“気づき”を重視した人材育成 第4回:人材育成に役立つアセスメントツールの選び方



アセスメントツールは大別すると、評価アセスメントと教育アセスメントの2種類に分けられます。

 評価アセスメントは人材の評価を主目的にするもので、能力やスキルレベルを測定し、求める要件(人材像)に対して、どの程度備えているかを明らかにするものです。

 一方、教育アセスメントは、主に日頃の行動の特徴や能力発揮の際に影響を与える態度や志向性などを測定し、それらの特徴を明らかにするものです。本人の“気づき”を高め、自己コントロールする力を身につけることで行動変容を目指します。

 どちらの場合も、人材育成に役立てるためには、必要な要件があります。有効なアセスメントツールを選ぶためには、この要件を理解しておく必要があります。

人材育成に役立つアセスメントツールの要件とは

1.測定内容

 測定したい内容を測るアセスメントツールであることが大前提ですが、その際に、本人の努力次第で変わる要素(能力開発可能な要素)や、本人が自己コントロールすることを可能にする要素を測定しているかどうかということも重要なポイントです。アセスメント結果をもとに能力開発に取り組みやすくなります。

 また、アセスメントのフレームがわかりやすいことも重要です。アセスメントのフレームは、今後自分の行動を振り返る際のチェックポイントになることが望ましいといえます。 

2.報告書

 結果を、わかりやすく、正しく読み取れるように工夫されていることが重要です。数値とグラフを併記して特徴を示したり、コメントがあるとわかりやすいです。加えて、測定の考え方とフレームも端的に記載されていることが望ましいです。それらによって、本人が結果を読むときの納得感がより高まるからです。 

3.ガイドブック

 結果の見方、測定の考え方とフレームがわかりやすく解説されていることが必要です。そして、自己の振り返りの方法と今後どのように能力を伸ばしていくのか、能力開発へのアドバイスや職場実践までのフォローの仕掛けがしっかりとつくり込まれているものが望ましいツールといえます。これによって学習が促進されるからです。

4.フィードバック研修または面談

 研修や上司との面談の場など、振り返りの場を設けることが望ましいです。研修の場合は、他者の“気づき”も共有することで、自己の振り返りをより深める効果があります。

 上司との面談の場合は、経験学習への支援が期待できます。そのために、上司用のガイドブックなどのツールも用意されているものがより効果的です。

5.職場実践の仕組み

 能力開発課題や目標を一時的なもので終わらせないために、目標管理項目に組み込んだり、上司が確認するなどの仕組みをつくることも有効になります。

6.アセスメントのフレームを用いた教育

 アセスメントの結果やフレームを用いた教育メニューが用意されていると、本人の理解が促進され、効果的に成長を支援することができます。ただし、この際、アセスメントの結果が低いものを即、本人の能力開発課題と捉えてはなりません。アセスメントの結果を各人の行動にまで落とし込み、能力開発課題を抽出するプロセスをしっかり行う教育であるかどうかを見極めることが重要になります。

 

 アセスメントツールの要件は、以上のとおりです。最低限、1~3があれば、ある程度の“気づき”が生まれます。
4~6は、行動変容につなげるまでのサポートになり、学習効果を高めるためには、これらが充実していることが望ましいものになります。

 これらの要件を満たしたアセスメントツールを選んでいただくことが
人材育成に大いに影響を与えることになるといえます。 

アセスメント事業部  事業部長 青木千絵

(次回につづく)

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