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    リモート時代の新入社員(Z世代)が抱える成長課題と不安
    若手社員に共通する「組織社会化」の滞りをいかに解決していくかが鍵
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【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021】Vol.2
リモート時代の新入社員(Z世代)が抱える成長課題と不安
若手社員に共通する「組織社会化」の滞りをいかに解決していくかが鍵

ニュースリリース

 株式会社日本能率協会マネジメントセンター(代表取締役社長:張士洛、東京都中央区、以下JMAM[ジェイマム])は、2020~2021年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員の計2,068名に対し、新入社員の意識と行動、指導者の指導と育成に関するアンケート調査「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021」を実施しました。今回は、2021年調査結果からみる「調査結果で見えたイマドキの新入社員・若手社員の成長課題」について一部抜粋してお知らせします。なお、本調査リリースは4回に分けて配信いたします。今回は第2回目となります。

 新入社員が課題・不安に感じること(全21項目から選択)について「内定時~配属前」と「配属1~3ヵ月後」「配属6ヶ月~12ヵ月後」に分けて回答してもらいました。調査の結果、2020年と比較して「組織社会化(※)」がうまく進んでいない状態にあることがわかりました。これは、テレワークなどの普及・増加により職場との接点の減少、1人仕事の増加などが要因であると推測できます。

 増加した「課題・不安に感じていること」を時期別にみると、内定~配属前では「自分の殻を破れず、職場になじめない(前年比+8.7%)」「わからないことを聞けない(前年比+7.5%)」、配属1~3ヵ月後では「プライドが傷つき、自信をなくす(前年比+5.6%)」「この会社で自分が成長していけるのかどうか(前年比+4.6%)」、配属6~12ヵ月後では「上司・先輩と良い関係が築けない(前年比+8.5%)」「大勢の前で上手く話せない(前年比+5.0%)」などが挙げられます。

※「組織社会化」とは、新しく組織に加わったメンバーが必要な意識・知識・技術などを獲得し、組織に適応していくプロセスのこと

<調査概要>
調査方法: インターネット調査    調査時期: 2021年6月    調査地域: 全国
有効回答: 2,068名。2020~2021年に入社した新入社員1,020名、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員1,048名
     (新入社員は、例年比較のため企業規模501名以上の大卒の686名に母数を絞って集計)

調査結果(一部抜粋)

■時期別にみる新入社員が課題(不安)と感じていたこと

回答母数:21年入社者=343名 20年入社者=258名 19年入社者=157名

【内定~配属前】
 新人の3人に1人が生活のリズムが掴めず、4人に1人が「仕事が自分に合っているか」を悩んでいる。
 職場との接点減少により、社内の人間関係構築や仕事、キャリアなどの今後の見通しが立ちづらくなっている
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 内定から入社後すぐの状況としては、例年と変わらず「社会人としての生活リズム」に課題や不安を感じる結果となりました。一方で、コロナ禍前後の回答結果を比較してみると、テレワークにおける課題や不安が顕在化していることがわかります。特に「自分の殻を破れず、職場になじめない」「わからないことを聞けない」「上司・先輩と良い関係が築けない」などテレワークなどによる対面(コミュニケーション量)の減少や配属時期の後ろ倒しなどの影響により、職場との接点が減少したことで、社内の人間関係構築や仕事、キャリアなどの今後の見通しが立ちづらくなっていることがわかります。

【配属1~3ヵ月後】
 リモートによって1人仕事が増えた影響下において、感情処理の課題が増加。
 生活リズムは整うも、配属後も約5人に1人が成長への不安を抱える。
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 配属されて間もない時期の課題・不安もコロナ禍の影響を大きく受ける結果となりました。本調査では新入社員、指導者側双方の40%がテレワーク(在宅勤務)中心に移行したことがわかりました。その影響もあり、生活リズムは整うも、1人仕事が増えた影響か、感情処理の課題が増加する結果となりました。また、具体的な仕事内容や業務手順が把握できていないため、業務経験を通じたキャリア形成や課題認識ができる状態ではないことが明らかになりました。

【配属6~12ヵ月後】
 成長への不安や焦り、仕事への不安を抱える状態が続く中、周囲との人間関係が築けない、相談できない課題が大きくなっている
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 働く場所や時間の自由度が増すメリットは大きい一方で、新入社員が成長していく過程において重要な実体験を通じた「学び」や「指導育成(OJT)」の機会損失が発生していることがうかがえます。配属から半年以上経った時期でも、いわゆる「組織社会化(※)」がうまく進んでいない状態にあることがわかります。こうした自社や組織への適応がうまくいかないと新入社員はリアリティショックに直面し、帰属意識、自己肯定感の形成などができないことによる退職やメンタル不全に陥ることにもつながります。まずは職場の上司・先輩を中心とした受け入れ側が新入社員との対話を増やしながら、小さな成功体験の積み重ねやキャリア形成ができる状態にしていくことが重要といえます。

※「組織社会化」とは、新しく組織に加わったメンバーが必要な意識・知識・技術などを獲得し、組織に適応していくプロセスのこと

■社会人として身につけたい「仕事の基本要素」における期待と課題

 経済産業省の提唱する「新・社会人基礎力」やJMAMのノウハウから、入社3年目までに保有しておきたい知識・能力を30項目に整理しました。その項目に対して、新入社員と上司・先輩それぞれに期待されていると思うこと/期待していることを回答してもらいました。

<新入社員と上司・先輩の認識ギャップ>
上司・先輩は「基本行動」や「考え方と態度」に関する項目を期待していますが、新入社員はそれほど認識していません。一方で、「前に踏み出す力」を期待されていると認識しており、両者の認識ギャップがみられました。ギャップを解消するためには、指導側が対話やフィードバックを促進し、新入社員側の自己認識を高めながら両者で成長イメージや課題をきちんと共有することが重要であるといえます。

【総括】これからの新入社員・若手社員の成長支援は、環境適応力を高めるテーマを重視する

 いままでの新入社員・若手社員への期待は、決められた仕事をきちんと遂行するために必要な「基本の型(ビジネスマナー・仕事の進め方など)」を習得することでした。もちろん、このテーマは今後も基礎教育として重視されるものです。一方で、これからは環境変化に柔軟に適応していくために「創造的な発想で、新たな解決策をもたらすための考え方やスキル」が重要視されていくといえます。
 上記の考え方やスキルを獲得するためには「他者」や「経験」からの学びを繰り返すことが有効であるため、「個別最適な成長支援」「小さな成功体験の積み上げ」「振り返る機会(場)の設定」などを通じた「アウトプット重視の設計」へアップデートしていくことが求められます。

 

 

本件に関するお問合せ先

【報道関係 お問合せ先】
株式会社日本能率協会マネジメントセンター 広報担当
E-mail: PR@jmam.co.jp