調査・アンケート

社会人の「学び」に関する 実態・意識調査

人生100年時代、今求められる社会人の「学び」
「学びたい」社会人は9割、ただし認識や動機は多様に
ー世代別や仕事の成果が出ている人から「学び」をひも解く

株式会社日本能率協会マネジメントセンター(代表取締役社長:張士洛、東京都中央区、以下JMAM[ジェイマム])は、バブル期世代、就職氷河期世代、ミレニアル世代、ジェネレーションZ世代のビジネスパーソン1,604人を対象に、学びに関するアンケート調査を実施しました。このたび、結果内容を一部抜粋してお知らせします。
 人生100年時代の到来に加え、テクノロジーの進化や市場が変化していく中、目的や状況に応じた「学び」が今一人ひとりに求められています。しかし、自分に合った「学び方」や「テーマ」を自律的に考え、仕事の成果に繋げることは容易ではありません。そこで今回は、個人と組織が適切に「学び」をデザインしていくための考え方や、「学び」の環境づくりのポイントを明らかにするために、調査を実施しました。

調査概要

調査方法: インターネット調査
調査地域: 全国
有効回答: バブル期世代(1969年以前の生まれ)  412名
就職氷河期世代(1969年~80年生まれ)   412名
ミレニアル世代(1981年~93年生まれ)   412名
ジェネレーションZ世代(1994年以降生まれ)368名
調査期間: 2018年10月
調査構造: 学びの実態を明らかにするため、顕在的な行動のベースとなる内面と外面を分けて調査
       項目を設計。

調査結果(一部抜粋)

ビジネスパーソン全体の学びの傾向

1.【学びの認識】重要度は高いが、計画的ではない
学びの「重要性」や「必要性」に関する質問ではいずれも90%近くがポジティブな回答の一方、学びの「投資金額」や「場所や時間」を決めて学びを実践する割合は30%程度に留まっています。ビジネスパーソンの多くが学びに対して重要度を認識していますが、計画的な実践までには至っていないようです。

2.【学びの結果】仕事自体は満足しているが、サポートには不満がある
学びを通して「やりたい仕事に関われている」「持ち味を発揮できている」「成果が出ている」という回答は60%程度となり、半数以上のビジネスパーソンが学びを通して仕事の成長実感を持っている結果となりました。一方、学びに関して組織から受けたサポートは「満足している」が40%にとどまり、組織のサポートには少なからず満足をしていないことがうかがえます。

世代別の学びの傾向

1.ジェネレーションZ世代:【学びの動機】「身近」と「憧れ」の両面から影響を受けやすい
ジェネレーションZ世代が影響を受ける人は、友人や職場の上司など「身近」な存在である一方、他の世代よりも小説やテレビなどの登場人物、スポーツ選手など「憧れ」の存在からも影響を受ける割合が高い結果となりました。その中でも特に、YouTuberなどインフルエンサーという「身近」かつ「憧れ」から影響を受けやすいことは、ジェネレーションZ世代ならではの特徴と言えます。

2.ミレニアル世代:【学びの認識】学びへの投資意欲が最も高い世代
ミレニアル世代は、学びに投資する金額を「決めている」と回答した割合が32.3%と全世代のなかで最も高い結果でした。また、実際に学びへ投資している金額も「かけている」の回答が唯一半数を超える世代でした。

3-1.就職氷河期世代:【学びの結果】「やりたい仕事への関わり」や「使える時間」の実感が少ない
就職氷河期世代では「やりたい仕事に関われている」「働き方改革の影響で学びに多くの時間を使えるようになった」と回答した割合が、全世代の中で最も低い結果となりました。世代的に“中間管理職”ポジションのビジネスパーソンが多く、やりたい仕事への関わり度合いや、使える時間が少ない世代なのかもしれません。

3-2.就職氷河期世代:【学びの認識】「学び」を自らの意思でおこなっている割合が最も高い
就職氷河期世代では「学びは自分の意思でおこなっている」と回答した割合が、全世代の中で最も高い結果となりました。

4.バブル期世代:上司との関わりが動機づけになりにくい世代
バブル期世代は、「上司」との関わりが動機づけにつながる割合が全世代で最も低い結果となりました。逆にモチベーションに影響を与える度合いが高い結果となったのは、「報酬が得られる(84.2%)」「人事評価へ反映される(78.2%)」でした。このことから、仕事に対してはしっかり外的報酬につながるか否かを重要視していることが伺えます。

ハイパフォーマーの学びの傾向

※ハイパフォーマー:「学びを自分の意思でおこなっている」、「仕事の成果が出ている」という設問に対して
          実感している度合いをそれぞれ6段階で自己評価してもらった中での上位2段階のグループ
「仕事の成果が出ている人」の学び方:しっかりと「振り返り」をおこなっている
「仕事の成果が出ている人」は、76.4%が振り返りとおこなっていて、成果を実感していないグループに比べて、41.3%も高い結果となりました。また、おこなっている振り返りの上位は「他者に教える」「職場メンバー全体で共有する」といった行動をとっていることがわかりました。

提言

個人そして企業が「学び」を適切にデザインするための考え方や、環境づくりを行うためにはどうすれば良いでしょうか。

1.一律ではなく、異なる価値観に寄り添った支援を
人材の能力開発支援を行う上で、重要となるのは個人の価値観への対応です。本調査では、内面と外面のいずれも世代によって異なることがわかりました。
組織は従業員へ一律の支援ではなく、世代ごとに異なる価値観に寄り添った支援が求められています。

2.重要なのは「育てる」のではなく、「育つ」環境づくり
本人の「あるべき姿」や「ありたい姿」を実現するためには、段階的に能力開発の支援を行うことが有効です。自社のおかれている現状については、下図「能力開発の5段階」によって捉えることがポイントとなります。教育施策や日常指導を通じて「育てる」以前に、成長したいという気持ちを高め、持続させる「育つ」環境づくりを行うことが重要です。

調査報告書では、この他にも、世代別の特徴や、ハイパフォーマーの学び方の特徴など
ビジネスパーソンの「学び」について分析を行っています。
詳細は報告書でご確認ください。

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本件に関するお問合せ先

【報道関係 お問合せ先】
株式会社日本能率協会マネジメントセンター 広報担当
E-mail: PR@jmam.co.jp

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