導入事例

事例紹介 野村貿易株式会社

事例詳細

テーマ 若手社員の育成 / 学習する風土づくり
対象 内定者

野村貿易株式会社

旧野村財閥を源流とした総合商社。1917(大正6)年に発足した野村南洋事業部を起源とし、1951(昭和26)年に貿易商社として事業を開始した。現在、食品を扱う「フード部門」、アパレル・寝具などを扱う「ライフ部門」、伝統商品から最先端商品まで幅広い取引品目を扱う「インダストリー部門」の3部門で事業を展開している。また、創業者である野村徳七の「幕直進前※」(まくじくしんぜん)の開拓者精神を受け継ぎながら、幅広い商品構成と海外ネットワークを構築。ステークホルダーから信頼・評価される機能を構築し、グループの企業価値を高めることで働き甲斐のある貿易商社をめざす。
※「信じるところを迷わずまっすぐに前進せよ」という意味の禅語

内定時期から刺激を与え、社会人意識を喚起

旧野村財閥が源流の総合商社として知られる野村貿易では、内定者教育の手段として通信教育を導入している。 同社が内定者教育に取り入れている通信教育は全部で3コース。業務に関する基礎知識として『よくわかる貿易実務コース』と『簿記3級』を、さらに社会人の基礎知識を学ぶために『Newビジネス道コース(心・技・体)』を活用している。

従来から内定者教育に貿易実務などの業務に関する通信教育を使っていたが、近年、新たに社会人基礎知識に関する通信教育を選んだ理由を、経営管理部人財開発グループ課長代理の齋藤正芳氏はこう話す。
現場から寄せられる新入社員教育に対する要望に“基本動作”に関するものが多く、課題となっていました。入社後も学生時代の習慣が抜け切れない人が散見されたからです。そこで内定時期から社会人になる意識づけをはじめる必要があるという結論に至り、知識が簡潔にまとまっていて、レポート添削といったサポートも充実している通信教育を導入することに決めました」(齋藤氏)

同社では、入社が間近に迫った年明けから『Newビジネス道コース』を開講。内定者はこれを受講することで、社会人になるという実感が徐々に高まっていくという。「土台がないところで、入社後いきなり社会人の基礎を教えても、習得までには時間がかかります。礼儀作法やマナーといった最低限の基礎がある状態で集合研修を受けるのと、ゼロの状態で教わるのとでは習得できる量やこれに要する時間に差が出ると思います」(齋藤氏)

入社前に少しずつ刺激を与え、社会人の基礎に触れることで気持ちが整理され、社会人意識が醸成されていくのだ。

「これならできそう」と思える内容で学習意欲を喚起

同社が内定者向けの通信教育に『Newビジネス道コース』を選んだ理由は、少ない負担で基本が確実に身につくからだ。
「Newビジネス道は“心・技・体”に分かれた構成です。“心”には意識・態度が、“技”には仕事の基本スキル、“体”には生活行動というように、どこに何が記載されているのかが一目瞭然。若い社員が興味を持つ楽しげなイラストが多く、テキストというよりも読み物といった雰囲気で構成されています。自己学習は負担を感じるとつい気が引けてしまいますが、適度にやわらかく表現されていて“これならできそう”と思える点が魅力ですね」(齋藤氏)

しっかりと基本を身につけてほしいが、負担を感じさせてしまうと学ぶ意欲が低下してしまう。必要な情報が網羅されていながら、気軽に取り組むことができるというほどよいバランスが導入の決め手になった。

テキストを拠りどころに育成内容のバラつきを抑える

「フード」「ライフ」「インダストリー」など、幅広く事業を展開している同社では、同じ社内でも所属部署によって風土が大きく異なる。そのため、上司や先輩社員の経験やスキルにも部門ごとのカラーがあり、新入社員の育成スタンス・内容にバラつきが生じていた。

「“社会人の常識・基本”は、教える側も正しいと確信を持って言い切れないことが多いものです。会社では常識だと思っていることが他社では通用しないということもあります。通信教育には体系的なカリキュラムがありますから、教える側も自信を持って“正しいこと”を指導できるようになります」さらに受講後も手元に教材が残り、振り返りができる通信教育は、集合研修とOJTの間を補完する効果もあると齋藤氏はいう。
 また、経営管理部人財開発グループの小林氏は自らの新入社員時代を重ね、通信教育で学ぶことの意味をこう話す。「実体験でもあるのですが、学生は『社会人になったら勉強は終わり』と思ってしまいがちです。ですが通信教育の受講を通して、社会人になってもやっぱり勉強が必要ということに気づいた人もいたと思います。そんなメッセージが伝わるとうれしいですね」(小林氏)

今後はより効果のある活用方法を模索したいという同社。通信教育で“事前準備”を整えた内定者が4月1日に見せる姿には“新社会人らしさ”が漂っていることだろう。

プロフィール

会社名 野村貿易株式会社
設立 1976年6月3日(創業1917年)
本社所在地 東京都港区虎ノ門4丁目3番13号 神谷町セントラルプレイス7階(東京本社)
代表者 宮下勝成
資本金 25億円
主要事業 総合商社
ページ上部へ戻る