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女性活躍推進実績企業:興銀リース株式会社様 決め手は経営層関与と全社的なバックアップ

ニュースリリース

女性活躍推進実績企業:興銀リース株式会社様
決め手は経営層関与と全社的なバックアップ
女性が“挑戦”できる機会を提供

2016年4月、女性活躍推進法が施行され、多くの企業で行動計画が実行に移されつつあります。しかし、JMAMが2月に実施した調査では、対象の半数近くの企業で女性活躍推進に関する企業体制が整っていない現状が明らかになりました。JMAMが主催するセミナーでも「いざ取り組みを始めても、方向性が間違っていないか不安」と推進担当者からの声を多くいただき、まだまだ道半ばの企業も多いのが実情です。

そこで今回は、JMAMのサポートによって、現場の社員主導のプロジェクトを通した「女性活躍推進」を組織に根づかせる活動をされた企業の事例を紹介いたします。活動において困難だったこと、達成できたこと、今後の展開など性別を問わず社員が活躍できる組織づくりとしてご参照いただければ幸いです。

ご紹介企業:興銀リース株式会社様

みずほフィナンシャルグループの総合リース会社である、興銀リース。1969 年に設立され、製造業向けの設備機器リースを中心に発展した同社は、女性が活躍できる職場にしていくために、2年前に女性活躍推進プロジェクトとして「SAKURA(サクラ)」を発足させ、企業風土を変える活動を開始。3年目を迎える2016年はダイバーシティ推進室が組織され、この活動も社内に浸透してきています。

今回は、「SAKURA」プロジェクトの発起人であり責任者を務める代表取締役専務 倉中 伸様と、「SAKURA」のプロジェクトメンバーである人事部 ダイバーシティ推進室 室長代理 小峯 直子様にお話いただきます。

女性活躍推進の背景と今後の方向性

きっかけは、社員意識調査での社員からの声

当社の従業員数は約600名ですが、そのうちの約3分の1が女性です。

 2012年に当社に着任した時に、会社のことを勉強しようと思い、2年ごとに行っている社員意識調査の結果を読み込みました。自由回答欄を読むと、「この会社は男尊女卑の会社である」とか、「男性社員、総合職社員の“上から目線”には耐えられない」といったコメントが散見され、今時こんな言葉が出てくることに驚きました。これは早く女性活躍推進に取り組んだ方がいいと感じました。

プロジェクト活動は段階的にステップアップ

 女性活躍推進プロジェクトチーム「SAKURA」の活動は、2014年にスタートしました。同年10月から翌2015年5月にかけてのPHASE1(下図参照)では、女性一般職のみのメンバーで活動し、同年6月から12月までのPHASE2では、メンバーを女性一般職、男女総合職の混成で行いました。それらの活動を踏まえ、2016年4月にダイバーシティ推進室を設置、10月にはSAKURAのPHASE3がキックオフしました。今回は総合職男性のマネジメント層だけで構成し、マネジメントの立場から女性活躍推進の活動を進めています。

一人ひとりの人生観・職業観を重視すべき

私は、女性活躍推進とは、単に女性管理職や役員を増やすということではなく、女性が一人ひとりの人生観、職業観に基づいた道を進むために、精神的・物理的環境を構築することだと考えています。

 その背景には、全ての人にとって、「仕事」は人生の「最優先事項」であるべきか、という問いがあります。人によっては、趣味やライフワークなど仕事以上に優先したいこと、あるいは出産・育児や介護など優先することを余儀なくされることがあります。それぞれの人が、自分の人生観、職業観に従って仕事と生活のバランスを取ることが優先されるべきです。従って会社は、どんな時でも社員に「仕事最優先」を求めるのではなく、このバランスが取れるように物心両面の環境整備をすべきです。



女性の意識を変えるサポートが大切

 とはいえ、仕事以外の生活を重視した環境づくりだけが目的ではありません。女性が仕事において自己実現を図ることについても、啓蒙・啓発が必要だと考えています。なかには、「仕事や会社での立場はこれくらいでいいかな」「残業したくない」「総合職って休暇を取りにくそう」といった考えを持っている女性も多いと思います。そうした女性たちが、「総合職の仕事に挑戦してみたい」「管理職や役員として組織を率いたい」「自分を向上させたい」と思えるようなサポートをしていくことが大切です。


 そのためには、「上昇志向を持て」「仕事の領域を広げろ」と一方的に言うのではなく、丁寧なコミュニケーションをして、女性が「挑戦したい」と思えるように背中を押してあげる仕組みが必要です。そこで大切なのが「ストレッチアサインメント」です。男性の場合は役職を与えることで、その役職に相応しい存在になる傾向がありますが、女性はそれと同じではなかなかうまくいきません。急に役職につけたり責任を与えたりするのではなく、「代理」や「副」などの役職を設け、少しずつ責任を積み増ししながら、自信をつけてもらうようにすべきでしょう。

女性活躍推進プロジェクトチームSAKURAの活動とは

「断れないですよね…」打診に戸惑いも

 私は2004年に中途採用で一般職として入社しました。営業事務部に配属され、保険業務や入金業務のルーティンワークを10年間担当してきました。部長から女性活躍推進プロジェクトのメンバーに選ばれたと聞いた時は、何か責任重大なミッションを与えられたと思い、「断れないですよね」と一応確認したうえで、「頑張ります」と返事をしたことを覚えています。

経営直轄の活動としてスタート

 プロジェクトチームは、倉中を責任者として、経営直轄で設置されました。人事部が事務局を務め、本プロジェクトへのアドバイスや、ワークショップのファシリテーター(講師)をJMAMに協力いただいています。

 PHASE1のメンバーは、一般職の8名で構成されています。一般職が選ばれたのは、男女別の役割分担という風土が最も顕著に表れているという理由からです。メンバーは、管理部門、営業部門の各年次を代表する社員から、年齢のバランスも考慮して選定されました。プロジェクトは通常業務との兼務で負荷がかかるので、社内の協力や理解を得るため、人事発令と任命式を行いました。また、プロジェクト活動が目標管理制度の評価対象となるよう、目標として明記するようにしました。キックオフミーティングでは、倉中から「遠慮することなく、自由な発想で提言してほしい」との期待を受け、身が引き締まりました。

のべ250時間に及んだPHASE1の活動

 プロジェクトでは、経営への提言をするための活動を行います。PHASE1の前半は、社員にアンケート調査を実施して現状を把握し、課題を見つけることに費やしました。アンケートでは、男性の5割が「女性が活躍している」と回答したのに対し、女性の7割は「女性が活躍している職場だと思わない」と回答し、女性からは「環境や制度が整えば、もっと業務の幅を広げていきたい」という意見があがりました。  後半は、課題についてさらに深掘りするため、社内インタビューや企業訪問を行いました。並行して、提言の資料を作成し、最終報告に向けてのプレゼン練習も行っています。講師が参加してのワークショップは全12回。1回につき4時間なので、のべ50時間。その他に、チーム全体やグループごとのミーティングは約80回、のべ200時間にも及びました。SAKURAの活動は、「さくら通信」としてイントラネットを通じて社員と共有しました。

女性活躍のあるべき姿とは成長、やりがい、達成感を実感すること

 活動を通じて、私たちは、女性活躍のあるべき姿は「成長、やりがい、達成感を実感すること」という結論に至りました。私たち自身、暗中模索の状態から、社員とのコミュニケーションを通じた現状把握や課題抽出で、少し光が見え始めた時に「やりがい」を実感し、活動の中でスキルアップや自身の業務領域の拡大を感じた時に「成長」を実感し、最後の経営への提言や全社への報告時に「達成」を実感できました。
 メンバーに選ばれた時は「断れないですよね」と言った私ですが、今回の講演の話を頂いた時はすぐに「やります」と返事を。この経験も、私にとっては成長を実感する機会となっています。

コンサルタントからヒトコト

女性社員に挑戦するチャンスを

女性は自分を過小評価したり、可能性をせまくとらえたりしてしまうところがあります。一方で、一度機会を得て舞台にあがれば大きな力を発揮する方が多いのも実際です。小峯さんをはじめとしたメンバーも「プロジェクト参加」という機会を得て、大きな成長を実感したということですが、企業としてはこのような”女性社員が挑戦する機会“をいかにつくれるかがポイントです。

全社的に丁寧なバックアップが成功の秘訣

メンバーのがんばりはもちろんですが、プロジェクト成功の裏には、倉中専務や事務局によるバックアップがあったことも見逃せません。人事通達で社内に活動を知らしめる、任命式や専務自らプロジェクトへの期待を伝えることでメンバーを動機づける、職場の上司に理解とサポートを求めるなど、メンバーを支える丁寧で地道なコミュニケーションがプロジェクトを成功に導いたのではないでしょうか。

日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)について

JMAMは、日本能率協会(JMA)グループの中核企業として1991年に設立されました。通信教育・研修・アセスメント・eラーニングを柱とした人材育成支援事業、能率手帳の新生ブランド『NOLTY』や『PAGEM』を代表とする手帳事業、ビジネス書籍の発行を中心とした出版事業を通じて、「成長したいと願うすべての人」を支援し続けていきます。www.jmam.co.jp

本件に関するお問合せ先

【報道関係 お問合せ先】
株式会社日本能率協会マネジメントセンター 広報担当
E-mail: PR@jmam.co.jp