鹿島道路株式会社
若手社員から経営層までがきちんとつながった設計やこちらからのリクエストに、適確に応えてくれる「階層別研修」を導入

鹿島グループの1社である鹿島道路株式会社は、『新しい価値創造に挑戦し、人と地球の豊かで快適な環境づくりに貢献する』という企業理念のもと、舗装を中心に一般土木、アスファルトの合材製造、建築などの事業を展開しています。同社では階層別研修の構築にあたり、日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の「階層別研修」を導入されました。導入の経緯や導入効果、期待することなどについて鹿島道路株式会社 管理本部人事部 部長 齊藤嘉行様にお話を伺いました。
- 管理本部人事部 部長
- 齊藤嘉行 様

- 会社名
- 鹿島道路株式会社
- URL
- https://www.kajimaroad.co.jp
- プロフィール
設立 昭和33年(西暦1958年)2月18日 本社所在地 東京都文京区後楽1-7-27 主要事業 道路、滑走路等の舗装工事、防水工事、スポーツ施設、レジャー施設の建設工事及びその他の土木、建築工事の請負または受託などに関連または附帯する一切の事業
社員とその家族、協力会社を大切に
──鹿島道路について教えてください。

鹿島道路株式会社 Webサイト
鹿島道路は鹿島グループの1社として、舗装を中心に一般土木、アスファルトの合材製造、建築などの事業を展開しています。企業理念『新しい価値創造に挑戦し、人と地球の豊かで快適な環境づくりに貢献する』のもと、社員一人ひとりが地球環境保全と経済活動が両立する持続的発展が可能な社会の実現を目指しています。
そのためにも、私たちは長年にわたり蓄積された技術力や経験を活かし、様々な社会課題やニーズに的確かつ迅速に応えていきます。目まぐるしく変化する社会の中、少子高齢化、担い手確保、働き方改革、生産性向上、ICT自動化施工の取り組みにチャレンジし続けています。
今後も付加価値の高い技術・サービスの研鑽に努め、社員とその家族、協力会社を大切にし、皆様に感動してもらえる作品づくりを目指していきます。
6階層で階層別研修を実施
──鹿島道路では約10年前から日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の階層別研修を導入しています。導入の経緯を教えてください。
私は道路の現場を15年以上勤めたあとで、人事に移動しました。そして最初に手がけたのが給与制度の整備です、そして次に手がけたのが研修制度の構築になります。
いまから15 年以上前になりますが、当時は各事業所や各部門において必要に応じて研修は実施されていましたが、全社で共通した研修制度、階層別研修は整備の途上でした。
研修制度構築のために、同業他社に話を聞きに行ったり、JMAMを始めとする研修会社にいろいろと話を聞きました。
──同業他社、そして研修会社から情報収集をされたのですね。
そうですね。話しを聞く中で絶対に必要だと考えたのが、階層別研修の整備でした。
なぜ階層別研修が必要なのかといえば、工事現場のマネジメントと事業所のマネジメントは異なっています。現場を回すスキル、現場の人たちをまとめていくスキルに加えて、事業所を管理していくスキル、会社として事業を進めていくスキル、社員全員のベースとなるスキルとして身につけて欲しいと考えたのです。
正直なところ、現場ではものすごく優秀な社員でも、事業所のマネジメントになったら……、というケースがままあります。
それはその社員が成長してきた環境や働いてきた現場による部分も大きいと思います。そうしたマネジメント環境の違い、必要になることを身につけてもらい、社員として成長してほしいと考えました。
現在は入社2年目、入社5年目、S1(主任)、S2(係長)、M1(マネジメント昇格)、 M2(部長職)の6階層で階層別研修を実施しています。

当時はこのように体系だってはおらず、整備が急務でした。
階層別研修の体系をまとめて役員会でプレゼンをして、段階的に導入していくことが決りました。本当は全階層を一気に始めたかったのですが、さすがにそれは無理でした。
──どの階層から研修を始めたのですか。
主任クラスのS1から始めて、S2、M1、M2と上の階層に広げていきました。その後入社5年目、早期退職を防止する意味も含めて入社2年目と広げていきました。
ちなみに当社で行っている研修のなかで階層別研修だけ職種に関係なく実施しています。事業の特性上、技術的な研修が多く基本的に職種別になっています。
全階層で内容が充実しているのはJMAMだけ
──いろいろな研修会社にヒアリングをして階層別研修を構築されました。研修そのものをJMAMに依頼された理由を教えてください。
どこかの階層だけであれば、充実した研修内容をお持ちの研修会社はありました。でも、全階層で内容が充実しているのはJMAMだけでした。
階層別研修は継続して行うことに意味があると考えています。各階層で自身を見つめ直し、その時点の役職、立ち位置で役割を再認識して、次の役職へのイメージを作る、成長する自身のイメージをつかんでもらうことが大切です。そのためには継続して研修を実施でき、全階層に対応しているJMAMが最適でした。
もう一つの理由はJMAMには通信教育※1があることです。当社は道路の舗装など、現場が第一の会社です。以前は集合研修を実施しても、参加してもらう、来てもらうことが大変でした。そして参加しても現場から連絡が入ると、研修よりもそちらが優先されることもありました。
なんらかの理由で研修に参加できない、研修途中で中座してしまうことがあっても、JMAMの場合、通信教育の教材が参加者の手元に残ります。少なくとも教材を見てもらうことで、こちらが意図していることを伝えることができると考えました。
──各階層の対象者と狙いを教えてください。
入社2年目(対象:入社2年目の社員)
役割認識などの研修を行います。人事の狙いとしては、研修も大切ですが、早期退職防止が大きく、同期とコミュニケーションを取り、自身を含め同期の働きぶりをきちんと認識し、絆を強めてもらいたいと考えています。
職場によっては同期がいないケースもありますから、別部署の同期とコミュニケーションを取ることで、日々の不安や不満、疑問などを解消してもらいたいと考えています。
入社5年目(対象:入社5年目の社員)
5年目になると、仕事ぶりに差がついてきます。自分でうまく現場を回せる社員もいれば、まだまだの社員もいる。その差を同期が集ることで認識して欲しいと思っています。職場が違いますから、“できる、できない”は一概にいうことはできません。ただ、同期でも仕事ぶりで差があることを認識してもらい、明日からの働き方に反映して欲しいと考えています。
S1(対象:主任クラス)
実力管理者基礎コースを学んでもらいます。初めて役職がついて、後輩もできている段階です。上と下に挟まれる立場にもなりますから、役職者としてのコミュニケーションを学んで欲しいと考えています。
S2(対象:係長クラス)
マネジメントエッセンスコースを学びます。この階層の特徴は研修内容に財務を入れていることです。事業所と工場の経理的なこと、損益分岐起点を学び、自分の事業所がどれくらいの工事をすると、経費がいくらで、どれくらいの利益が出るのかをわかるようにして、興味を持ってもらえるようにしています。
なぜ財務を入れたかですが、現場で優秀な社員が、所長になって優秀とは限らないからです。単独の工事を管理することと、事業所を管理・運営することはかなり違います。その違いを知ってもらい、さらにいろいろな人をマネジメントしていくために必要なことも身につけてもらいます。
M1(対象:管理職に昇格したて、あるいは昇格する社員)
実力管理者コースを研修として学んでもらいます。本当の管理職に昇格して、管理職としての意気込とか、自分がなりたい管理職像を作り上げてもらいます。実際のマネジメント職、所長となるための基礎づくりです。
M2(対象:事業所長や部長など管理職)
MBAマネジメント、戦略マーケティングに加え、管理職として必要となる財務の知識を学んでもらいます。そして研修の最後にはグループに分れて新規事業案を作成して、役員の前でプレゼンをしてもらいます。実際に支店長や部長として会社を引っ張っていく立場になりますので、会社自体を運営していく感覚を身につけてもらいたいと考えています。

S1・M1昇格にJMAMのアセスメント※2を導入
──各階層に沿った研修の狙いが込められているのですね。S1とM1に昇格する際にJMAMのアセスメントも導入しています。導入の意図、使い方について教えてください。
自分が管理職としてどれくらいの資質があるのかを外部の試験を利用して、客観的に測ることを目的にしています。ただ、アセスメントの結果として、いいとか悪いとかではなく、自分の足りないところを知ってもらう、再確認してもらう意味で導入しています。
もともと昇格の基準や仕組みはありましたが、上長の裁量による部分もありました。それを、評価制度を作って客観的に点数で行うようにしました。そうした中で外部の試験で客観的に見ていくことも必要だと考えました。昇格試験的な意味合もありますが、落すために実施するわけではなく、自分のことを理解してもらうことがメインとなります。
──JMAMの階層別研修の導入効果を教えてください。
ここ10年くらいに入社した社員は、階層別研修を受講することは、当り前のことと捉えていると思います。この年次になったら、このクラスになったら、この階層別研修を受けるというのが共有できており、かなり浸透してきていると思います。
JMAMの階層別研修は、若手社員から経営層までがきちんとつながって設計できています。もちろん社会情勢の変化や必要となる知識や情報が変化すれば、必要なアップデートを行ってくれます。また、こちらからのリクエストに対しても、適確に応えてくれる。そういう意味では安心して研修を任せておけるのがJMAMです。
──研修内容に関しては、貴社からのリクエストもかなりあったのですか。
研修な内容に関するリクエストはいろいろと出させてもらいました。例えばS2の財務では、事業所や工場の損益分岐点を学びます。これには実際の事業所や工場の数値を使うなど、リアリティのある内容にしてもらいました。
同様に財務の内容では実際の会社の決算書を教材に組み込んでもらいました。一般論ではなく、自社により近い数値を使うことで自分ごととして感じてもらえるようにリクエストしました。
ちなみに各階層とも導入時に私はすべて受講しています。コロナ禍以降は研修もオンラインになった関係で、研修を拝見する機会が減りました。
でも2024年度に鹿島グループの研修施設がさいたま市にできましたので、今年度からはまた集合形式を中心に運用していこうと考えています。そうなれば、また研修に同席しようと考えています。
eラーニング、フレッシャーズ・ビュッフェも導入
──鹿島道路では階層別研修以外にも、JMAMからeラーニング※3、フレッシャーズ・ビュッフェ※4を導入いただいています。こちらはどのように活用されていますか。
eラーニングはコンプライアンス系の研修を中心に全社員向けに導入しています。毎年更新されていますし、そのときどきの流行りのスキルにも対応していますので、便利に活用しています。
フレッシャーズ・ビュッフェは2020年にコロナ禍となり、それまでのように集合研修で新入社員研修を実施できなくなりました。その新入社員研修の代替手段として導入しました。2024年度も引き続き継続し、集合での新入社員研修を補う位置づけで活用しています。
──JMAM並びに階層別研修などに対するリクエストや期待がありましたらお教えください。
研修内容についてのリクエストにはきちんと対応してくださいますし、必要なアップデートも毎年行ってくれています。
当社としては、階層別研修はつないでいくこと、続けていくことが大切だと考えています。研修全体を見ながら、必要となる内容の提案や新しい研修などの提案もお待ちしています。
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鹿島道路株式会社様、
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
※ 取材 2024年3月
本事例でご紹介している階層別研修について
新人・若手クラス https://www.jmam.co.jp/hrm/hub/young.html
中堅・リーダークラス https://www.jmam.co.jp/hrm/hub/leader.html
課長クラス https://www.jmam.co.jp/hrm/hub/manager.html
部長クラス https://www.jmam.co.jp/hrm/hub/director.html
経営幹部 https://www.jmam.co.jp/hrm/hub/executive.html
※1 通信教育について
https://www.jmam.co.jp/hrm/tsukyo/
※2 アセスメントについて
https://www.jmam.co.jp/hrm/assess/
※3 eラーニングについて
企業のリスク対策として求められる全社員に必要な知識やスキルから、管理職に求められるマネジメントスキルまで、アニメーションや動画でわかりやすく、手軽に学べる低価格eラーニングサービスです。
https://www.jmam.co.jp/hrm/dir/el_2022.html
※4 フレッシャーズ・ビュッフェについて
新入・若手社員に必須の235コンテンツを1年間定額で、いつでも、何度でも受講できるeラーニングサービスです。 https://www.jmam.co.jp/hrm/dir/fb.html