、そして個々の違いに適応する力を高めることに焦点を当て、どのような相手にも柔軟にコミュニケーションが取れるスキルを習得するトレーニングを実施しています。
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