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- テーマ: ビジネススキル
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エンゲージメントサーベイが低い原因は?|すぐできる対処法と改善手順
エンゲージメントサーベイを実施したものの、結果が想定より低く「どう対処すればいいのか」と悩んでいる人事担当者は少なくありません。低いスコアを放置すると、離職率の上昇や生産性の低下など、組織全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。しかし、適切に原因を分析し、効果的な改善施策を講じることで、組織と従業員の関係性を着実に強化できます。この記事では、エンゲージメントサーベイの結果が低い場合に生じる影響から、原因の特定方法、そして具体的な改善施策まで、実践的なノウハウをお伝えします。
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エンゲージメントサーベイの結果が低いと生じる主な影響
エンゲージメントサーベイで低いスコアが出た場合、組織にはさまざまな悪影響が生じます。ここでは、業績や人材、顧客、職場環境への具体的な影響を解説します。
業績と生産性に与える直接的な悪影響
エンゲージメントが低い組織では、従業員の仕事への意欲や主体性が低下します。やりがいを感じられない状態で働くと、業務に対する集中力が落ち、成果を出すためのエネルギーも湧きにくくなるものです。
実際、日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が公開している資料『エンゲージメント実態調査』によれば、エンゲージメントの低さは生産性のみならず、テレワーク下での孤独感や組織への帰属意識の低下とも密接に関係していることが示唆されています。こうした客観的な調査データを参照することで、自社の現状が日本の労働市場全体の中でどのような位置にあるかを把握することも重要です。
離職率上昇と採用コストの増加
組織への愛着や貢献意欲が低い従業員は、転職を検討しやすい傾向にあります。特に優秀な人材ほど、自分の成長や働きがいを重視するため、エンゲージメントの低い環境に見切りをつけて離職するケースが多いのです。
離職者が増えると、採用活動や新入社員の教育に多大なコストがかかります。さらに、残された従業員の業務負担が増加し、連鎖的な離職を招くリスクも高まります。採用難が続く現代において、人材流出は組織の競争力を大きく損なう要因となります。
顧客満足度や製品・サービス品質への波及
従業員のエンゲージメントは、顧客に提供する価値にも影響を与えます。仕事への献身度が低い状態では、サービスの質や製品へのこだわりが薄れがちです。
お客様対応においても、熱意のない対応は相手に伝わってしまうものです。その結果、顧客満足度が低下し、リピート率や口コミ評価にも悪影響を及ぼします。エンゲージメントの問題は、社内だけでなく社外への影響も見逃せません。
職場の雰囲気とコミュニケーションの悪化
エンゲージメントが低い職場では、従業員同士の協力関係や信頼関係が築きにくくなります。自分の仕事だけを淡々とこなし、チームへの貢献意識が薄れていくのです。
コミュニケーションが減少すると、情報共有の漏れやミスが発生しやすくなります。ネガティブな雰囲気が蔓延すると、新しいアイデアや改善提案も生まれにくくなり、組織の成長が停滞してしまいます。
エンゲージメントサーベイで低いスコアが出る原因と見分け方
低いスコアを改善するためには、まず原因を正しく特定することが不可欠です。組織のどこに課題があるのか、さまざまな視点から見分けていきましょう。
組織文化やビジョンが浸透していないサイン
サーベイ結果で「企業理念への共感」や「会社の方向性への理解」に関するスコアが低い場合、ビジョンの浸透不足が疑われます。従業員が会社の目指す姿を理解できていないと、日々の業務に意味を見出しにくくなります。
経営層のメッセージが現場まで届いていない、あるいは届いていても納得感がない状態かもしれません。理念と日常業務のつながりが見えにくいことも、共感度を下げる要因となります。
マネジメントとリーダーシップの課題の見つけ方
「上司との関係」や「マネジメントへの信頼」に関する項目のスコアが低い場合は、リーダーシップの問題が考えられます。部下への関心が薄い、適切なフィードバックがない、指示が曖昧といった状況がないか確認しましょう。
特に1on1ミーティングの実施状況や、部下の成長支援への取り組みをチェックすることが大切です。マネジャーの育成不足は、チーム全体のエンゲージメントを下げる大きな要因となります。
評価・報酬・キャリア制度に起因する問題の特定方法
「評価の公平性」や「報酬への納得感」「キャリアパスの明確さ」のスコアが低い場合、制度面の課題が原因かもしれません。努力しても正当に評価されない、将来の見通しが立たないという不満は、エンゲージメントを大きく損ないます。
評価基準が不透明、昇進・昇給の条件がわかりにくいといった状態では、従業員は努力する意欲を失ってしまいます。制度の運用実態と従業員の認識のギャップを把握することが重要です。
働き方や労働条件が原因になっているかの判断基準
「ワークライフバランス」や「労働時間」「職場環境」に関するスコアが低い場合、働き方の問題が背景にある可能性があります。長時間労働が常態化していないか、休暇が取りにくい雰囲気がないかを確認しましょう。
リモートワーク環境の整備状況や、業務量の偏りも見逃せないポイントです。従業員の心身の健康を脅かす労働条件は、エンゲージメントの低下に直結します。
エンゲージメントサーベイ自体の設計や回答バイアスをチェックする方法
サーベイ結果が実態を反映していない可能性も検討する必要があります。匿名性が十分に担保されていないと、従業員は本音を答えにくくなります。
質問内容が抽象的すぎる、設問数が多すぎるといった設計上の問題も、正確な回答を妨げる要因です。回答率が低い部署がないか、回答時期による影響がないかも確認してみてください。
低い結果を分析するための指標と優先順位付け
すべての課題を一度に解決しようとすると、かえって効果が出にくくなります。影響度の大きい項目から優先的に取り組むことが重要です。
全社平均との乖離が大きい項目、離職との相関が高い項目、改善の余地が大きい項目を特定しましょう。部署ごとの比較や経年変化の分析も、課題の本質を見極めるうえで役立ちます。
エンゲージメントサーベイで低い結果を改善する実践的な施策
原因を特定したら、具体的な改善施策に着手しましょう。組織の状況に合わせて、効果的な取り組みを選択することが大切です。
経営層から現場までビジョンを浸透させる施策
企業理念やビジョンを従業員に浸透させるには、経営層からの継続的な発信が欠かせません。全社会議やタウンホールミーティングなど、直接伝える機会を増やしましょう。
理念を日常業務に落とし込む工夫も重要です。自分の仕事が会社の目標にどうつながっているか、具体的に説明できる状態を目指してください。部門ごとにビジョンを語り合うワークショップも効果的な手法です。
人事評価と報酬の透明性を高める取り組み
評価基準の明確化とフィードバックの充実が、制度への納得感を高める鍵となります。何をどう頑張れば評価されるのかを、具体的に示すことが大切です。
評価結果を伝える際は、根拠を丁寧に説明し、今後の成長に向けたアドバイスも添えましょう。報酬と評価の連動性を高め、公平感のある制度運用を心がけてください。
働きやすさを改善する具体的な施策
労働環境の改善は、従業員の心身の健康と仕事への集中力を支える基盤となります。長時間労働の是正や有給休暇の取得促進など、働き方改革を進めましょう。
フレックスタイム制度やリモートワークの導入も、働きやすさを高める有効な施策です。業務量の適正化や役割分担の見直しも、負担軽減につながります。
マネジャー育成と1on1でエンゲージメントを高める方法
現場のマネジャーは、従業員のエンゲージメントに大きな影響を与える存在です。マネジメントスキルを向上させる研修や支援を充実させましょう。
定期的な1on1ミーティングを通じて、部下の状況把握や成長支援を行うことが効果的です。傾聴やコーチングのスキルを身につけることで、信頼関係の構築につながります。
コミュニケーション活性化と社員参加型の施策例
職場のコミュニケーションを活性化するには、対話の機会を意図的に設けることが大切です。部門を超えた交流イベントや、プロジェクトチームでの協働が効果的です。
従業員が意見を発信しやすい場を作ることも重要です。改善提案制度や社内SNSの活用により、ボトムアップの声を経営に反映できる仕組みを整えましょう。
施策の効果測定とサーベイを使ったPDCA運用の進め方
改善施策は実施して終わりではなく、効果測定と継続的な改善が不可欠です。定期的にサーベイを実施し、スコアの変化を追跡しましょう。
パルスサーベイを活用すれば、より短いサイクルで状況を把握できます。結果を現場にフィードバックし、次のアクションにつなげるPDCAサイクルを回し続けることが、エンゲージメント向上の王道です。
よくある質問
エンゲージメントサーベイと従業員満足度調査の違いは何ですか
従業員満足度調査は、給与や福利厚生などの待遇面への満足を測定するものです。一方、エンゲージメントサーベイは、組織への愛着や貢献意欲といった、従業員と企業の双方向の関係性を測定します。
満足度が高くてもエンゲージメントが低いケースもあるため、両者を区別して把握することが重要です。
エンゲージメントサーベイはどのくらいの頻度で実施すべきですか
年に1〜2回の包括的なセンサスサーベイと、月次や四半期ごとの簡易なパルスサーベイを組み合わせる方法が効果的です。頻度が高すぎると回答疲れを招く恐れがあるため、目的に応じて適切な頻度を設定してください。
サーベイ結果を社員にどこまで公開すべきですか
結果の概要や改善に向けた方針は、できる限り公開することをおすすめします。透明性を高めることで、従業員の信頼感が増し、改善活動への参加意欲も高まります。
ただし、個人が特定される可能性のある情報や、少人数部署の詳細データは慎重に扱ってください。
日本能率協会マネジメントセンターのエンゲージメントサーベイ支援サービス
エンゲージメント向上に取り組みたいが、何から始めればよいかわからないという企業も多いでしょう。日本能率協会マネジメントセンターでは、課題解決を支援する各種サービスを提供しています。
提供サービスと支援メニューの概要
日本能率協会マネジメントセンターでは、組織診断から人材育成プログラムまで、一貫した支援体制を整えています。マネジャー向けの研修や、組織開発コンサルティングなど、課題に応じたソリューションを選択できます。
長期的な人材育成の視点から、前述の『エンゲージメント実態調査』のような膨大なデータを基にした分析力に加え、現場のマネジャーを対象とした実践的な研修など、組織課題の『可視化』から『改善』までをトータルでサポートできる点が強みです。
まとめ
エンゲージメントサーベイの結果が低い場合、原因を正しく特定し、組織の状況に合った改善施策を実行することが重要です。継続的なPDCAサイクルを回すことで、着実にエンゲージメントを高められます。
- 低いスコアは業績低下や離職率上昇につながる
- 原因はビジョン浸透不足、マネジメント課題、制度の問題など多岐にわたる
- 優先順位をつけて改善施策を実行する
- サーベイを活用した効果測定と継続改善が不可欠
まずは自社のサーベイ結果を詳しく分析し、できるところから改善に着手してみましょう。
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