調査レポート
  • 対象: 新人/若手
  • テーマ: ニューノーマル
  • 更新日:

【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025】(前編)新人・若手社員の安定志向と意外な弱点

【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025】(前編)新人・若手社員の安定志向と意外な弱点

日本能率協会マネジメントセンターでは、新入社員を対象とした「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査」を毎年実施しています。最新の調査結果からは、過去最高となった「定着意欲」の高さと、その一方で低下が見られる「キャリア自律」の意識、さらにデジタルネイティブ世代特有の「ビジネスITスキルへの不安」という、新たな課題が浮き彫りとなりました。本コラムでは、最新の調査データをもとに、2025年新入社員の特徴と、企業が求められる育成のポイントについて解説します。(調査概要は以下参照)

■調査概要
調査方法: インターネット調査
調査地域: 全国
有効回答: 2,674名(新入社員1,085名、上司・先輩社員1,589名)
調査期間: 2025年6月

関連資料

イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025

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最新版!Z世代の仕事に対する実態や価値観を明らかにする人気調査書。効果的な接し方のポイントを解説します

「現在の会社で働き続けたい」が過去最高の70.9%に

新入社員の勤続意向に関する調査項目において、大きな変化が見られました。「現在の会社でずっと働き続けたい」と回答した割合は70.9%となり、調査開始以来、過去最高を記録しました。2020年と比較すると約22ポイントの大幅な増加となっており、近年の新入社員における「就社志向(安定志向)」の高まりが顕著に表れています。

現在の会社でずっと働き続けたい

一見すると、エンゲージメントが高く、早期離職のリスクが低いようにも受け取れます。しかし、同時に調査した「キャリア意識」の結果とあわせて見ると、必ずしも楽観視できない実態が見えてきます。

「キャリアは会社任せ」の傾向が強まる

就社志向が高まる一方で、「キャリアは自ら切り拓く必要がある」と回答した割合は65.3%にとどまりました。2020年の89.2%から比較すると、20ポイント以上も低下しています。
この2つのデータから読み解けるのは、今の新入社員が「今の会社で長く働きたいが、キャリア形成については会社に導いてほしい」という、受動的な姿勢を持っている可能性です。変化の激しいビジネス環境において、企業は社員に対し「自律的なキャリア形成」を求める傾向にありますが、新入社員の意識とはギャップが生じています。
単に長く在籍してもらうだけでなく、組織の戦力として活躍し続けてもらうためには、企業側からの働きかけが重要です。具体的には、新入社員一人ひとりが「自分のありたい姿(Will)」と「組織への貢献領域(Must)」の重なりを見出せるよう、対話や研修を通じて支援していく必要があります。

キャリアは自ら切り拓く必要がある

テレワーク下の課題1位は「PC・ITスキルの欠如」

もう一点、2025年調査で注目すべきは「ビジネスITスキル」に関する意識です。Z世代は生まれた時からインターネットやデジタルデバイスに触れている「デジタルネイティブ」と呼ばれますが、ビジネス現場でのIT活用においては課題を抱えていることが明らかになりました。
新入社員が抱える不安・課題についての調査では、「パソコンやITのスキルがない」という項目が、配属前・配属後を問わず上位にランクインしています。特に、入社1年目の主な勤務場所が「在宅(テレワーク)」中心だった層においては、この「パソコンやITスキルの欠如」が課題・不安の第1位となりました。

時期別にみる新入社員が課題(不安)と感じていたこと
この1年の多かった勤務場所と課題

スマホやSNSの操作には長けていても、業務で使用するPC操作、Officeソフト、ビジネスチャット、セキュリティへの配慮といった「ビジネスITスキル」には不慣れなケースが少なくありません。特に在宅勤務では、オフィスのように周囲へ気軽に操作方法を聞くことが難しいため、業務遂行の大きなボトルネックになっていると考えられます。
企業としては、「デジタル世代だからPCも使えるだろう」という予断を持たず、入社直後の段階から基本的なビジネスITスキルの習得支援(リスキリング)を行うことが、新入社員のスムーズな立ち上がりと不安解消につながると言えるでしょう。

「失敗への恐れ」と「受け身」の狭間で

前述したビジネスITスキルの不足などが業務の停滞に直結してしまう背景には、Z世代特有の「心理的な板挟み」の状態が浮かび上がってきます。
まず注目すべきは、「失敗を恐れ、新しいことに挑戦するのをためらうことがある」ということです。「正解」を求め、失敗を極端に回避しようとする傾向は、裏を返せば「確信が持てるまで動けない」という行動抑制につながります。
さらに、「わからないものは教えてもらえるものだと思った」という項目も特徴的です。 ここからは、「(自分から聞きに行かなくても)必要なことは会社や先輩が教えてくれるはずだ」という、受動的な姿勢が見え隠れします。
つまり、彼らは「失敗したくないから、勝手なことはしない」という慎重さと、「誰かが教えてくれるのを待つ」という受け身の姿勢が重なり合うことで、結果として「わからなくても質問できず、ただ立ち止まってしまう」という状況に陥っているのです。
この沈黙を破るために必要なのは、先輩社員からの「お節介」とも言える介入です。彼らの「教えてもらえるもの」という期待を逆手にとり、「わからないことは聞いていい(失敗ではない)」というルールを最初に伝え、こちらから声をかけ続けることで、彼らの心理的なハードルを下げていく必要があります。

失敗を恐れ、新しいことに挑戦するのをためらうことがある

2025年新入社員の育成計画に向けて

本コラムでご紹介した通り、2025年の新入社員は「高い定着意欲」を持つ一方で、「受動的なキャリア観」や「ビジネスITスキルへの不安」、そして「質問することへの心理的ハードル」という課題を抱えています。
彼らのポテンシャルを最大限に引き出し、組織に定着させるためには、従来の研修内容をそのまま実施するのではなく、これらの特性(つまずきポイント)を先回りしてフォローするような育成施策のアップデートが求められます。
今回ご紹介したデータ以外にも、調査報告書では「2020年入社組との意識比較」や「文系・理系別の傾向」など、より詳細な分析結果を掲載しています。今後の採用・育成計画の立案における基礎資料としてご活用ください。

イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025

Z世代の仕事に対する実態や価値観を明らかにする人気調査書の最新版

2016年から毎年行っている最新調査で、Z世代の働く実態や価値観の経年変化から実態を明らかにし、さらには指導者側にも焦点を当て、効果的な接し方のポイントを解説しています。

  • 新入社員(Z世代)の実態と特徴
  • ビジネスパーソンの学習姿勢別にみる「学び」への意識
  • イマドキ新入社員(Z世代)への指導育成
  • [考察・提案]これからの新人・若手社員の成長支援
イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2024
JMAM HRM事業 編集部

文責:JMAM HRM事業 編集部
人事・人材教育に関する情報はもちろん、すべてのビジネスパーソンに向けたお役立ちコラムを発信しています。

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