EN

  • HOME
  • お知らせ
  • 昇進昇格実態調査 ―受験者からみた審査の実態―
お知らせ

昇進昇格実態調査 ―受験者からみた審査の実態―

ニュースリリース

昇進昇格実態調査 ―受験者からみた審査の実態―
合否は聞いても「理由や今後の期待は言及なし」6割強
合格者と比べ、不合格者は準備で“根回し”を実施

株式会社日本能率協会マネジメントセンター(代表取締役社長:長谷川隆、東京都中央区、以下JMAM[ジェイマム])は、過去3年間に管理職への昇進昇格審査を受けた会社員254名に対し、昇進昇格審査の機会が社員の人材育成にどのような効果を与えているかアンケート調査を実施しました。このたび、調査結果を取りまとめましたので内容を一部抜粋してお知らせします。

昇進昇格審査には、管理職層への選抜的な側面と育成的な側面があります。育成的な側面とは、一般職から管理職へ大きく役割が変わっても即戦力として活躍できるよう、管理職に必要な人材要件を示し、知識・スキル・マインドを高めていくことです。この育成面の重要性は多くの企業で認識されているものの、実際に昇進昇格審査が人材育成にどう効果を発揮しているか、実態は明らかにされていませんでした。今回JMAMでは、昇進昇格審査の人材育成への影響を明らかにするために本調査を実施しました。

<調査結果概要(一部抜粋)>

「合否の結果」は伝えられているものの、理由や今後の期待については不十分
合格者、不合格者ともに「合否の結果」は過半数が伝えられている一方、「合否の理由」は半数以下、期待や今後の話し合いも4割程度に留まる。
特に不合格者では説明を受ける割合が減り、「あなたに対する期待」や「今後どのようにするのか」「あなたの取り組みの十分だったところと不十分だったところの確認」など上司からの説明は3割に留まる。

合格者の方が全般的に準備し、特に上司からの個別指導を受けている
合格者は、すべての方法で不合格者よりも審査の準備をする割合が多く、準備方法で最も差が開いている項目は「上司から個別の面談や指導を受ける」で、合格者の6割に対して不合格者は4割に留まる。

技能的な対策より内容を重視する傾向、不合格者は合格者より“根回し”実施
全体で準備した内容をみると、「経営方針・経営理念の確認」「事業計画の確認」は6割である一方、「論文の書き方の練習」「面接の練習」「プレゼンテーションの練習」は1割未満。

合格者はほぼ全ての項目で不合格者よりも準備をする傾向だが、「関係者への根回し」において合格者の1割に対し、不合格者は3割が実施。

<調査概要>

調査対象: インターネット調査
調査地域: 全国
有効回答: 過去3年間に管理職への昇進昇格審査を受けた会社員254名(合格者:121名、不合格者:133名)
調査期間: 2016年6月


<調査結果詳細(抜粋)>

「合否結果」は聞いても、「理由や今後の期待」は言及わずか

Q.昇進昇格審査の結果について、どのようなフィードバックを受けましたか。

【全体】

合格者、不合格者ともに「合否の結果」は伝えられている一方、「合否の理由」は半数以下、対象者への期待や今後の話し合いも4割程度に留まります。

【合格者・不合格者別】

合格者と比較すると不合格者では、全般的に説明を受けた割合が減り、特に「あなたに対する期待」や「今後どのようにするのか」「あなたの取り組みの十分だったところと不十分だったところの確認」など、今後の支援に関する内容については直属の上司からの説明は3割程度となりました。直属の上司からの説明が十分に行われていない、または説明が伝わっておらず、フィードバックが能力開発を促進する機会として活かされていないことが窺えます。



合格者の方が全般的に準備、特に上司からの個別指導を受ける傾向

Q.昇進昇格審査にあたってどのような方法で準備をしましたか。

【全体】

全体では、「上司から個別の面談や指導を受ける」(5割)、「社内の人から助言を受ける」(4割)と多くなりました。次いで「書籍で学ぶ」「インターネットで学ぶ」(3割前後)が続きます。一方、「社内の勉強会等に参加する」「社外の研修などに参加する」は、2割前後に留まる結果となりました。

【合格者・不合格者別】

合格者は、すべての方法で不合格者よりも審査の準備をする割合が多く、準備方法の豊富さが、合否に関連していると示唆されます。準備方法で最も差が開いた項目は「上司から個別の面談や指導を受ける」で、合格者の6割に対して不合格者は4割に留まりました。

技能的な対策より内容重視、不合格者は合格者より“根回し”実施

Q.昇進昇格審査にあたってどのような内容を準備しましたか。

【全体】

準備した内容は、「経営方針・経営理念の確認」「事業計画の確認」は6割が行い、次点で、「自分の強みと補強点の把握」「上位職としての人材要件の確認」を5割強が行ったと回答しました。
一方、「論文の書き方の練習」「面接の練習」「プレゼンテーションの練習」は「やらなかった」「まったくやらなかった」の回答は4割であり、審査の技能的な対策は実施しない割合が高くなりました。

【合格者・不合格者別】

合否別に見ると、合格者はほとんどの項目で不合格者よりも準備している結果でしたが、「関係者への根回し」においてのみ、合格者は1割であるのに対し、不合格者は3割と回答しました。

総括

本調査よりJMAMでは、調査からわかる合格者と不合格者の意識や取り組みの違いと、成長に影響を与える要因を整理し、今後さらに昇進昇格審査を育成の場としていくための効果的な取り組みについてご提案いたします。昇進昇格審査において、対象者が一般職から管理職へと一段成長するために必要な事柄をまとめると、下記の4つだと考えられます。

【対象者の成長を促進する4条件】
 1)直属の上司による指導・育成(対象者に合わせた説明と指導、フィードバック等)
 2)上司の上位者によるメンタル面のサポート(期待を伝えていくこと等)
 3)人事部門による育成的な環境づくり(育成的な制度運用とセーフティーネット等)
 4)一般職から管理職へ視座を高めるキャリア教育(中期的な目標面談、キャリア研修等)

【昇進昇格審査で対象者の成長を促進するためのポイント】
対象者を取り巻く直属の上司、上司の上位者、人事部門の重要な関わりをまとめると、下記のような事柄が考えられます(「○」多くの企業で実施されているもの/「●」あまりやられていないが、成長促進させる重要な関わり例)。


本件に関するお問合せ先

【報道関係 お問合せ先】
株式会社日本能率協会マネジメントセンター 広報担当
E-mail: PR@jmam.co.jp