コラム
  • 対象: 全社向け
  • テーマ: 研修/教育
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コンプライアンス研修が重要な理由とは?実施方法から効果を出すためコツ、過去の違反事例まで解説

コンプライアンス研修が重要な理由とは?実施方法から効果を出すためコツ、過去の違反事例まで解説

企業のコンプライアンス違反は、経営に深刻な影響を与えます。
昨今、これを目の当たりにする機会が増えておりコンプライアンス対策の重要性が増しています。
具体的な対策としては、外部講師の招へいや、外部の専門サービス等を利用した研修の実施が考えられます。

自社のビジネス環境に囚われず、包括的な視点でコンプライアンスの全体像を理解するための研修を
経営幹部からマネジメント、新入社員までのすべての従業員に定期的実施することが重要です。

本記事では、なぜコンプライアンス研修が重要であるのか、そしてどのようにして実施するべきなのかについて詳しく解説します。

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コンプライアンス研修とは?

 まずはじめに、コンプライアンス研修の基礎知識について分かりやすく解説します。

コンプライアンスの意味

コンプライアンスは、公正や倫理を守るための取り組みで、「法令遵守」の訳語です。さらに、企業コンプライアンスの場合には、法令だけでなく社会的規範や倫理も含めて守ることを指します。コンプライアンス研修は、その重要性、違反のリスク、遵守すべき法令の理解が目的となります。

コンプライアンス研修の対象者とは?

コンプライアンス研修の対象者は一般社員だけでなく、経営者や管理者も含まれます。すべての従業員が企業の規定や法的要件を遵守し、適切な行動を取ることが求められます。

研修は役職や階層に関係なく、組織全体のコンプライアンス文化を確立するために必要です。経営陣や管理職の参加は、従業員に対する模範となり、コンプライアンスの重要性を示す一環です。

コンプライアンス研修が重要な理由とは?

コンプライアンス研修の重要性はいくつかの理由によります。まず、風通しの良い職場環境を作り上げるために必要です。研修を通じて、従業員が法的要件や企業の倫理規定を理解し、適切な行動を取ることができます。さらに、研修は不祥事を未然に防ぐためにも重要です。

従業員がコンプライアンスについての知識がないままでは、違反のリスクが高まります。研修を通じて、従業員の教育を行い、コンプライアンス違反を防止します。また、研修は早期にコンプライアンス違反を特定する手段にもなります。従業員が適切な知識を持ち、違反行為を見逃さず報告できる環境を整えることが重要です。コンプライアンス研修は組織の信頼性向上やリスク軽減のために欠かせない要素といえます。

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コンプライアンス研修の流れ

コンプライアンス研修を実施する際に抑えるべき内容、流れを詳しく解説します。

従業員の認識レベルの確認

最初に、従業員の認識レベルを確認します。従業員のコンプライアンスに対する認識度や理解度を評価した上で、必要な教育内容を決定します。また、上司のコンプライアンスへの理解も重要です。上司がしっかりとコンプライアンスを把握していることで、従業員への指導やサポートが円滑に行われます。組織全体でのコンプライアンス意識の向上を図るために、認識レベルの確認は重要なステップとなります。

研修内容の確認

次に、研修内容の確認を行います。対象者やコンプライアンスの内容に基づき、適切な研修プログラムを構築します。具体的な法的要件や企業ポリシーに焦点を当てたトレーニングや、ケーススタディの活用など、研修内容を調整します。研修内容の確認を通じて、従業員が必要な知識やスキルを習得して、コンプライアンスに関する理解を深めることが目的です。

振り返りの調査を実施

研修終了後には、振り返りの調査を行うことも重要です。研修内容を振り返り、従業員の理解度や習得した成果を確認します。調査の結果を元に、研修の効果や改善点を把握し、今後の研修計画に反映させましょう。振りかえりの調査は、研修の質の向上や従業員の能力向上を促進し、組織全体のコンプライアンス文化を強化するための貴重な手段です。

コンプライアンス研修の実施方法

実際に研修を実施する際には、どのような手段があるのでしょうか。コンプライアンス研修の実施方法について解説します。

講師による社内研修

専門講師を招いた社内研修を行います。経験豊富な専門家による研修では、具体的な知識を効果的に学ぶことができます。質問などもしやすく、参加者の理解を深めることができます。

公開講座の受講

異業種交流型の公開講座の受講も手段の一つです。社外の人と共に受講することで、井の中の蛙にならず、広い視野を持つことができます。常識を覆される経験によって、職場環境の改善につながるでしょう。

オンラインによる研修

オンラインでの研修であれば、時間や場所を選ばずに受講できます。また、eラーニングによる受講も次の理由でオススメです。

まず、全社員を対象にできるため、場所や時間の調整やコスト削減が可能です。また、階層や対象者に合わせたカスタマイズが可能で、学習の進捗や習熟度を確認できます。さらに、何度でも受講することができます。

コンプライアンス研修の4つの目的とは?

コンプライアンス研修を行うべき、4つの目的について詳しく解説します。

  • 1.企業や組織のルールを知るため
    1つめは、企業や組織のルールを知ることです。社会人としての常識を持ち、組織人としての意識を持つことが重要です。これにより、企 業や組織のイメージに関わる問題を予防し、信頼性や透明性を高めることができます。
  • 2.社会人としてのビジネスマナーをつけるため
    2つめは、社会人としてのビジネスマナーを身につけることです。組織に長く在籍すると、組織独自の常識に染まり一般常識が希薄になったりズレが生じたりすることがあります。研修を通じて適切なビジネスマナーを学び、社会人としての対応を身につけることが重要です。これにより、社内外における信頼性や協調性が高まるでしょう。
  • 3.コンプライアンス違反によるリスクを抑えるため
    3つめは、コンプライアンス違反によるリスクを抑えることです。コンプライアンス違反は個人の責任だけでなく、会社や組織の責任も重大になります。研修を通じてリスクの重大さを認識し、正しい行動を身につけることが重要です。これにより、コンプライアンス違反による法的、経済的なトラブルを回避し、企業・組織の信頼性を高めることが可能になります。
  • 4.企業や組織の価値を高めるため
    4つめは、企業や組織の価値を高めることです。コンプライアンスの遵守は信頼性や信用を築き、企業の評判やブランド価値を向上させます。また、コンプライアンスによる適切な行動は社会的貢献にもつながります。社会の期待に応え、法令や倫理を守ることで、企業や組織の信頼度が高まります。これによって競争力を強化し、持続的な成長と発展を達成することができます。

コンプライアンス研修で実施される主な内容

コンプライアンス研修で実施される主な内容について詳しく解説します。

情報やセキュリティ

情報漏洩は、会社の信頼を脅かします。無防備な情報管理は、企業価値を損なう危険性を孕んでいます。企業の生命線とも言える情報を守る意識が必要です。多くの人が想像以上に情報やセキュリティに対する関心が低い場合があるため、研修によってこの認識を深めることは重要です。

SNSの利用方法

SNS投稿は、企業のイメージを大きく左右します。一度炎上すれば、そのダメージは計り知れません。「どのような投稿が問題となるのか」を理解することは大切です。コンプライアンス違反の投稿は企業に損害を与え、信頼を失います。従業員の投稿内容には十分注意が必要です。

ハラスメントへの対策

ハラスメント防止への対策も重視されます。価値観の違いにより、他人を傷つけたり、迷惑行為になることを防ぎます。研修では、多様な視点を理解するための手法が提供されます。ハラスメント行為を未然に防ぐため、お互いの違いを尊重し、互いに理解することが求められます。

著作権などの侵害について

著作権侵害の予防にも焦点が当てられます。他社の写真やデータの無許可使用は、大きな問題を生む可能性があります。この種の違反は、悪気がなくても発生します。無意識のうちに他人の知的財産を侵害することは、ビジネス上の重大なミスです。十分な注意が必要とされます。

コンプライアンス研修で効果を出すための4つのコツ

効果的なコンプライアンス研修を実現するための4つのコツを解説します。

  • 1.実践を交えながら行う
    コンプライアンス研修の効果を上げるためには、「実践的な学習」が重要です。まずは、現実のケースを取り入れてみましょう。これにより、理論だけでなく現実の課題感を実感できます。
  • 2.役職や立場によって目標を設定しておく
    コンプライアンス研修を成功させるためには、「役職ごとの目標設定」が大切です。異なる役職、立場では、異なる視点、責任が生まれます。よって、研修はその役職に応じてカスタマイズするべきです。

    たとえば、上層部は組織の倫理的価値を理解し、リーダーシップを発揮すべきです。一方、従業員は日常業務のコンプライアンスを理解し、適切に行動する必要があります。これらの違いを理解し、適切な目標を設定することが、効果的な研修を成功させる鍵となります。
  • 3.定期的に研修を行う
    効果的なコンプライアンス研修を行う秘訣は、「定期性」です。単発の研修では、一時的な理解は得られるかもしれませんが、継続的な意識へとつながる保証はありません。

    それに対して、定期的な研修は新たな状況に対応でき、コンプライアンスの重要性を常に思い出させます。毎月、または四半期ごとに行われる研修は、一貫性を持たせ、組織全体のコンプライアンスに対する意識を維持します。このように、定期的な研修を行うことで、コンプライアンスの理解と実践を組織全体で維持・深化させることができます。
  • 4.よい「タイミング」で研修を行う
    コンプライアンス研修に効果をもたらす要素の一つは「タイミング」です。これは特に研修の対象となる問題が社内や同業者で起きた場合に重要です。

    たとえば、自社でコンプライアンス違反が発生した際、その問題の根源と解決策を学ぶための研修を行うと、従業員は具体的な事例を通じて理解を深めます。また、同業者で問題が起きた場合も、それを教訓に研修を実施することで、同様の過ちを犯さないようにすることが可能です。

    このようなタイミングで研修を行うことで、単なる理論学習以上の効果を期待することができます。具体的な事例を通じて学ぶことは、コンプライアンスをより身近なものとし、その重要性を深く認識させます。

よくある質問

コンプライアンス研修に関連する「よくある質問」について解説します。

どんな内容の研修がありますか?

コンプライアンス研修では、一般常識や情報、セキュリティなどの内容があります。参加者はこれらの研修を通じて、コンプライアンスの重要性や具体的な実践方法を学びます。研修はビジネス環境における法的要件や倫理的な規範を理解し、遵守するための基礎を提供します。

研修を受けてどんな効果が得られますか?

たとえば、コンプライアンス違反による影響や第三者への悪影響を学ぶことで、他者を傷つける行為を防ぎ、倫理的な行動を取る意識が高まります。その他にも、組織内の信頼関係や社会的評価の向上、法的トラブルの回避など、ポジティブな効果が期待できます。

どんなコンプライアンス違反が起こりやすいですか?

SNSの不適切な利用や労務管理の違反などのコンプライアンス違反が起こりやすいです。SNS上での機密情報の漏洩や社内ルールの無視、労働法や労働条件の違反などが該当します。これらの事例を通じて、違反のリスクや重要性を理解し、適切な行動を促す研修が行われます。

まとめ

コンプライアンス研修の重要性は否応なく高まっています。企業は規範意識を高め、倫理的な行動を促すために、コンプライアンス研修導入が必要です。良好なコンプライアンス文化は、ビジネスの長期的成功に寄与し、企業の良い評判に繋がるでしょう。

株式会社日本能率協会マネジメントセンターは、1979年から研修を実施しており、人事・人材教育に関する多彩なプログラムを提供しています。特に、個々人の行動をコンプライアンスの視点で振り返り、互いに成長を促す職場づくりを目指す教育プログラムは、企業のコンプライアンス向上に効果的です。

これらはeラーニングで提供されており、時間や場所を選ばず学習できるのが魅力です。新たなコンプライアンス研修の導入を検討中の企業様は、ぜひ一度、このサービスの詳細をご覧ください。

JMAM HRM事業 編集部

文責:JMAM HRM事業 編集部
人事・人材教育に関する情報はもちろん、すべてのビジネスパーソンに向けたお役立ちコラムを発信しています。

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