コラム
  • 対象: 全社向け
  • テーマ: ビジネススキル
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企業成長にMBAは役立つか?具体的なメリット・導入事例を紹介

企業成長にMBAは役立つか?具体的なメリット・導入事例を紹介

急速に変化するビジネス環境に対応できる人材の育成が求められるなか、MBAの考え方を取り入れた従業員育成も注目されています。

今回は、MBAとは何か、企業にとってのメリット、そして実際の導入事例について解説します。

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MBAとは

MBAとは「Master of Business Administration」の略です。日本語では「経営学修士」と呼ばれます。

経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位であり、簿記検定のような資格とは異なります。

MBAで学べること

MBAでは主に下記の分野について学び、経営に関する幅広い知識を体系的に身に付けます。

  • 経営学(経営戦略論、経営組織論)
  • マーケティング
  • 会計学(財務会計、管理会計)
  • ファイナンス
  • 人的資源管理
  • 技術経営

MBA取得にかかる費用

MBA取得にかかる費用は、プログラムの種類によって異なります。各プログラムの相場は下記の通りです。

  • 海外フルタイムMBA: 800万円~2,000万円
  • 国内フルタイムMBA: 100万円~430万円
  • 国内パートタイムMBA: 100万円~340万円
  • 国内オンラインMBA: 100万円~300万円
  • 海外オンラインMBA: 300万円~1,600万円

MBAが注目されている理由

MBA(経営学修士)が注目を集めている背景には、技術の進歩やグローバル化があげられます。

近年、環境問題への対応やサプライチェーンのリスク管理、各国の規制や法律の遵守など、1つの企業内だけの知識や経験では解決できない複雑な問題が増えています。

企業では、そのような問題に対処するために、状況を的確に判断し、迅速に意思決定できるスキルを持つ人材を求めるようになっているのです。

MBAでは、高度な専門知識と論理的思考に基づいた実践力を体系的に習得できるため、こうした変化に対応するための学びの場として注目されています。

また、MBAプログラムでは、異業種・異分野の受講生と交流する機会が多く、幅広い人脈を築くことができる点も理由のひとつです。こうしたつながりは、将来のキャリアにおいて貴重な資産となることが期待されています。

このことから、MBAは単なる学位ではなく、変化の激しいビジネス環境を生き抜くための武器として、多くのビジネスパーソンに選ばれているのです。

また、個人のキャリア発展だけでなく、企業の成長戦略においても重要な役割を果たすと考えられている点もポイントです。

MBAプログラムの種類

MBAを取得するためのステップは、まず大学院(ビジネススクール)の受験から始まります。

入学後、1~2年間で経営学を学び、所定の単位を取得して修了要件を満たすことで、MBAの学位を取得できます。

なお、MBAの修了要件は大学院によって異なり、修士論文が必要な場合もあります。

MBAプログラムはフルタイム・パートタイム・オンラインの3つのタイプに分類されます。

フルタイムMBAは企業を離れてフルタイムで学び、パートタイムMBAは仕事を続けながら土日や夜間に学びます。オンラインMBAは、場所を問わず学べるのが特徴です。

また、国内MBAは日本のビジネス文化や市場に焦点を当てた教育が多く、日本語で授業が行われます。国内の企業に特化したケーススタディや実務経験が活かされることが多くあります。

海外MBAは、国際的な視点での経営学を学び、グローバルなビジネス環境を重視した内容が中心です。主に英語で授業が行われ、多文化の学生と共に学びます。

それぞれの履修期間の目安と特徴は、下記の通りです。

プログラムの種類 履修期間の目安 特徴
(国内・海外)フルタイムMBA 1~2年 ・通学制のプログラムで、企業派遣もしくは休職や退職が必要
・入学や受験には職歴2〜3年以上を求められるケースが多い
(国内・海外)パートタイムMBA 最短1~2年 ・平日夜間や休日に開講される
・仕事を続けながら通学できる
・仕事を辞めずにMBAを取得したい人向け
(国内・海外)オンラインMBA 最短1~2年 ・完全オンラインまたはオンデマンド形式で、15〜20時間/週ほどのコミットが必要
・場所を問わず受講可能なため、自分のペースで学べる
・アーカイブ動画でキャッチアップできる

自身のキャリアプランや生活状況、予算に合わせて最適なプログラムを選択することが大切です。

ビジネスパーソンがMBAを取得するメリット・価値

MBAを取得したビジネスパーソンは、企業に価値をもたらす人材へと成長します。

より詳しく、取得のメリットやその価値について説明します。

経営の知識が豊富になる

MBAプログラムで学ぶ内容は、経営幹部に必要な判断力と戦略的思考の基盤です。ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を効果的に活用するための戦略的思考や管理スキルを学びます。

そのため、企業において、財務分析、人材マネジメント、マーケティング戦略まで多岐にわたる知識を活かすことができます。

企業全体を俯瞰的に見る力も養われるため、部門間の連携促進にも活躍するでしょう。

ネットワークが広がる

MBAプログラムを通じて構築されるネットワークは、企業にとって貴重な資産です。多様な業界や国籍の方々とのつながりは、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性があります。

また、出身企業や業界、国籍、年齢、性別などが異なる人々と交流することで、視野を広げることができ、リーダーシップを高める場にもなります。

国際的な提携や新規市場へ参入する際にも、このネットワークが大きな支えとなるでしょう。

論理的思考ができる

MBAプログラムでは、日々の議論や課題解決を通じて論理的思考力を徹底的に鍛えます。

論理的思考力に長けた人材は、問題の本質を素早く見抜き、効果的な解決策を導き出せる可能性があります。

効率的で説得力のある提案を行うことにつながり、企業全体の意思決定の質を向上させる助けとなるでしょう。

結果として、業務のスムーズな進行や組織内の協力体制が強化され、競争優位性を確保できます。

(海外MBAの場合)英語力が向上する

海外のMBAプログラムでは、授業やディスカッションがすべて英語で行われるため、ビジネスレベルの英語力が自然と身に付きます。

ビジネスレベルの英語力は、グローバル市場で活躍する企業にとって不可欠です。

特に、高度な英語力を持つMBA取得者は、海外クライアントとの円滑なコミュニケーションやグローバルチームのマネジメント、海外拠点との連携強化に貢献するでしょう。

国際的なビジネスチャンスを最大限に活用し、企業の成長を支えます。

MBA教育の対象者・向いている人

MBAの取得は多くの方にとって仕事に役立つと考えられています。MBA教育が特に適している人材について説明します。

マネジメント層・経営層

MBAの学習過程では、汎用的な経営スキルが身に付きます。経営層やマネジメント層の人々は、組織内の経営資源である「ヒト・モノ・カネ・時間・情報」を効率的かつ効果的に活用することが求められます。

そのため、MBAで得た知識やスキルを日々の仕事で必要とする場面が豊富にあるのです。

経営層やマネジメント層にとって、MBAで学ぶ戦略的思考や意思決定のフレームワークは、組織の方向性を決定する際に有用です。

また、財務分析やマーケティング戦略の知識は、事業計画の立案や評価に直接活用できます。

外資系・コンサル系企業に就職・転職する人

外資系企業やコンサルティング会社は、MBAの学位を高く評価する傾向があります。

MBA取得者はグローバルな視点や高度な分析能力を身に付けている可能性があり、需要が高いのです。

また、MBAプログラムで培われる問題解決能力やプレゼンテーションスキルは、コンサルティング業務において特に重要です。

海外でMBAを取得すると、経営知識だけでなく、ビジネスレベルの英語力も身に付きます。これは、国際的な環境で働く際に大きな強みとなります。

そのほか、キャリアアップや転職の際にも評価されるケースがあります。

特に、グローバルなビジネス環境で活躍したい方や、経営コンサルタントを目指す方は、MBAの取得が転機となる可能性があります。

MBA教育の導入事例

企業がMBA教育を導入する事例も増えています。

最後に、導入企業の中から3社の具体的な取り組みを紹介します。

サントリーホールディングス|グローバルな社内育成制度

サントリーホールディングス株式会社では、国内外のビジネススクールへの留学制度を設けています。この制度を通じて、従業員は英語でMBA(経営学修士)を取得可能です。

また、国際的な業務に必要なスキルを個別に設定し、習得するキャリアチャレンジ制度も用意しています。

さらに、海外グループ会社への社員派遣制度(トレーニー制度)を通じて、グローバルに活躍できる人材の育成に力を入れています。

三井住友銀行|海外大学院への留学制度

海外大学院への2年間の留学制度を設け、グローバル人材の育成を目的としている企業が株式会社三井住友銀行です。

留学制度では、MBA(経営学修士)やLL.M.(法学修士)などの取得が目指せます。この制度は、多様なバックグラウンドをもつキャリア入行者向けの研修の一環として活用されています。

SGホールディングス|管理者の育成にMBA教育を導入

SGホールディングス株式会社では、JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)の「ステークホルダーからみたMBA早わかりコース」を導入し、管理者の育成に活用しています。

このeラーニングプログラムは、支店長、部長などのグループマネジャー(GM)育成に向けて導入されました。

GM資格認定の受験条件として13の必須コースを設定し、全グループ会社の受講者を徹底的にフォローする体制を整えています。

まとめ

今回は、MBAプログラムの価値やメリット、導入企業の事例について解説しました。各事例から、多くの企業がMBA教育を通じてグローバル人材の育成や管理者のスキル向上を図っていることがわかります。

MBA教育の実施で重要なことは、目的を明確にすることです。目的が不明確だと、得た知識が宝の持ち腐れとなりかねません。企業が幹部候補に期待しても、本人のやる気がなければその後の学びは続きません。会社にとっても、個人にとっても、MBA教育を導入する際には、その目的をしっかりと定めることが大切です。

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