インタビュー事例

コニカミノルタジャパン株式会社 奈良 孝一氏 マーケティングサービス事業統括部 空間デザイン部 セールス1グループ グループリーダー
Interview

マインドは
繰り返し伝える

コニカミノルタジャパン株式会社 奈良 孝一

マーケティングサービス事業統括部
空間デザイン部 セールス1グループ グループリーダー

インタビュイーの所属・役職名および以下概要は、インタビュー当時のものです。
(本調査のインタビュー実施期間:2020年12月~2021年2月)
内容は掲載をご許可いただいた範囲で、記事の形式とするため、見出しを追加し、⼀部順序や表現が再構成されています。

オフィスの複合機を販売する会社として広く知られているコニカミノルタジャパンは、未来の「はたらく」をデザインするために、自社で実践した働き方改革のノウハウをもとに、理想の働き方の実現に向けたオフィスデザイン、ICT、文書管理などをワンストップで支援するオフィスデザイン事業を展開している。同事業は、社内ベンチャーとしてゼロからスタートしたが、2020年には、約13億円の売り上げを計上する事業に成長。コロナ禍で経済が冷え込んだ状況下でも、独自の抗菌商材「デルフィーノ」やオフィスの縮小移転に対応したライトサイジングサービスの展開など、ビジネス環境の変化に対応しながら業績を伸ばし続けている。

奈良孝一さんは、このオフィスデザイン事業を主管する「空間デザイン部」で、セールス1グループのグループリーダーを務めている。前職の什器メーカーでの経験を経て、同社に転職。現在は、空間デザイン部で、オフィスデザイン事業の成長を営業面で支えている。チーム全員のベクトルを合わせ、成果を上げる手腕は社内でも評判が高い。

シェアド・リーダーシップを重視するようになるまでの経緯

メンバーに寄り添いつつも伝えるべきは伝える
そのバランスがつかめたときに管理職としての成長を実感

管理職就任前

管理職になる前は、どのようなリーダーになりたい、あるいはなりたくないと思っていましたか?

管理職を初めて経験したのは前職のときです。管理職になる前は、身近にいる先輩が一番の目標でした。明確な志を持つ方で、話すことは、いつも筋が通っており、管理職になるなら、自分もこんなふうになりたいと思っていました。

逆になりたくないと思っていたのは、現場をよく理解せず、上からの指示をそのまま現場に落とすだけの上位志向が強いタイプの管理職です。

初めての管理職就任時

管理職に就任することが決まったときは、どのような気持ちでしたか?

責任の重みをズシッと感じました。管理職は、一般職とは権限、裁量がまったく異なり、その分、成果を出す責任が格段に重くなります。メンバーに対しては、仕事の与え方で、キャリアデザインなど人生の一部に関わることになります。そうした点で、就任が決まったときは「しっかりと責任をもってやっていかなくては」と思いました。

管理職に就任し、プレイヤーのときとの違いをどのようなところで感じましたか?

プレイヤーのときは、自分の売り上げ目標を達成し、守備範囲の役割を実行していればよかったので、いま思えばシンプルでした。管理職になると、自分だけではなくメンバーにも動いてもらわなければなりません。その際、会社が実現したい目標や理念を、メンバーがしっかり理解できるよう噛み砕いて伝えないと、メンバーは動いてくれません。また、関連部署との様々な調整に頭を悩ませることもあります。タテやヨコと現場の間に立って、メンバーが動きやすいように調整を図らなければならない点が大きく異なると感じました。

管理職に就任後、現在のようにチームメンバー全体のリーダーシップを醸成できるようになるまでには、どのような紆余曲折がありましたか?

私は、もともと自分が先頭に立ってチームをけん引していくタイプではなく、どちらかというと、メンバーとともに汗を流すタイプの管理職です。性格的にも温和な方で、部下に対して強くアプローチすることはありませんでした。

ところが、管理職になったばかりのころは、私のこうしたアプローチが裏目に出てしまうこともありました。いつもメンバーを大事にしすぎるあまり、管理職としてのメッセージの発信が弱いと指摘されることがありました。管理職になると、気負って強く出すぎてしまうという方もいると思うのですが、私の場合は逆のパターンです。メンバーに寄り添いすぎてしまい、剛柔のバランスをつかむのに苦労しました。そこから、自分の意見や考えについては明確に伝えるよう、徐々にメリハリをつけることを意識しました。自分にはなかった言動や態度の引き出しだったので、本当に少しずつ変わっていったという感じです。

自分では頑張ってメッセージを強く、明確に発信しているつもりでも、初めのうちはうまく伝わらないことも多かったです。しかし、意識して続けているうちに、徐々に言うべきことは言う、メンバーが間違った行動をしていたら是正するといったこともできるようになっていきました。

メンバーに寄り添いつつも、伝えるべき点は伝えるというバランスがうまくとれるようになったころ、周りのメンバーの信頼感も高まっていき、私自身、管理職としての成長を実感できるようになりました。

コニカミノルタで手掛けるオフィス空間例
試行錯誤の末、管理職としての成長を実感できるように

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