事例詳細

アセスメント

アセスメント活用事例 Vol.5

テーマ メンタルヘルス対策 / 若手社員の育成
対象 新人・若手社員

近畿労働金庫

働く人の夢と共感を創造する協同組織の福祉金融機関、近畿労働金庫。労働組合や生活協同組合などが出資して、働く人たちの暮らしを支える金融事業を展開している。同金庫では、労働金庫の理念に共感し、実践できる職員を育成すべく、採用から配属、育成までの各段階で、JMAMのアセスメント・ツール『V-CAT』を活用している。今回、同金庫人事担当の八尾 高伸氏に、V-CATの活用法についてお話を伺った。

ストレス耐性の高い人材の採用と育成にV-CATを利用

新人のストレス耐性に課題

近畿労働金庫は、働く人の暮らしを支える金融機関だ。預金・融資といった業務内容は、銀行などの金融機関とほぼ同じだが、労働金庫法に基づき、非営利・会員直接奉仕・政治的中立の事業運営3原則により、公平かつ民主的に運営され、住宅ローンや教育ローン、定期預金、財形預金など個人を中心に利用されている。
同金庫では2008年に人事制度を改定し、複線型人事制度の導入と合わせて、新入職員の能力開発プログラムも変更した。特に、入庫(入社)1年目から5年目までの職員を「能力開発ステージ」と位置付けて、業務・知識スキルとヒューマンスキルの両面から段階的に育成していくことを強化した。これによって人事制度と連動した能力開発がスタートしたが、配属先からは、「今の新人は、頭はいいが、しつけや基本行動ができていない」「精神面が弱く、打たれ弱い」といった課題が上がってきた。
こうした状況に、人事としてどのように取り組んだのか。八尾氏は、次のように述べる。
「しつけやメンタルヘルスの問題を、単に個の問題と捉えてはいけないと思います。今の新人が育ってきた環境は、我々上の世代が育ってきた環境とは全く違います。そこでまず、しつけの面に関しては、2011年にJMAMの研修プログラム『新入社員基本行動トレーニング(FBT)』を入庫時の研修に導入し、基本行動がしっかりとできるような教育を始めたのです」(八尾氏、以下同様)
同研修プログラムの導入によって、しつけや基本行動といった社会人としてのベースを強化することができた。さらに着目したのが、同研修プログラムで利用されている適性テストのV-CATだ。V-CATの結果が新人ごとの行動特性をよく表しており、納得性の高いものであったため、翌年から採用選考でも利用することにした。

ストレス耐性の高い人材を採用する

V-CATは、「メンタルヘルス」の状態と「持ち味」(性格的側面)の両面を測定する検査だ。同金庫では、V-CATを採用・配置・育成の3場面で活用している。
まずは採用時。エントリーから最終面接まで5つのステップがあるうち、3次選考のグループワークの段階でV-CATを受けてもらい、4次選考の個人面接でその結果を利用する。
「V-CATのよいところは、アウトプットが非常にわかりやすい点です。総合評価が10段階で数値化され、持ち味も一目でわかる上、面接時のチェック項目も記載されています。しかも面接では見えない部分を指摘してくれます」
V-CATの結果は、次の配属先の検討の場面でも利用している。
「配属先の店舗や部署には、よりストレス耐性の高い人材が求められるところ、新人を育成する環境が整っているところ、などいろいろです。人事としては、配属先の指導者や環境を頭に思い描いて、V-CATの結果を参考にしながら配属先を検討していきます」

“持ち味”に応じて新人を育成する

同金庫では、育成の場面でもV-CATを利用している。まずは、新人を教える側に対する教育を見直し、配属先の教育リーダー(入庫5年以上の職員)と教育責任者(店長・次長)に、4月と6月にそれぞれ研修を実施するようにした。
「配属先の教育リーダー、教育責任者を集めて、教える側の研修をまず4月に実施し、今年の新人の特徴や金庫としてどのように教えて欲しいかといった話をします。ここでV-CATの結果を使って、世間一般の結果と当金庫との比較を示し、当金庫の新人の“持ち味”やストレス耐性の高い人材を採用していることを客観的に説明します。そうすることで、教える側にも、採用した人材の“持ち味”を活かして育成していく覚悟を促します」と八尾氏はいう。
一方、新人本人に対しては、採用時のV-CATの結果を、自己理解用の書式に出し直した上で、研修時に返している。自分の“持ち味”を理解して、今後の能力開発に役立ててもらうためである。さらに今年から同金庫では、本人の同意を得て、教育責任者と教育リーダーにもV-CAT結果を渡すようにした。指導で迷った時の参考にしてもらうためだ。
「社会環境の変化により、学生からそのまま“素の状態”で社会に通用するような人材を採用することは難しくなっています。つまり、人材を活かすには、入庫後の育成にかかっているのです。そして育成に重要なのが、その人の“持ち味”です。現場で、持ち味に応じた教え方をしていくことで、育成効果をより高め、労働金庫の理念を実践できる人材を育成していきたいと思います」
採用、配属、そして育成にまでV-CATを活用している近畿労働金庫。同金庫の今後に注目していきたい。

(2014年7月作成)

プロフィール

会社名 近畿労働金庫
URL http://www.rokin.or.jp/
設立 1998年10月1日
本社所在地 大阪市西区江戸堀1-12-1
代表者 渡壁 長則
資本金 159億93百万円
主要事業 労働金庫法に基づく預金、融資、為替、国債窓販など金融業務全般

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