「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025」調査結果公開
新入社員に聞く!「働き方」と指導者の「接し方」
70%が「今の会社で働き続けたい」、調査開始以来、最高値に!
67%の上司・先輩が「新人ガチャ(67.3%)」を実感、広がる現場の「育成疲労」も明らかに
ニュースリリース
株式会社日本能率協会マネジメントセンター(代表取締役社長:張 士洛、東京都中央区、以下JMAM[ジェイマム])が展開する企業・個人向けの教育・研修メニューを提供する人材育成支援事業部では、2024年から2025年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員計2,674名を対象に「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025」を実施しました。本調査は2016年から開始し、今回で10回目を迎えました。
「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査」は、新入社員の「働き方」に関する価値観や期待を入社年次や経年比較を通じて明らかにするとともに、上司・先輩社員の結果と対比することで、世代間(Z世代、ミレニアル世代、氷河期世代、バブル世代)にみられる意識や行動の違いを紹介してきました。一方、新入社員を育成する上司・先輩社員自身の成長実感や「育成が上手な人の特徴」も分析しています。
今回は最新調査結果をもとに「若手が育つ環境づくり」に関する考察と提案を行います。今後の新入社員育成と職場支援にぜひお役立てください。
<調査結果サマリー>
- 70%が「現在の会社で働き続けたい」。調査開始以来最高に!
会社の中で長く活躍するために、キャリア意識向上と「ありたい姿」「貢献領域」を見出す支援が必要<図1~4> - 指導者の67%が感じる「新人ガチャ」!
現場で交錯する想いと上司・先輩の「育成疲労」
育成担当者への支援強化による、組織成長を考える<図5~7> - デジタルネイティブの死角!在宅勤務者の課題1位は「パソコンやITスキルの欠如」
基礎的なビジネスITスキルの習得支援が急務<図8~10>
■調査概要
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査対象 | 2024年から2025年に入社した新入社員、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員 |
| 有効回答 | 2,674名(新入社員1,085名、上司・先輩社員1,589名) |
| 調査時期 | 2025年6月 |
本調査報告書の無料DLはこちらから:https://www.jmam.co.jp/brochure/1293556_2381.html
■調査結果ハイライト
●70%が「現在の会社で働き続けたい」。調査開始以来最高に!
会社の中で長く活躍するために、キャリア意識向上と「ありたい姿」「貢献領域」を見出す支援が必要
新入社員の「就社志向(現在の会社でずっと働きたい意向)」は年々高まっています。今回の調査で「現在の会社でずっと働きたい」と回答した新入社員は、調査開始以来最も高い70.9%(20年比:+21%)でした<図1>。就社志向の高まりを裏付ける結果として、今後の働き方については「今の会社の事業の中で成長したい」(73.8%)が上昇しているとともに<図2>、仕事の評価については成果・生産性よりも「何時間働いたか・何年勤続したかを考慮して評価されること」を望む声が年々増加している点にも注目です<図3>。一方で、自律的にキャリアを開発していく意識は、2022年では89.2%でしたが年々低くなっており、今回の調査では65.3%まで低下しました<図4>。
安定した雇用の中で評価され、成長していきたいという意向は「終身雇用」の支持にも繋がっていると推測しますが、同じ会社で勤め上げるとしてもキャリア意識を持つことはとても大切です。高い就社志向を持って入社した新入社員が会社の中で長く活躍するためには、個人のキャリア観を高め、その中で企業が個人の“ありたい姿”と“貢献できる領域”を見出すような指導育成が必要かと思います。

●指導者の67%が感じる「新人ガチャ」!現場で交錯する想いと上司・先輩の「育成疲労」
育成担当者への支援強化による、組織成長を考える
希望する部署や勤務地に配属されなかった、いわゆる「配属ガチャ」を感じた新入社員は48.1%でした<図5>。一方、配属された新入社員に当たり外れがある、いわゆる「新人ガチャ」を感じた上司・先輩社員は67.3%でした<図6>。人材不足かつ売り手市場により、採用競争が激化するなか採用した貴重な新入社員にも関わらず、現場では育成に翻弄される上司・先輩社員の様子がうかがえる結果となりました。また、新人指導を通じた上司・先輩社員自身の成長実感は59.7%と、2018年をピークに下降傾向にあり、現場の「育成疲労」が垣間見える結果となりました<図7>。
現場で新人育成に奮闘する上司・先輩社員への指導・育成を強化することが、組織全体の成長に繋がるのではないかと考えます。

●デジタルネイティブの死角!在宅勤務者の課題1位は「パソコンやITスキルの欠如」
基礎的なビジネスITスキルの習得支援が急務
新入社員の57.7%が「感情が介入する人間の指導より、生成AIの方が効率よく学べる」と回答し、AIへの順応の高さを示しました。一方で、新入社員が仕事において課題・不安に感じることについて、「内定時~配属前」と「配属1~3ヵ月後」「配属6~12ヵ月後」に分けて聞いたところ、いずれの時期でも「パソコンやITのスキルがない」が上位5位以内に挙げられ、昨年の調査より大きく順位が上昇しました。とくに入社1年目の主な勤務先が「在宅」だった人においては課題の第1位に挙げられる結果となりました。「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代であっても、ビジネスに必要なITスキルの習得支援が急務であることが明らかになりました。

■調査担当者のコメント:現場に広がる「育成疲労」を超えるために
「就社志向が高まりながらも「自分らしく働きたい」と考える傾向が一層強まった2024・2025年の新入社員。本調査では、キャリア観や学びの意欲、上司との関係性など、若手層の意識と行動の変化が明らかになりました。一方で、指導者側は新入社員や若手社員に残業をあまりさせないために、自身の業務負担が増え、「育成疲労」のような状態が広がりつつあります。AIが働き方を変え、人と人の関係が再定義される中、いま求められているのは、「支援される側」と「支援する側」がともに学び合い、ともに成長する組織への転換です。
報告書では、経年比較から浮かび上がった課題をもとに、8つの観点で提言と考察をまとめています。今後の新入社員(Z世代)の育成と職場支援にお役立てください。

株式会社 日本能率協会マネジメントセンター
ラーニングマーケティング本部 本部長 斎木 輝之
営業、マーケティング部門を経て、企業の「組織開発」や「人材開発」の支援をおこなう。新人・若手や管理職の育成、エンゲージメン向上などに関するテーマでは意識調査、新サービス開発、セミナーなど幅広く担当。セミナーの参加企業は延べ2,500社を超え、新聞、雑誌など多数のメディアでも紹介されている。
■調査報告書「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025」の無料ダウンロードはこちら
本リリースでご紹介した結果の他にも、Z世代、ミレニアル、氷河期、バブル期のそれぞれの世代からみた各世代の特徴比較やZ世代に対する具体的な成長支援、重視したい現場・人事の関わり方などをまとめた調査報告書「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025」はこちらよりダウンロードいただけます。
https://www.jmam.co.jp/brochure/1293556_2381.html
本件に関するお問合せ先
【報道関係 お問合せ先】
日本能率協会マネジメントセンター 広報担当
阿部 友輝
E-mail: PR@jmam.co.jp