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お知らせ

「女性活躍推進法」施行目前 「女性活躍推進に関するアンケート」調査結果

ニュースリリース

推進体制「まだ整っていない」 50%近く
仕事と家庭両立への課題は「職場と管理職の理解」

株式会社日本能率協会マネジメントセンター(代表取締役社長:長谷川隆、東京都中央区、以下JMAM[ジェイマム])は、企業でダイバーシティ推進や女性活躍推進に携わる67企業73名に対し、自身が所属する企業の女性活躍推進に関するアンケート調査を実施しました。このたび、アンケート調査の結果を取りまとめましたので、その内容を一部抜粋してお知らせします。

<調査結果概要(一部抜粋)>

女性活躍推進法の施行が迫る中、企業の体制は十分に整っていない
  ・全体における47.9%の企業が女性活躍を推進する体制を整えていると回答した一方、半数近くにのぼる46.6%の企業が推進体制は整っていないと回答。
  ・経営トップ自ら女性活躍推進に積極的に関与している割合はわずか14.1%であり、半数以上の56.3%の経営トップが方針を示していない。

仕事と家庭の両立に向けた課題は「職場の理解」「管理職の理解」
  ・仕事と家庭の両立を目指す「しくみ」(勤務制度)運用の課題は、「制度利用について職場の理解が進んでいない」(46.6%)、「制度利用について管理職の理解が進んでいない」(42.5%)。

今後の施策は「女性社員の就業意識向上」と「全社的な女性活躍推進の啓発」
  ・現在の取り組みは制度整備や女性の人数確保が中心であるが、今後は女性の就業意識の向上、管理職登用推進、社内の意識啓発など、女性社員を戦力としてとらえ、活躍を推進するための施策にシフトする傾向がうかがえる。
  ・2016年9月までに新たな取り組みを開始する企業が約半数(47.8%)である一方、取り組みの見通しが立っていない企業も36.2%にのぼる。

<調査概要>

調査対象: 弊社の女性活躍推進に関するセミナー参加した、企業の女性活躍推進に関わる方 ほか
有効回答: 67社73名
調査期間: 2015年10月~2016年1月
調査方法: アンケート書類を配布し、ご記入いただいた後に回収
調査項目:
 (1)女性活躍推進の取り組みの現状・今後の取り組み
 (2)女性も活躍できる「しくみの運用」
 (3)女性活躍推進法への対応状況

1. 女性活躍推進の取り組みの現状

<調査結果詳細(抜粋)>

(1) 女性活躍の推進体制
女性の活躍推進体制が整っているかたずねたところ、47.9%の企業では、何らかの形で女性活躍を推進する体制を整えていると回答しました。2014年度調査*の42.9%を上回ってはいるものの、依然として46.6%と半数近くの企業で推進体制がない、という現状も明らかになりました。推進体制の内容としては「推進プロジェクトがある」が最も多く21.9%、次いで「担当部署がある」が19.2%、「推進担当者を選任している」が6.8%の順となりました。

(2) 経営トップの関与
女性の活躍推進における経営トップの関与度合いを質問したところ、トップから何らかの方針が示されている企業は35.2%、その中でも経営トップ自ら女性活躍推進に積極的に関与している割合はわずか14.1%となり、経営層の関与がまだまだ不足している実態が明らかになりました。女性の活躍推進において、経営層の積極的関与は重要であるため、経営トップが女性活躍推進は社会全体が注目するテーマであることを認識し、企業の女性活躍を推進させる取り組みに積極的に関与していくきっかけを得ることが望まれます。

(3) 女性活躍に向けた「しくみ」(勤務制度)の運用
男女に関わらず仕事と家庭を両立するための「しくみ」として、どのようなものを導入しているかをたずねました。「ノー残業デイ」(67.1%)が最も多く、「(法廷以上の)育児休業制度」、「(法廷以上の)育児短時間勤務制度」(それぞれ50.7%)が次点という結果になりました。

2. 女性活躍推進に向けた課題

仕事と家庭の両立を実現するための「しくみ」(勤務制度)運用上の課題
「しくみ」を運用する上での課題は、「制度利用について職場の理解が進んでいない」(46.6%)、「制度利用について管理職の理解が進んでいない」(42.5%)の順に多く、制度を利用するにあたって利用者を取り巻く周囲の理解が不足していることがうかがえます。

3. 今後の女性活躍推進の取り組み

(1) 既に実施している/今後実施したい取り組み施策
実際に実施している/今後実施したい取り組み施策をたずねたところ、既に取り組んでいる施策は、「女性社員の積極的な採用・配置」、「仕事と家庭の両立を可能にする制度の拡充・利用促進」がいずれも39.7%と最も多くなりました。次いで「性別にとらわれない公正な人事評価制度の運用」(38.4%)、「育児休業中の社員への教育、復帰サポート」(27.4%)が挙がり、まず制度面を整え、女性社員の人数を確保する施策が中心である現状が明らかになりました。  一方、今後取り組みたい施策として優先度が高いものは、「女性社員のモチベーションや就業意識向上」(37.0%)、「女性社員の積極的な管理職登用」(32.9%)、「全社員に対する意識啓発」(31.5%)となり、取り組みの内容が「制度整備から意識啓発へ」「人数確保から活躍推進へ」とシフトしていることがうかがえます。

(2) 今後の取り組みの予定(見通し)
前問の「今後実施したい施策」を取り組む開始時期としては、「2016年9月までに取り組みを開始する」とする企業が約半数の47.8%でした。一方、まだ取り組みの予定が立っていないと回答した企業も36.2%にのぼりました。

総括

 2016年4月の「女性活躍推進法」施行が迫る中、今回の調査では、アンケート対象の半数近くの企業において女性活躍推進に関する企業体制が整っていない現状が明らかになりました。JMAMが主催するセミナー等でも、「何から取り組んでよいかわからない」といった声を数多くいだきます。セミナーや研修等を通じて女性活躍の環境づくりをサポートする当社のシニアHRMコンサルタント    小池 順子より、今後女性活躍推進へ取り組むにあたって押さえるべきポイントを2つご紹介します。

ポイント1.経営層の積極的関与を目指したトップへの働きかけ
今回の調査結果では、経営トップの関与が限定的であることがわかりました。経営トップの積極的な関与が重要であることは、専門家や取り組み先進企業から繰り返し語られています。
 ある企業では社員意識調査報告書の中の「性別による意識の差」が目にとまり、経営トップが女性活躍推進の取り組みに積極的に関わるようになったと聞いています。
 経営トップの関心事はひとつではなく、優先順位がその時々で変わることもあります。こまめな報告を通じて、経営トップのアンテナに触れる機会をできる限り多く持つことが重要です。

ポイント2.管理職の意識改革をはじめ組織風土の形成
 また、調査結果では、「しくみ」運用の主な課題として「職場の理解」、「管理職の理解」が指摘されました。特に、女性社員の活躍推進において「上司」の果たす役割は重要です。今後は「女性」のテーマに加え、多様な人材をマネジメントして成果につなげることが求められ、管理職の重要性が高まることは間違いありません。例えば、階層別研修にダイバーシティ教育を入れる、会議等で女性活躍推進について共有する機会をもつなど、丁寧な進め方が結果につながると考えます。

このように企業トップ、管理職をいかに巻き込めるかが、女性自身の就業意識と周囲の意識の改革につながり、全社的な女性の活躍推進に向けた第一歩となると考えます。  JMAMは、今後も研修事業や通信教育事業、関連調査活動などを通じて、企業の人づくりを支援してまいります。

本件に関するお問合せ先

【報道関係 お問合せ先】
株式会社日本能率協会マネジメントセンター 広報担当
E-mail: PR@jmam.co.jp