コラム
  • 対象: 全社向け
  • テーマ: 研修/教育
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内部統制とは?わかりやすく解説|社員教育で伝えるポイント

内部統制とは?わかりやすく解説|社員教育で伝えるポイント

内部統制という言葉を耳にする機会が増えていますが、その本質を正しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。企業の不正会計や情報漏洩などの問題が相次ぐ中、組織を健全に運営するための仕組みとして内部統制の重要性が高まっています。

この記事では、内部統制の基本的な考え方から、具体的な構築手順、そして人事・人材育成担当者が押さえておくべきポイントまでをわかりやすく解説します。組織全体で取り組むべき内部統制の全体像を把握し、実践に活かせる知識を身につけていきましょう。

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内部統制とは何か?基本的な定義と目的を理解しよう

内部統制は企業経営において欠かせない仕組みですが、その定義や目的を正確に把握している方は多くありません。まずは基礎から確認していきましょう。

内部統制の基本的な定義

内部統制とは、企業が経営目標を達成するために、組織内のすべての人が業務に組み込んで遂行する仕組みのことです。単なるルールやマニュアルの整備ではなく、組織全体で機能するプロセスとして捉える必要があります。

この仕組みは、経営者だけが担うものではありません。取締役会や監査役、そして現場の従業員一人ひとりが、それぞれの役割の中で内部統制に関わっています。日々の業務の中に統制の考え方が浸透することで、初めて効果を発揮するのです。

内部統制が達成を目指す3つの目的

内部統制には、達成すべき3つの目的が定められています。1つ目は業務の有効性と効率性で、事業活動の目標を効果的かつ効率的に達成することを指します。これには、資産を不正や損失から守る「資産の保全」も含まれます。

2つ目は財務報告の信頼性です。財務諸表や経営成績などの報告が正確であり、信頼できることを保証します。3つ目は法令等の遵守です。事業活動に関わる法律や規制を守ることは、企業存続の大前提となります。

これら3つの目的は相互に関連しており、これらを達成するために「統制環境」や「モニタリング」といった5つの構成要素を適切に整備・運用することが求められます。

なぜ今、内部統制が重要視されているのか

内部統制への注目が高まった背景には、過去の企業不祥事があります。アメリカではエンロン事件をきっかけに内部統制の強化が進み、日本でも2008年に金融庁が財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準を策定しました。

現在では上場企業を中心に内部統制の整備・運用が義務化されています。IPOを目指す企業にとっても必須の要件となっており、企業統治の根幹を支える仕組みとして定着しています。社会からの信頼を獲得し、持続的な成長を実現するために、内部統制は不可欠な存在となっているのです。

内部統制を構成する6つの基本的要素

内部統制は6つの要素で構成されており、これらが相互に関連しながら全体として機能します。それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。

統制環境は内部統制の土台

統制環境は、他の5つの要素の基盤となる最も重要な要素です。組織の誠実性や倫理観、経営者の姿勢、経営方針、取締役会や監査役の機能、組織構造、権限と職責の配分、人的資源に関する方針など、幅広い内容を含んでいます。

どれほど優れたルールやシステムを導入しても、組織文化や経営者の意識が伴わなければ効果は限定的です。統制環境が健全であってこそ、他の要素が正しく機能するのです。

リスクの評価と対応で脅威に備える

企業活動には常にさまざまなリスクが伴います。内部統制では、事業目標の達成を妨げる可能性のあるリスクを特定し、その影響度や発生可能性を評価したうえで、適切な対応策を講じることが求められます。

リスク対応には、リスクを回避する、軽減する、移転する、受容するといった選択肢があります。事業環境の変化に応じて継続的にリスクを見直し、対応策を更新していくことが大切です。

統制活動は具体的なルールと手続き

統制活動とは、経営者の命令や指示が適切に実行されることを確保するための具体的な方針と手続きです。承認や決裁のルール、職務分掌、記録の照合、資産管理、システムへのアクセス制限などが該当します。

たとえば、一人の担当者が発注から支払いまでをすべて行えないように職務を分離することで、不正やミスを防ぐ仕組みを作ります。業務プロセスの中に統制活動を組み込むことで、日常的にリスクをコントロールできるようになります。

情報と伝達で組織全体に共有する

内部統制が機能するためには、必要な情報が適切なタイミングで関係者に伝達される必要があります。経営者の方針や指示、業務に関する情報、リスクに関する情報などが、組織内で円滑にやり取りされることが重要です。

また、外部からの情報を適切に取り込み、外部に対して必要な情報を発信することも含まれます。情報伝達の仕組みが整っていなければ、せっかくの統制活動も機能不全に陥る可能性があります。

モニタリングで有効性を確認する

モニタリングとは、内部統制が有効に機能しているかを継続的に監視・評価する活動です。日常的に業務の中で行われる監視と、定期的に実施される独立的な評価の2種類があります。

問題点が発見された場合は、速やかに是正措置を講じることが求められます。内部統制は一度構築すれば終わりではなく、継続的な改善が必要な取り組みなのです。

ITへの対応でデジタル時代に適応する

現代の企業活動において、情報技術は欠かせない存在となっています。ITへの対応とは、業務にITを適切に活用し、IT環境に対応した統制を整備・運用することを指します。

システムへのアクセス管理、データの完全性確保、サイバーセキュリティ対策など、IT特有のリスクに対処することが求められます。デジタル化が進む中で、この要素の重要性はますます高まっています。

内部統制を構築するための具体的な手順

内部統制の重要性を理解したら、次は実際に構築していく方法を押さえましょう。段階を追って進めることで、着実に整備を進められます。

方針策定と責任体制の明確化から始める

内部統制の構築は、まず基本方針の策定から始まります。取締役会が内部統制に関する基本方針を定め、経営者がその整備と運用の責任を担います。目的や範囲、責任体制を明確にすることが出発点です。

方針策定においては、自社の事業特性やリスク状況を十分に考慮することが重要です。画一的なアプローチではなく、自社に適した内部統制のあり方を検討する必要があります。

責任者の編成と教育を行う

方針が定まったら、内部統制の推進体制を整えます。経営者直下に内部統制の推進責任者を置き、各部門の担当者を選任することで、組織横断的な取り組みが可能になります。

担当者への教育も欠かせません。内部統制の目的や意義、具体的な手順について理解を深めてもらうことで、現場レベルでの実践力が高まります。人事・人材育成部門の役割も非常に重要です。

現状分析と改善計画を立てる

次に、現状の業務プロセスや統制状況を可視化します。どのようなリスクが存在し、どのような統制が行われているかを把握することで、改善すべきポイントが明らかになります。

現状分析の結果をもとに、改善計画を策定します。優先順位をつけて段階的に進めることで、無理なく内部統制の整備を推進できます。スケジュールや担当者を明確にした計画書を作成しましょう。

整備と運用を継続的に改善する

計画に基づいて統制活動を整備し、実際の業務に組み込んで運用を開始します。マニュアルの整備、承認フローの見直し、システム設定の変更など、具体的な施策を実行に移します。

運用開始後は、定期的にモニタリングを行い、問題があれば改善を図ります。内部統制は継続的なPDCAサイクルの中で成熟していくものです。一度構築して終わりではなく、環境変化に応じて進化させ続けることが大切です。

内部統制における人事・人材育成担当者の役割

内部統制の成功には、人事・人材育成部門の積極的な関与が不可欠です。統制環境の構築において、人に関する施策が大きな影響を与えます。

統制環境を支える人的資源管理

統制環境の重要な構成要素の一つが人的資源に関する方針と管理です。採用、配置、評価、教育訓練、報酬といった人事施策が、組織の誠実性や能力に直接影響を与えます。

適切な人材を採用し、公正な評価制度のもとで育成・処遇することで、従業員の倫理観やモラルが高まります。不正を起こしにくい組織文化を醸成するうえで、人事部門の役割は極めて重要なのです。

内部統制に関する教育研修を企画する

内部統制を組織全体に浸透させるためには、継続的な教育研修が欠かせません。コンプライアンス研修やリスク管理研修、職位に応じた階層別研修など、さまざまなプログラムを通じて意識と知識を高めていきます。

研修は単発で終わらせず、定期的に実施することが効果的です。新入社員から管理職まで、それぞれの立場で求められる内部統制への理解を深める機会を提供しましょう。

職務分掌と権限設計に関与する

統制活動の基本である職務分掌は、人事部門が深く関わる領域です。一人の担当者に権限が集中しないよう、適切に職務を分離し、相互牽制が働く組織設計を行います。

異動や昇格の際にも、内部統制の観点からチェックを行うことが求められます。特定の業務に長期間携わることによる不正リスクを軽減するため、計画的なジョブローテーションも有効な施策となります。

内部統制のメリットと注意すべきポイント

内部統制の導入には多くのメリットがある一方で、注意すべき点も存在します。バランスの取れた運用を心がけることが成功の鍵となります。

内部統制がもたらすメリット

内部統制を適切に整備・運用することで、不正やミスの防止が期待できます。統制活動によって業務プロセスの透明性が高まり、問題の早期発見と対処が可能になります。

また、財務報告の信頼性が向上することで、投資家や取引先からの信頼獲得につながります。法令遵守体制の強化は、コンプライアンス違反による社会的信用の失墜を防ぐことにも寄与します。結果として、企業価値の向上と持続的な成長を支える基盤となるのです。

過度な統制がもたらすリスク

一方で、過度な統制には注意が必要です。承認プロセスが複雑になりすぎると、業務効率が低下し、意思決定のスピードが損なわれる可能性があります。

現場の従業員にとって、統制活動が過大な負担となれば、形骸化を招くおそれもあります。リスクの大きさに応じて統制の程度を調整し、コストと効果のバランスを考慮した運用を心がけることが大切です。

継続的な改善が成功の鍵

内部統制は、構築して終わりではありません。事業環境の変化、法規制の改正、組織の成長に伴い、継続的な見直しと改善が求められます。

モニタリングを通じて発見された課題に対して、迅速に是正措置を講じる体制を整えておきましょう。経営層のコミットメントのもと、組織全体で内部統制の改善に取り組む姿勢が、長期的な成功につながります。

よくある質問

内部統制と内部監査の違いは何ですか?

内部統制は、業務プロセスの中に組み込まれた予防的な仕組みであり、日常的にリスクをコントロールすることを目的としています。一方、内部監査は、内部統制を含む業務全般が適切に運営されているかを独立した立場から検証する活動です。内部統制が日常的な予防策であるのに対し、内部監査は事後的な検証という性質を持っています。

中小企業でも内部統制は必要ですか?

上場企業のような厳格な内部統制報告制度の対象でなくても、中小企業にとって内部統制は重要です。企業規模に関わらず、不正やミスの防止、業務効率の向上、法令遵守は経営の基本となります。自社の規模やリスクに応じた適切なレベルの内部統制を整備することで、健全な経営基盤を築くことができます。

内部統制の構築にはどのくらいの期間がかかりますか?

企業の規模や業種、現状の整備状況によって大きく異なりますが、本格的な内部統制の構築には1年から2年程度かかるのが一般的です。ただし、一度構築すれば完了というものではなく、継続的な改善が必要です。段階的に整備を進め、優先度の高い領域から着手することで、着実に体制を整えていくことができます。

内部統制の構築と運用において、従業員への教育は欠かせない要素です。特にコンプライアンス意識の醸成やハラスメント防止は、統制環境を支える重要なテーマとなります。

組織の健全性を守る「自律型人材」をJMAMのeラーニングで育成する

内部統制を単なる形式的なルールに終わらせないためには、従業員一人ひとりが「なぜこのルールが必要なのか」を正しく理解し、自律的に行動する文化が不可欠です。専門機関の知見が詰まったeラーニングを活用することで、法改正などの最新情報を反映しながら、全社的なコンプライアンス意識を低コストで効率的に底上げできます。

統制環境を強化する「日本能率協会マネジメントセンター」の教育ソリューション

日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が提供するeラーニングサービスは、内部統制の要となるコンプライアンス意識やリスクマネジメントを、階層別に深く学べるよう設計されています。

職務分掌の重要性や不正防止のメカニズム、ハラスメントによる組織リスクなど、実務に直結するケーススタディを豊富に収録。単なる知識の暗記ではなく、日常業務の中で「リスクに気づき、正しく動く」ための自律的な思考を養うことで、内部統制の実効性を現場レベルから高めます

モニタリングと改善を支援する、一貫した運用サポート

内部統制の要素である「モニタリング」においても、eラーニングの受講データは客観的な評価指標として活用可能です。JMAMでは導入設計から運用、さらには受講後の定着化まで一貫してサポートするため、人事担当者の工数を抑えながら確実な教育サイクルを回せます。

「組織の誠実性をどう高めるか」という、内部統制の最も根幹となる課題に対し、豊富な実績に基づいた具体的なヒントを提供します。自社のリスク特性に合わせた最適な学習プランの構築に向けて、まずは情報収集の一環として専門スタッフに相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

内部統制は企業が健全に運営されるための仕組みであり、6つの基本的要素が相互に関連しながら4つの目的の達成を支えています。人事・人材育成担当者は、統制環境の構築や教育研修の企画を通じて、内部統制の成功に大きく貢献できます。

  • 内部統制は業務の有効性、報告の信頼性、法令遵守、資産保全の4つの目的を達成するための仕組み
  • 6つの基本的要素のうち、統制環境が他の要素の基盤となる最も重要な要素
  • 構築は方針策定から始め、責任体制の整備、現状分析、継続的改善のサイクルで進める
  • 人事部門は人的資源管理と教育研修を通じて内部統制の浸透に貢献できる
  • 過度な統制を避け、リスクに応じたバランスの取れた運用が成功の鍵

まずは自社の内部統制の現状を把握することから始めてみましょう。現場の業務プロセスを見直し、改善すべきポイントを特定することで、より強固な組織基盤を築くことができます。

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文責:JMAM HRM事業 編集部
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