インタビュー
  • 対象: 全社向け
  • テーマ: ビジネススキル
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ものづくり人材育成:製造部門ならではの課題をいかに解決するか──現場の成果につながる「実践力」を高める体系的アプローチとは

ものづくり人材育成:製造部門ならではの課題をいかに解決するか──現場の成果につながる「実践力」を高める体系的アプローチとは

人手不足、熟練者の退職、技術進化の加速――製造業が直面する構造的な課題は、従来のOJTだけでは解決できない段階に達しています。設備投資やDXといったハード面の強化が進む一方で、それらを最大限に活かす「人」の育成こそが、企業の競争力を左右する本質的な課題です。

ものづくり人材育成を支援する渋谷 崇のインタビューを通じて、製造現場における人材育成の考え方と、業界全体の底上げを目指す取り組みについて解説します。

インタビュイー
株式会社日本能率協会マネジメントセンター
ラーニングデベロップメント本部 事業開発部 検定開発センター センター長
渋谷 崇

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ものづくり人材育成プログラム開発の背景

Q: ものづくり人材育成プログラムの開発に至った背景には、どのような課題意識があったのでしょうか?

渋谷:開発の背景には、製造業が直面している構造的な課題があります。熟練者の退職や人手不足、技術進化のスピード加速が起こる中で、現場ではより高い生産性の発揮が求められています。こうした環境変化に対応するため、今日の現場が抱える課題にあった体系的かつ再現性のある教育設計が不可欠になっています。

JMAMは創業以来、数多くの製造業のお客様を支援してきました。2012年には製造現場に必要な管理ポイントをQCDSEの観点で体系化し、検定制度を整備しました。そして、それ以降能力の可視化と育成基盤の構築に取り組んできました。しかしそれらは完成形ではなく、常に見直しとアップデートが必要です。既存の枠組みを土台としつつ、現在の課題や現場の声を反映しながら、内容を進化させてきました。

私たちが大切にしているのは「温故知新」の考え方です。これまで脈々と受け継がれてきた技術や育成思想を大切にしながら、時代に合った方法で体系化し、現場で活かされる形に整える。このアプローチこそが、変化の大きい製造業において持続的に価値を生む育成体系につながると考えています。

現場での「実践」を重視する――ものづくり人材育成が目指す、現場と組織の変化

Q: ものづくりにおける人材育成を、どのように捉えていますか?

渋谷:ものづくりにおける人材育成は、単なる教育施策ではなく、企業の競争力そのものをつくる基盤であると捉えています。製造業では設備投資やデジタル化といったハード面に注目が集まりがちですが、それらを最大限に活かすのは「人」であり、その知識・技能・判断力こそが未来の生産性を左右します。

JMAMでは、知識・スキルを体系的に学ぶプログラムに加え、現場でのトライ&エラーを通じて実践力を身につける支援をおこなっています。

「人的資本の最大化」とは、従業員一人ひとりが持つ潜在能力を組織の成果に結びつく形で発揮し続けられる状態です。そのため、個々の特徴に合わせた支援を行うことを重視しています。

Q: OJTだけでは難しいとされる、体系的な知識・スキルやノウハウの継承について、どのようなアプローチを重視していますか?

渋谷:近年、ベテランの定年退職や採用環境の変化により、属人的だった技能伝承が成立しにくく、後継者がなかなか育たないという状況が生まれています。

現場では、技能や技術はもちろん、「問題を見つけて、解決策を考える力」「相手を動かす力」も求められます。つまり、ものづくりの人材育成は、技術や知識をOJTで継承させるだけでなく、社員が自ら学び、現場に変化を起こせる状態にすることも同じように重要です。

そこでまず検定で一人ひとりの知識・スキルを可視化し、「何ができているか」「どこが課題か」を明確にします。そのうえで研修・教材・実践支援・伴走型コンサルティングを組み合わせ、現場に根づく教育体制を構築することで、一人ひとりの能力を最大化する支援を進めています。

Q: 製造業の業界全体への貢献についてどのようにお考えですか?

渋谷:製造業は現在、多くの共通課題を抱えており、個々の企業の努力だけでは解決が難しい場合もあります。業界全体として継続的に学び合い、ノウハウや経験を共有することが重要だと考えています。

JMAMでは、個社ごとの人材育成支援に加え、工場長や教育担当者が集まる「人材育成企業交流会」など、企業横断のネットワーク形成にも力を入れています。課題や成功事例を共有しながら企業同士がつながり、学び合うことで、業界全体の底上げにつながる"集合知“が生まれます。

2025年には「人材育成企業交流会」を2回開催しました(2月・8月)。私たちはものづくり現場の「横のつながり」を提供することで「場づくり」と「知の循環」を支援し、産業界の未来を共に創り上げる存在でありたいと考えています。

ものづくりの人材育成担当者が集う交流会

Q: 交流イベントを開催した背景や、ねらいを教えてください。

渋谷:2025年2月に第一回を開催した交流会は、ものづくり企業が抱える複雑な課題に対し、解決のヒントを参加企業とともに探究することを目的として実施しました。

JMAMでは2012年から「生産マイスター制度」を運営し、外部有識者による企画委員会の助言を受けながら検定制度を発展させてきました。その中で、「他社とリアルにつながり、課題や事例を共有したい」「交流の場を持ちたい」という声が多く寄せられたことが、開催のきっかけです。

Q: 交流会の当日の様子や参加者の声はいかがでしたか?

渋谷:当日は、幅広い業種の方に集まっていただきました。技能伝承や後継者育成、DX活用など複雑化する課題の「糸口」を見つけてもらいたいと考え、立場や規模を超えて議論し、経験をシェアすることで共通課題を浮き彫りにしたり、新たな視点につながる場になったと感じています。

参加者アンケート※では満足度が平均4.96と非常に高く、「この規模の交流会はなかなか少なく、ざっくばらんに聞きたいことを聞けてとても良かった」「横のつながりができた」などの声をいただきました。

同年8月には第2回、2026年3月には第3回を開催し、主催である私たちも大きな気づきや学びがありました。交流会の様子はコラムで公開しておりますので、ぜひ参照ください。

※当日会場にて、来場者が紙のアンケートにて回答。5点満点中4.96。

基礎からマネジメントまで──現場に根づく「3つの軸」で育てる研修体系

Q: 実践力を育てるうえで、研修体系においてどのような工夫をしていますか?

渋谷:JMAMのものづくり人材研修は、基礎からマネジメントまで、一人ひとりの成長段階に合わせて体系的に学べる構造となっています。ものづくり人材の成長には「ものづくりの基本」「デジタル活用を含めた改善力」「人へ伝え、動かす力」の3つの軸が必要であり、これらを段階的に高めていけるよう設計しています。

これまでは主にものづくりの基本に力を入れてきましたが、今後は「デジタル活用を含めた改善力」「人へ伝え、動かす力」といった領域の支援をさらに強化していきたいと考えています。

また、交流会などを通じて現場の声を継続的に収集し、企業ごとの課題感に寄り添いながら研修内容も進化させていきたいと思います。形式的な育成ではなく、現場に根づく実践力の育成を支援し、製造現場の競争力強化をご支援してまいります。

ものづくり人材不足時代の製造現場を支える!次世代リーダー育成

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本資料では人材育成と組織力強化のために注力すべき6つのポイントをご紹介しています。

  • 製造業を取り巻く環境の変化
  • 製造業における就業者数の変化
  • 育成担当者が抱える課題
  • 人材育成と組織力強化のために注力すべき6つのポイント
  • 注力すべきポイント
ものづくり人材不足時代の製造現場を支える!次世代リーダー育成
JMAM HRM事業 編集部

文責:JMAM HRM事業 編集部
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