■「気づいて成長する管理者コース」を導入された経緯を教えてください。

石橋当社は2000年に設立された若い会社で、合併を繰り返しながら現在に至っています。最近になってようやく、今後成長するための社内的な課題に、腰を据えて取り組めるようになったところです。そこで、まず必要だと感じたのが、組織の要となる管理者の研修です。社内には様々なバックグラウンドを持った人間がおり、また職種もエンジニア、デザイナー、営業職、企画職、管理部門と多岐にわたります。様々な個性を持ったメンバーを一つの型にはめるのではなく、自律的で多様性を持った組織として動かしていく。その前提となるようなマインドを養ってほしいと考えました。

■なぜこの研修を選ばれたのでしょうか？

石橋この業界は変化とスピードが求められます。そのため、個々の管理者が自分で考え、自分で判断しながら担当業務をどんどん進めていくことが必要です。そういう意味では、「管理者とはこうあるべき」というインプット型の研修よりも、自ら気づく研修の方が、これから自律的にマネジメントを行っていく上で適していると考え、気づきを重視したこの研修を採用しました。

また、当社の管理者は、どちらかというと自分の担当分野や責任範囲に視野が狭まる傾向があるので、もっと横断的に、会社全体の視点で物事をとらえてほしいんです。それには、ＭＢＩのシミュレーション演習が役に立つと思いました。また、社内での相互尊重や相互フィードバックを活性化させる必要があると考え、その点でもこの研修が適していると思いました。

■実際に研修を実施された感想はいかがでしたか？

石橋初めのうちは、皆「いったいどんな研修なのか」と懐疑的でしたが、研修が進むにつれて次第に空気が変わっていきました。講師からもフィードバックをもらいましたが、皆明るく前向きで、主体的に熱心に取り組んでいましたね。研修時に一からつくったグループにもかかわらず、あそこまでまとまりをもてるようになるとは思いませんでした。研修後に打ち上げや、勉強会を継続的にやろうといった話も出て、研修を後ろから見ていて疎外感を感じるほどでした（笑）。

■受講した感想はいかがでしたか？

柑本最初は立場上、全体を見ていかないといけないと思っていたんですけど、演習ではグループの中で役割を与えられて、その役割を果たさなくてはいけないので、途中から内容にどっぷりはまってしまいました。私は「ＴＰ部の開発グループマネジャー」の役割でしたが、普段と違う視点で物事を見たり考えたりすることがすごく新鮮でしたね。また、演習の発表時に社長がコメンテーターになってくれたのも良かったです。アウトプットに対して、社長や講師から厳しい指摘を頂き、財務的な視点など、管理者としてまだまだ足りない部分が多いことに気づきました。

■相互フィードバックについてはいかがでしたか？

柑本一緒にグループディスカッションをやった直後に行うので、指摘されたことは素直に受け入れることができましたし、具体的に事実を示して指摘し合うので、納得することができました。以前から自分でも薄々気づいていたことを、ずばっと指摘されると、やっぱり見られているんだな、意識して改善していかなきゃいけないな、と思いますね。

石橋社内の制度として、全管理者で360度評価をやっているんですが、普段一緒に仕事をしているわけではないので、評価の前提となる情報が足りないために、当たり障りのないフィードバックが多いんです。それに対してこの研修では、前提情報を集めた直後にフィードバックを行うので、すごく心に刺さって、効果的だったんじゃないかと思います。

■研修の効用はありましたか？

柑本多くの気づきが得られたことと、お互いの理解も深まりました。普段は部門ごとに動くことが多く、他部門と一緒に何らかのミッションを遂行していくという機会があまりなかったので、この研修で、他部門の同じ階層の人たちが、どういうところを見て、どんなことを考えているのかがよく分かって良かったです。他の受講者も同じことを言っていました。互いの理解が深まったことによって、職場に戻っても、以前よりもコミュニケーションを取りやすくなりました。今回の研修はとても有意義だったので、こういう機会をもっと増やして、みんなで考え、一緒にレベルアップしていければと思います。

■今後に向けての課題を教えてください。

柑本今回の研修で得た気づきを、日常の業務に生かしていけるようなサポートが必要ではないかと考えています。

石橋この研修は自分で気づくことが目的であり、あくまできっかけなので、今回の気づきを、業務の中で具体的に生かしていけるような、リーダーシップやファシリテーションなどの研修を検討していきたいと思います。